私には小さな夢がある。
それは
"一人の友人に会いたい"
それだけである
でも薄々気づいている
友人はもう私の前に現れないだろう
だって友人は…
ー瑠璃の家よりー
瑠璃
あーあ、今日も雨だね
海
そーだね
海
明日は晴れるって天気予報は言ってたけど大丈夫かなぁ…
瑠璃
なんか遊びに行くの?
海
そんなんじゃないけどさ
海
明日七夕だからさ
瑠璃
あー
瑠璃
織姫と彦星が会えますようにって?
瑠璃
毎年よく飽きないねぇ
海
だってその年雨が降ったら次の年まで一度も会えないんだよ!
海
そんなの嫌じゃん!
瑠璃
でもなぁ
瑠璃
私元々そういう伝説話信じないからなぁ
海
むー
海
じゃあ最初の時はお盆と関係があったとか知ってる?
瑠璃
あー今は7月7日じゃなくなって関係が薄れたとか…
瑠璃
(というか前に喋ってた気するけど…)
海
そうそうそれ!
瑠璃
それが君がそこまで七夕に固執する理由にあるのか?
海
お盆だって雨が降ったらお上の人達は一度も次の年まで見に来れないじゃん!
海
そうなるとずっと会えない家族とか相手の事が心配になるじゃん!
瑠璃
そうそうもんなのかな…?
海
そーいうものなの!
海
いつかるーちゃんにも分かると思う!
瑠璃
はあ…
瑠璃
まあ、私には分かんないけど
瑠璃
もうこんな時間だよ?
瑠璃
帰ったら?
海
あ、ホントじゃん!
海
それじゃまた明日!
そうして
海は家に帰った
そう思ったのに
次の日
学校で聞いたのは
_海の死だった