TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

先輩に手を引かれるまま学校を出た 。

まだまわりに数人生徒がいるけど、ひとまず人混みを抜けれてホッとする。

正門を出て、2人で並んで歩く。

家の方向どっち?

あっちです。

徒歩で15分くらい

あぁ、隣町か。わかった

俺が指を指したほうを見て、頷く先輩。

あの、先輩の家は?

俺も近く。

だから家まで送らせて。

ダメ?

う……その聞き方、ずるい。

送って貰うのは申し訳ないけど、先輩との約束をすっぽかそうとした俺に断る権利なんかない。

ダメじゃ………ないです

ありがとう

俺の返事に、先輩は嬉しそうに笑った。

さっきの話だけど、どうして冗談って思ったの?

俺、変な誘い方したっけ?

さっきの話っていうのは、俺が先輩の誘いを冗談だって言ったことかな?

いえ、そういうことじゃなくて………

なんで俺なんだろうって思って…

ん?

先輩、有名人だから俺みたいなやつに声かけるわけない………って思ったんです。

誘ってくれたのも、冗談かなにかかなって…

先輩は一瞬驚いたような顔をして、そのあとくすっと笑った。

お、俺、変なこと言った?

俺、一般人だけど

冗談交じりに言って、おかしそうに笑う先輩。

そ、そういう意味では………

もしかして、俺の告白……信じてない?

その言葉に、心臓がドキリと音を立てる。

信じてないわけじゃ!!

言いかけて、言葉を飲み込む。

でも………信じきれていないから、放課後の約束も、勝手に冗談だと決めつけちゃったんだ。

俺、先輩のこと傷つけちゃった?

ごめん……なさい…

申し訳なくて謝ることしかできなかった。

そんな俺に、先輩は優しく微笑みかけてくれる。

いや、謝ることないし。

ちゃんと伝えなかった俺が悪いから

優しい言葉に、緊張が解れていくようだった

ちゃんと、聞いてみよう……。

あの、どうして俺なんですか?

意を決して聞くと、先輩は歩きながらゆっくり話し始めた。

一応言っとくけど、俺、見た目で好きになったわけじゃない……から

見た目?

そんなこと言われなくても、もちろん分かっている。

見た目で好きになる所なんて、俺には1つもないもん

いやごめん、言い方悪かったかも。

……今は見た目も含めて全部好きだし、誰よりも可愛いなって思ってる。

……っ、可愛い?!?!

な、何を言ってるんだろう。

そんなわけ、ないのに。

言われ慣れていないそんな言葉に、不覚にも少しときめいてしまった。

あたふたする俺をよそに、先輩は話を続ける。

ただ、好きになったきっかけは…優しい、とこ……

え?優しい?

1回俺の手当てしてくれたの覚えてない…?

俺が、先輩の手当て?

えっと………

………すみません、

記憶を巡らせても、身に覚えがなかった。

週に3日、放課後は保健委員としてけが人の手当てをしているけど……

毎日何人もくるから、その時に先輩と話してたのかな?

それにしても、覚えてないって失礼だよね、

いいよ。ていうか、そういうところが好きだから。

………っ

『好きだから』

思いがけない言葉に、また心臓が跳ねる。

そんなさらっと………好き、なんて………っ

どう返事していいか分からず、ただじっと先輩の言葉に耳を傾ける。

俺、人間嫌いなんだ

黄くんが言ってた…

はい。噂で聞きました…

親が原因なんだけど…本気で人がダメで…ていうか、苦手で…

先輩の表情から、本当に苦手なんだというのが伝わってくる。

でも、君は俺が知ってる人とは全然違った

………私が?

手当てしてもらうとき、俺を特別扱いしなかった。

他のケガ人と同じように扱ってくれて、当たり前のように、みんなに優しかった。

……………

普通に扱って貰ったことが無かった俺にとって、すごく新鮮に感じたんだ

そんな特別なことじゃなかったと思うんだけど…

人に優しくするのは大切だと家族に教えて貰ったから、みんなそうなんだと思ってた。

それが当たり前なんだと思ってた…

でも俺にとっては特別だった。

君みたいな人、初めてだった。

そんな風に言われると照れてしまう

それからずっと気になってて、目で追うようになって、あぁ、これが恋かつて分かった。

相づちを打つのも恥ずかしくて、ただ先輩をずっと見つめる。

最初は、自分が誰かを好きになる日が来るなんて夢にも思わなかったから、すごい動揺した。

でも、そんなこと気にならないくらい好きなんだ

先輩の声は、真剣そのものだった。

まっすぐな眼差しを向けられ、鼓動が速くなる。

早くしないと誰かに取られるって思って、考えなしに告白した。

それくらい……好き

ああ、どうしよう、

俺、今絶対…顔真っ赤だ

だって、こんなにもまっすぐ思われたことなんて…ない。

瞳で、声で、言葉で伝えてくれる先輩に、どうしようもなく胸が高鳴った。

困らせたいわけじゃないから、それだけは分かって欲しい。

冗談でも嘘でもない。

俺にとって、初めての恋だから。

理由を聞いてもまだ、どうしてこんなに好きになってくれたのかは分からないけど…

は、はい

気持ちが痛いほど伝わってきて、頷くしかなかった。

先輩が、そんな俺を見てふっと笑う。

そのまま距離を詰めてきた先輩は、俺をじっと見たまま綺麗な形をした唇を開いた。

next↗♡1000

すみませんハート制度つけさせて貰います…

今現在テスト週間なうでしてアセアセ

よろしくです!!

loading

この作品はいかがでしたか?

1,217

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚