桃
桃
桃
赤
目の前で囁かれた強引なせりふに、顔が熱くなるのが分かる。
桃
あ、当たり前だよ、そんなのっ…
こんなかっこいい人に、目の前でこんなこと言われたら。
赤
桃
赤
名前で?
桃
桃
赤
ていうか先輩、さっきまであんな強引なこといってたのに、早すぎる?なんて、優しいんだか強引なのかわからない。
桃
くしゃりと笑いながら名前を呼ばれ、くすぐったい気持ちになった。
自分で許可したけど、下の名前で呼ばれるのって、ちょっと恥ずかしい。
桃
呼んでくれないの?とでも言いたげな表情の先輩に、うっ………と言葉を飲み込む。
先輩を名前で呼ぶなんてハードルが高すぎる。
赤
流石に『先輩』は取れないと思い、そう呼ぶと、満足げな表情が帰ってきた。
桃
桃
桃
なんだろう、その自分の名前が好きじゃないみたいな言い方。
嫌い……なの、かな
赤
俺は、率直にそう思った。
桃先輩は、一瞬驚いた表情をしたあと、照れくさそうに笑った。
桃
嬉しそうなその笑顔に、またしてもどきりと胸が音を鳴らした。
イケメンって……ずるいなぁ。
どんな顔をしてもかっこいいなんて……。
そんなことを思っていると、見慣れた道に差しかかる。
赤
道から見える赤い屋根の自宅を指さして、家に到着した。
赤
なんだか、あっという間だったな。
いつもは長く感じる帰り道が、一瞬に感じた。
同時に、桃先輩と離れることに寂しさを感じている自分に驚く。
桃
赤
桃先輩の言葉に、笑顔で頷いた。
桃
赤
連絡先を交換すると、「じゃあ、また」と手を振る桃先輩。
もっと話していたかったけど……。
赤
寂しさを隠して笑顔を向ける。
桃
桃
え?
言い逃げるように、ぽつりと言われたセリフ。
俺に背を向けて歩く桃先輩の耳が、赤く染まっていた。
赤
とっさに、名前を呼んでしまった。
俺の声に、桃先輩がゆっくりと振り返る。
赤
今朝は、告白はただの冗談だとおもってたけど…
赤
真剣に気持ちを伝えてくれる人に、はっきりしない態度を取っちゃダメだ。
それに、もう知りたいって思い始めてる、桃先輩のこと。
もっともっと……知りたい。
俺を見つめる桃先輩の瞳が、大きく見開かれる。
少しの沈黙のあと、桃先輩は俺の方へと戻ってきた。
そして、目の前で立ち止まった先輩の綺麗な瞳にじっと見つめられる。
桃
桃
ああ、もう……どうしよう。
恥ずかしくて、桃先輩の方を見られない。
赤
視線を逸らしたまま、こくりと頷いて返す。
すると、ポンッと優しく頭を撫でられる。
桃
俺の顔をのぞき込んで耳元で囁かれた声が、驚くほどに甘くて……。
どうしようもなくドキドキしてしまうのを、隠すのに必死だった。
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コメント
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ブクマ、フォロー失礼します!
もう赤くんどこまで素直なのおお!!!😭😭✨ それに対する桃くんの返しも好きすぎた🤦🏻♀️♡ とりあえず最高にきゅんきゅんしました🥺✨♡
ブクマ失礼します!