TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

今は、まだ我慢する。

でも、どんな手を使っても、俺のこと好きにさせてみせる。

俺のものにしたいって思ってるから

……っ

目の前で囁かれた強引なせりふに、顔が熱くなるのが分かる。

顔、真っ赤

あ、当たり前だよ、そんなのっ…

こんなかっこいい人に、目の前でこんなこと言われたら。

先輩…顔が、近いです……っ

先輩じゃなくて、桃って呼んで

え?

名前で?

俺も、赤って呼んでいい?

ちょっと早すぎる?

それは……全然構いません

ていうか先輩、さっきまであんな強引なこといってたのに、早すぎる?なんて、優しいんだか強引なのかわからない。

ありがと、赤

くしゃりと笑いながら名前を呼ばれ、くすぐったい気持ちになった。

自分で許可したけど、下の名前で呼ばれるのって、ちょっと恥ずかしい。

じゃあ、俺のことは?

呼んでくれないの?とでも言いたげな表情の先輩に、うっ………と言葉を飲み込む。

先輩を名前で呼ぶなんてハードルが高すぎる。

えっと、じゃあ、桃先輩?

流石に『先輩』は取れないと思い、そう呼ぶと、満足げな表情が帰ってきた。

まあ、ギリギリ合格ってことで、今はそれで我慢する。

でも……びっくりした。

赤に呼ばれると、自分の名前が好きになれそう

なんだろう、その自分の名前が好きじゃないみたいな言い方。

嫌い……なの、かな

すごく、いい名前だと思います

俺は、率直にそう思った。

桃先輩は、一瞬驚いた表情をしたあと、照れくさそうに笑った。

ありがと

嬉しそうなその笑顔に、またしてもどきりと胸が音を鳴らした。

イケメンって……ずるいなぁ。

どんな顔をしてもかっこいいなんて……。

そんなことを思っていると、見慣れた道に差しかかる。

あっ……俺の家、あそこです。

道から見える赤い屋根の自宅を指さして、家に到着した。

送っていただいて、ありがとうございました!

なんだか、あっという間だったな。

いつもは長く感じる帰り道が、一瞬に感じた。

同時に、桃先輩と離れることに寂しさを感じている自分に驚く。

楽しかった。また一緒に帰ってくれる?

はい、もちろんです!

桃先輩の言葉に、笑顔で頷いた。

あ、よかったら連絡先教えてくれない?

はい!

連絡先を交換すると、「じゃあ、また」と手を振る桃先輩。

もっと話していたかったけど……。

はい、また

寂しさを隠して笑顔を向ける。

今日は、俺のわがまま聞いてくれてありがとう。

…………ばいばい

え?

言い逃げるように、ぽつりと言われたセリフ。

俺に背を向けて歩く桃先輩の耳が、赤く染まっていた。

も、桃先輩!!

とっさに、名前を呼んでしまった。

俺の声に、桃先輩がゆっくりと振り返る。

俺……真剣に考えます

今朝は、告白はただの冗談だとおもってたけど…

好きになってくれて、ありがとうございます!!

真剣に気持ちを伝えてくれる人に、はっきりしない態度を取っちゃダメだ。

それに、もう知りたいって思い始めてる、桃先輩のこと。

もっともっと……知りたい。

俺を見つめる桃先輩の瞳が、大きく見開かれる。

少しの沈黙のあと、桃先輩は俺の方へと戻ってきた。

そして、目の前で立ち止まった先輩の綺麗な瞳にじっと見つめられる。

こちらこそ、ありがとう

俺も頑張るから、前向きに考えて貰えるように。

ああ、もう……どうしよう。

恥ずかしくて、桃先輩の方を見られない。

は、はい…

視線を逸らしたまま、こくりと頷いて返す。

すると、ポンッと優しく頭を撫でられる。

また明日、赤

俺の顔をのぞき込んで耳元で囁かれた声が、驚くほどに甘くて……。

どうしようもなくドキドキしてしまうのを、隠すのに必死だった。

next↗♡1000

ブクマ一言

君 へ の 愛 は 1 0 0 %

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,115

コメント

26

ユーザー

ブクマ、フォロー失礼します!

ユーザー

もう赤くんどこまで素直なのおお!!!😭😭✨ それに対する桃くんの返しも好きすぎた🤦🏻‍♀️♡ とりあえず最高にきゅんきゅんしました🥺✨♡

ユーザー

ブクマ失礼します!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚