レトルト
あのね…好きです。
キヨ
…は?
どうゆうことだろう。
駄目だ。理解が出来ない。
レトさんに話しかけようとしたときに、その人は顔を上げた。
レトルト
ごめん。
レトルト
迷惑だよね。
レトルト
こんな女の子でも何でもないただの男にね。
レトルト
…忘れて。
キヨ
れ、レトさん
その時のレトさんの顔が酷く哀しそうに見えた。
キヨ
大丈夫…忘れるから…、
キヨ
友達として、だよね。
そうだ。これでいい。
レトルト
…うん。
レトルト
けど…せめて、
レトルト
好きでいてもいい…?
キヨ
…別に…勝手にしていいよ
レトルト
ごめんね、ありがとう。
ガチャリ
そう言って、鮮やかな晴天の中へとレトさんは消えた。
その日から、レトさんは少し変わった
……そんな気がした
レトルト
キヨ君…?
レトルト
ぼーっとしてないでしっかりして
キヨ
え…あ、ごめん。
ずっとにこにこと、模範的な笑みを貼り付けているように感じた
まぁ…いつも実況で笑ってるけど…
どこか…引っかかる気持ちは見ないふりをした。
レトルト
ごめん。今日無理
牛沢
おう
キヨ
り
ガッチマン
分かった
こんな日が何日も続いた。
ガヤガヤ
実況の予定もなくなり暇つぶしにと、外に出た。
そうすると、スーパーから出てきている見知った人の姿が見えた。
キヨ
え…レトさん?
こんな所に滅多に来ないレトさんが歩いていた。
用事もあると言っていたのに
レトルト
はは…今日はありがとうございました…
レトルト
俺には難しかったので…
知らない人にはなかなか見せない笑みも浮かべていた。
女性
いえいえ…それでは次の月曜日に、また
レトルト
…はい。お願いします
レトさん…彼女…出来たのかな…
だからって…デートをわざわざ月曜日にかぶせる必要はないだろ。
……こんな夜遅くに
キヨ
…なんなんだよ……。
キヨ
俺らより彼女、か
キヨ
笑える…
俺は心の奥でむしゃくしゃしながら話しかけずに帰っていった。
続