春千夜
春千夜
テヘペロ、とでも言わんばかりの三途の様子に九井が盛大に息を吐き出す。
九井
九井
九井
九井
春千夜
そう叫んだ三途が両脇に抱えているのは、二人の小さな幼児だった。
九井
春千夜
九井
九井
九井
そう言うと九井は天を仰いだ。
どうやら三途の話によると以下の通りであるとのことであった。
スクラップが終わって教会を出たら迷子になった。
途方に暮れていたらこの双子が現れ自分達をもらってくれるなら帰り道を教えてやると言われた。
親はいないのかと聞いたらいないと言っていた為過去の自分と重なり思わずここまで連れて帰ってきてしまった。
とのことらしかった。
すると突然、幼児のおさげの方が口を開いた。
ちっこいの1
九井
春千夜
九井
ちっこいの1
ちっこいの1
ちっこいの1
九井
九井
九井
春千夜
春千夜
春千夜
出会ってから今までずっと押し黙っていたさらにちっちゃい方がその言葉を聞いた途端に顔を上げた。
ちっこいの2
ちっこいの2
春千夜
春千夜
九井
九井
ちっこいの1
九井
九井
ちっこいの1
春千夜
ちっこいの1
春千夜
春千夜
九井
九井
春千夜
九井
ちっこいの1
おさげ髪が三途の腕の中からうるうるとした瞳で三途を見上げる。
春千夜
春千夜
しかし残念なことに三途のネーミングセンスは本当に壊滅なのだ。
関東卍時代、九井がインテリアとして買ってきたグッピーに名前をつけようという企画が持ち上がったことがあったのだが、
三途は自身に割り当てられたグッピーに「てんてけももみん」と名付けたのだ。
それも真剣に考えて、大真面目に。
春千夜
春千夜
ちっこいの2
ちっこいの1
幼児たちがキャンキャンと三途の腕の中で吠える。
春千夜
その時ふと、三途は思い出した
春千夜
「この髪飾り可愛くないですか〜?蘭の花なんですぅ〜♡花言葉、知ってます?-幸福が飛んでくる-らしいですよぉ〜、私のところにもー、飛んでこないかなー?ピンクでぇ〜ちょっと危険な香りのする、し・あ・わ・せ♡」
春千夜
春千夜
春千夜
「なぁ、三途。知ってるか?」
春千夜
「竜胆の花言葉ってさ、正義と死んだあなたを愛する。なんだって。全く別の意味の花言葉だけど、裏表みたいに違和感のない組み合わせだよな。」
春千夜
春千夜
ふと三途が自分の両脇に抱えたちびっこ2人をチラリと見る。
そしてぽそっとつぶやいた。
春千夜