特にやることがない。

まぁ別にいいけど。

どっか行こうかなとでも思っていると、

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ…

と病室のドアを開ける音がした。

KUNも来ているようだ。

僕を見るなり哀れむような、悲しむような目でこちらを見てくる。

何故そんな目をするのだろう…？

不思議でたまらない。

KUN視点

ながつきの顔を見てみる。

ながつきの目は光がない、とても冷たい目だった。

まるでながつきではない、ナニカに乗っ取られているようなそんな感じだ。

生きていない機械のような、今にも消えそうな。

どんな表現をすれば良いか分からない。

別人のようで、怖い。

あのながつきじゃない。

いつものネタを振られて滑る、あのながつきじゃない。

姿形はながつきなのに、中身は別の人。

言葉が喉に詰まって出てこない。さっきまでは言えていたのに。

気まずくて目を逸らす。

急いで言わないと、そう思うたびに言葉が出てこようとしなくなる。

俺が言えずに居ると、ベノムが代わりに言ってくれた。

ながつきは少し驚いた顔をしている。

ベノムに続き、俺も言う。

ながつきが目を見開く。

そう言い、今まで目を逸らしていたながつきの顔を見る。

ながつきの頬には、大粒の涙が流れていた。

そう言うと、

ﾋﾟｼｯ

ﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷｯ

指先から亀裂が入り、宝石がどんどん崩れていく。

首元まであった宝石は全て取れ、

何事もなかったかのように腕が現れた。

ベノムが驚いた顔から一気に笑顔になる。

喜びと安心が溢れ、にま〜っとした顔になる。

安心からか、いつの間にか涙を流していた。

ベノムも涙を流している。

ディスコード

ﾋﾟﾛﾝ♪

ベノム:皆！！ながつきの指宝病治ったぞ！！

いにん:え、本当！？！？ とーます:マジ！？そっち行く！！！ ひまじん:俺もそっち行く！！ 陰キャ転生:マジ！？治ったの！？ ・ ・ ・

ながつき視点

指宝病…治ったらしい…

正直、僕の心を理解してくれる人がいると思ってなかった。

まさかKUNさん、分かってくれたなんて…

そんなことを思っていると、

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…

すごい大人数が走ってくる音が聞こえた。

この音は…

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ！

案の定、たくさん参加勢が入ってきた。

たくさん参加勢が居る中、でぽんを見つけた。

でぽんの袖があり得ないほど濡れている。きっと泣いたんだろう。

今でも少し半泣き状態。

くらもちも、今とても泣いている。ほんと水分無くなるんじゃない？ってくらい。

他の皆も死ぬほど泣いてる。皆、僕がああなったから…

それぞれがそうながつきに心配や頼ってくれという言葉がかけられる。

…最後にでぽんが、こう言う。

その瞬間、

血は吐かなかったが、宝石を一つ吐いた。

…それは

その宝石を吐いた瞬間、ずっとあった何か気持ち悪い感じが無くなった。

皆ながつきが治った時ほどではないが、喜んでいる。

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病名:感情宝血病

症状:血と宝石を吐く。

治し方:

「友情」を感じること。

ーーーーーねぇねぇ、知ってる？

インペリアルトパーズの石言葉の一つに、こんな言葉があるんだって。

「友情」