教室に一人きりになるのは 、 思ったよりも好きだった 。
チャイムが鳴ってから十分もすれば 、 みんな荷物を抱えて騒がしく出ていく 。 部活 、 バイト 、 遊び 。 予定のない人も 、 とりあえず 教室からはいなくなる 。
私はひと息つく 。
机に突っ伏すでもなく 、 ただノートを開いて 、 何をするでもなくページをめくる 。
だけど、勉強がしたくて残っているわけじゃない。
私はポケットからスマートフォンを取り出して 、 ロックを解除する 。 通知はひとつ 。 学習アプリの中にある、 雑談ルーム から 。
名無し : 今日アニメの最終話 ㅤ 公開されたけど見た?
ㅤ雑談ルーム 。 この学校が導入している学習アプリの 、 唯一 生徒だけ が 使っている 場所 。
投稿は匿名 、 名前も学年も非公開 。 運営は一応学校だけど 、 先生たちは見ていないのが 暗黙の 了解になっている 。
わたし : 待って見てない ネタバレ禁止だからね 名無し : えーどうしよっかな わたし : ねえほんとだめ!!笑 名無し : はいはい、 笑
毎日 他愛もない話をしてるだけ 。 それでも あまり 話し相手が居ない私にとっては とても嬉しかった 。
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その夜 。
ジュース や お菓子を用意して リモコンを手に取り 、 テレビを付ける 。
アニメが見れる アプリ の所に入り 、 名無しくんからオススメされた アニメを探す 。
オススメされてからというもの 、 私もどっぷり ハマってしまい 今は名無しくんと語り合えるくらいには なっている 。
私は 最終話と書かれたチャプターを 押す 。
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最後のEDの曲が流れ始めた 。
その時にはもうボロ泣きで 私の周りには ティッシュが 散乱していた 。
涙であまり前が見えないながらも スマホを取り 、 震える手で 文字を打つ 。 その相手は名無しくんだ 。
わたし : さいしゅうわ みた なきすぎて目痛い 名無し : 見た?泣くよなあれ、 わたし : あそこでしぬのやばい 名無し : まじでそれ てかちゃんと目冷せよ
知らない人のはずなのに 気を使ってくれるところから 、 この人は多分優しいんだろうなとか 、
この画面の向こうの君は
どんな顔をしているんだろうとか 、
相手のことをもっと知りたくなってしまった 。
エピローグは また 出来たら 載せます ! 誰メインか 考えてみてください 💭 サムネイルで分かるかもだけど ! 笑
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