遊
つまり、私は両親から愛されてなかったという訳だ
瑠流
そんなの...酷すぎる...
遊
そう?よくあるでしょ、漫画とかアニメで
遊
やっぱり才能がない人間はオマケ扱いなんだよねー
刹那
恨みなどはなかったのですか?
遊
全然‼︎むしろスッキリしました‼︎
刹那
スッキリ?
遊
だって偽りの幸せの環境にずっといるよりマシですから
遊
それからだなー、“死”を意識し始めたのは
遊
それで、ルルちゃん。答えは出た?
遊
多分刹那さんにも相談しただろう
刹那
はい
遊
私の話も聞いただろう
遊
その上で聞くよ
遊
ルルちゃんはどうしたい?
瑠流
私は...
瑠流
瑠流
風祭さんの死を見届けたい
遊
...ちなみに理由を聞いても?
瑠流
私は元々死ぬつもりだった...結果的に2人助けられたけど
瑠流
だから死にたい気持ちはよく分かる
瑠流
本当は...死なないでほしい
瑠流
だけど死にたいって気持ちは風祭さんのもの、つまり私たちがどうこう言う権利なんてない
瑠流
私は...
瑠流
瑠流
風祭さんに助けられたから‼︎
遊
ルルちゃん...
瑠流
だから...だから、見届けたい
瑠流
あなたがどんな思いで...どんな表情で...どんな最期を迎えるのかを知りたい
遊
...分かった、ありがとう
瑠流
...あ
瑠流
ご、ごめん‼︎何か目にゴミが入ったみたい‼︎
瑠流
ちょっと私、目洗ってくる‼︎
そう言い残し私は急いで 教室を後にした。
私は走った。 夕日に染まった廊下を走った。
急いでる訳でも 目にゴミが入った訳でもない。
ただ、この運命から逃れるために この悲しみから逃れるために 私は誰もいない廊下を走った。
感情が決壊し 世界が歪んで見えた。
私は次第に速度を落とし やがて廊下に崩れ落ちた。 そして...
私は号哭した。
今まで我慢していたものを 吐き出すように私は泣いた。
するとそこへ...
一生
ど、どうしたんだ⁉︎
慌てふためいた贄川君が やってきて私に問いかけた。
しかし私は涙のせいで 上手く喋れなかった。
その様子を見るなり 彼は私を背負うと 歩みを進めた。
保健室
一生
すいませーん‼︎ちょっと診てほs...あれ?
一生
あのー?もしもしー?
一生
誰もいねーな...
一生
んー...どうすっかなぁ...
一生
...一旦部室連れてくか
美術室
彼岸
退学☆
一生
何もしてねーだろうが‼︎
彼岸
お手洗い行ってなかなか戻って来ないなと思ってたら、瑠流ちゃんを背負ってきて...
彼岸
いっせーがそういうことに興味を持つのは分かるけど、不純異性交遊はダメだよ‼︎☆
一生
だから何もやってねーっての‼︎
彼岸
嘘おっしゃい‼︎☆泣いてるじゃん‼︎☆
一生
それは俺が泣かした訳じゃなくt
彼岸
言語道断‼︎☆言い訳無用‼︎☆
一生
だから
瑠流
ち、違うんです‼︎
私は榊原先生に用意してもらった 椅子に座りながら言った。
瑠流
私が...泣いてたのは、贄川君のせいじゃないです...‼︎
彼岸
瑠流ちゃん、そうやって言えって言われたんだね...☆
瑠流
本当に違くて...‼︎
瑠流
私が...その...泣いてたのは風祭さんの話を聞いて...で...
彼岸
遊ちゃん?☆じゃあ、いっせーの行為は...
一生
しつけーな‼︎さっきから言ってんだろ、何もしてねーって‼︎
一生
俺はトイレ行った帰りに廊下で泣いてた猫屋敷に遭遇したんだ
一生
体調悪いのかと思って保健室に連れてったんだけど、先生がいなかったんだよ
一生
だから大人で女性がいる環境の方が安心できると思って、ここに連れてきたんだ
彼岸
なーんだ...そうならそうと先に言ってよ☆
一生
テメェが聞かなかったんだろうが‼︎
彼岸
もう、ここに来たら安心安全子ども110番の家だよ☆
一生
嘘言うな
彼岸
よーし、この悩み相談件数校内1位の彼岸ちゃんが何でも聞いてあげよう‼︎☆
一生
さらに嘘を重ねるな
瑠流
じゃあ...
私は何を思ったのか 頭の隅にしまい込んでいた “あのこと”を聞いてしまった。
瑠流
どうして...
瑠流
瑠流
私のメイドを辞めたんですか?







