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最初は、ただの偶然だと思っていた。
席替えで隣になったことも
仲良くなったのも
毎日話すようになったことも
全部たまたま。
それだけ。
でも その''たまたま''は何度も繰り返された。
第3話 何回も重なる偶然。
先生
先生の声で教室がざわつく。
みんなが立ち上がる。
仲良し同士で集まったり。
一緒になろー!
と声をかけたり。
Mも席を立った。
どこに行こうかな。
また1人かな。
そう思っていたとき
S
聞き慣れた声。
後ろを振り向くとSがいた
S
M
S
意味がわからない。
でも
なんか嬉しかった。また同じペア。
しかも、誘ってくれた。
結局、MはSのいる班へ向かった。
すると後ろの男子が言う
生徒
周りも気づく
生徒
生徒
生徒
Mは吹き出した
誘った本人、Sも笑っている
S
不思議だった。
でも
嫌じゃなかった。
図工の時間。
先生がくじを配る。
先生
Mは紙を開いた。
数字を見る。
そして教室を見渡す。
目が合った。
Sだった。
お互いの紙を見る。
同じ番号。
数秒…
そして。
S
M
2人とも笑い出す。
周りからも笑い声が上がる。
生徒
生徒
Mは笑いながら席へ座る。
でも少しだけ思った。
確かに。多いかもしれない。
昼休み
校庭ではドッヂボールが始まっていた。
男子も女子を混ざって走り回る。
Mはドッチボールが苦手なため外で微笑みながら見守っていた。
Mが少し暇そうにしていると
Sが
S
Sがボールを持って叫ぶ。
S
勢いよく投げる。
だけど思いっきり外した。
Mは大爆笑した。
M
S
M
S
M
周りまで笑う。
Sは悔しそうな顔をしていた。
その顔が面白くて
Mはまた笑った。
お腹が痛くなるほど。
楽しかった。
放課後。
帰りの会も終わって
みんな帰る頃。
窓から夕日が差し込んでいた。
オレンジ色の教室。
ランドセルを背負う音。
椅子を机に入れる音。
そんな中Sは急に言った。
S
M
S
M
S
M
S
Mは少しだけ考えた。
たしかに。
朝も。
休み時間も。
帰る時も
気づけば話している。
でも
それが当たり前になりすぎていて
気づかなかった。
M
S
シンクロ。
M
M
S
M
S
Sはそう言って笑った。
その一言に
何故か少しだけ胸が暖かくなる。
M
M
帰り道。
空は夕焼けだった。
ランドセルを揺らしながら歩く。
Sは前を歩いている。
なにか話している。
でも。
Mは少しだけ違うことを考えていた。
どうしてだろう。
Sといると楽しかった。
何をするわけでもないのに
特別な事がある訳じゃないのに。
ただ話して、
笑うだけ。
なのに
学校が少し好きになった。
友達と別れる。
Sが後ろを振り向く
S
M
手を振る
Sは走って帰って行った。
その背中を見ながら。
Mは少しだけ笑った。
明日もきっと話すんだろうな。
きっと笑うんだろうな。
そんなことを思った。
その時は。
それが当たり前だと思っていた。
ずっと続くと思っていた。
だから
大切だなんて思わなかった。
だけど
何年も後になって
思い出すのはいつも。
特別な日じゃなくて
こういうなんでもない日だった。
笑いながら過ごした時間だった。
そして、
この頃の私は知らない。
これから先
もっとたくさんの思い出が増えていくことを
───────続く