コメント
2件
これにて完結です。ありがとうございました。
新たな殺人鬼「柚ちゃん」について語るスレ
1.名無しの殺人鬼ウォッチャー 手足縛られてたのに反撃するとか バトルセンスえぐくね?
2.名無しの殺人鬼ウォッチャー そそ、しかも処したのがロリコン殺人鬼だったからメシうま
5.名無し 不謹慎です、削除依頼します
6.名無しの殺人鬼ウォッチャー 出たー正義マン リアルじゃイキれないからってロジハラ辞めてもらえます?
7.名無しの殺人鬼ウォッチャー ↑おまいう
10.名無しの殺人鬼ウォッチャー でも例のロリコンの家に行ったって事はタゲられてたって事でしょ? 柚ちゃんも死にたかったのかな
11.名無しの殺人鬼ウォッチャー なんかいじめられてたらしい 理由は知らん 主犯はトイレに沈めたらしいけど
12.名無しの殺人鬼ウォッチャー ↑なにそれこわい その頃から才能の片鱗が見え隠れしてたのか
13.名無しの殺人鬼ウォッチャー どうせみんな見てみぬふりしてたんだろう 教師ははどこでも一緒だ
14.名無しの殺人鬼ウォッチャー ↑たっくん、今日はお部屋から出て来れそう……?
18.名無しの殺人鬼ウォッチャー 家族からも虐待されてたとか何処かで見た
20.名無しの殺人鬼ウォッチャー 役満じゃねえか その結果が少年院か、気の毒なこった
21.名無しの殺人鬼ウォッチャー ↑医療少年院だぞ情弱
24.名無しの殺人鬼ウォッチャー でも…… ここでしか言えない事だけど
25.名無しの殺人鬼ウォッチャー ↑どうしたもったいぶって こんな罵詈雑言の溢れるドブ池じゃ誰も気にしないから言ってみ
30.24です 正直、これまでの「クビカリ様」から殺された人の遺族は感謝するだろうな 事実私も胸がスッとしてる
医療少年院での生活は、とても退屈なものだった。
スマホも没収され、夜9時には強制消灯。
その癖、これまでのような授業や就業訓練も受けないといけない。
……それに、一番キツイのは
作り笑いを貼り付けたカウンセラーと、定期的に話をしなければならない事だった。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
付き添いの刑務官に聞かれない様、心の中で愚痴を吐く。
逮捕されて以降、髪は伸び続けるが
もう黒く染める事は許されなかった。
だから、ある程度の長さになった時、思い切って短髪にして貰った。
「染めなくても茶髪なんて羨ましい」 なんて、周囲から羨まれたり妬まれたりするが
私には興味のない事だった。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
刑務官
刑務官
短髪の柚
刑務官
刑務官
刑務官
短髪の柚
短髪の柚
適当に会釈をして、カウンセリングルームへの扉をガラガラと開け、中に入った。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
部屋の中央のテーブルの向こう側に座っていたのは
いつもの営業スマイルのおばさんではなく、気さくそうな若い女の人だった。
加藤
加藤
加藤
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
加藤
加藤
加藤
加藤
短髪の柚
加藤
加藤
加藤
時間が過ぎてしまったので部屋から出ることになったが……
……初めて「次のカウンセリング」が待ち遠しく思った。
何度かカウンセリングを受けるにつれ
私は少しずつ加藤さんとまともに話せるようになった。
短髪の柚
加藤
加藤
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
加藤
加藤
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
加藤
短髪の柚
短髪の柚
加藤
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
加藤
加藤
加藤
……クビカリ様、という拠り所を失くして空虚だった私の人生に
細い細い、でも確かに目に見える光の筋が差し込んできた気分になった。
短髪の柚
加藤
加藤
加藤
何もかも拒絶していた逮捕前とは打って変わって
反芻した瑠奈の言葉、そして今の先生の言葉が心に染み入り、自然と涙が出てきてしまった。
短髪の柚
短髪の柚
あれから数ヶ月後。
私は20歳になった為、医療少年院を出所し
保護司さんの紹介で仕事も決まって、毎日自分なりに汗を流す日々だ。
短髪の柚
短髪の柚
これまでの苦労を振り返りながら、私が一から世話をした
四季折々の花が咲き誇る景色を、持ち込んだ椅子に座りながらしみじみと眺めた。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
ピロン♪
短髪の柚
短髪の柚
……ああ、やっぱり「お客さん」だ。
自分の将来に光が見えたあの時から、加藤さんの様に、又はある一時期の「クビカリ様」の様に
私も自分の言葉で人を救うことが出来たら、と医療少年院で考える様になり
それで副業、の様なものとして始めたのが、この「悩み相談」だ。
今の私の名前は、「シスター・シトラス」。
柚を外国語にしただけで、多少安直ではあるが
今の所、過去を知る人間に見つかることなく平和にアカウントを運営出来ている。
シスター・シトロン
シスター・シトロン
シスター・シトロン
シスター・シトロン
ここは所謂「オンラインサロン」。
月1000円で、メッセージを私にいつでも送れると言うサービスだ。
シスター・シトロン
シスター・シトロン
シスター・シトロン
シスター・シトロン
シスター・シトロン
シスター・シトロン
シスター・シトロン
チャット相手と街中で落ち合い、人目を避けながら私たちは花畑へと向かった。
テーブルの向かい側に座る女が、私をまじまじと見て話す。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
そう言って、家から持ってきた水筒から紅茶を紙コップに注ぎ、テーブルに置く。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
女はしばし考え込み……
少し震える手で紙コップをあおった。
飲み終えると、緊張のあまり止めていた息を一気に吐き出す。
短髪の柚
短髪の柚
向かい側に座る女をこちらの椅子に誘い、抱き寄せる。
短髪の柚
短髪の柚
じきに女の目が充血し始め、血の混じった咳を始める。
服が汚れるのも厭わず、私は彼女の背中をさすり続けた。
しばらくすると彼女は痙攣し始め……
そのまま動かなくなった。
短髪の柚
彼女を畑の隅にあるウッドデッキに寝かせ、大ぶりの斧を手に取る。
短髪の柚
短髪の柚
そんなことをぼんやりと考えながら、彼女を少しずつ解体する。
ドスッ
ドシュッ
ザグッ
短髪の柚
短髪の柚
ウッドデッキをホースの水で洗い流し、片付けをする。
短髪の柚
花畑の一角にあるプレハブの扉を開ける。
そこには「先客」の頭のミイラがひしめき合っていた。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
古い頭を幾つか見繕い、ハンマーを探して粉砕する準備を始めた。
ガンッ!
ガツンッ!
グジャッ!
短髪の柚
砕いた頭を畑に撒いていたら、夕方になろうとしていた。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
そう呟きながら、ウッドデッキ周辺に置いてあった彼女の頭を取りに行く。
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
短髪の柚
彼女の首に話しかけながらプレハブに置き、戸を閉めた後
私はウッドデッキに寝そべり、仮眠の体制へと入った。
……そう、これこそ以前の私が求めていた事。
あんな色情魔なんてニセモノだ。
今、私こそが 「本物のクビカリ様」なんだ。
そんなことを考えながら、私は短い眠りについた。