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菜月
え……
目黒くんが去った後 私は呆然とした
振られた？
私何かしたかな？
なんでいきなり……
私が意識失ってる間 見られたらまずいものでも見られた……？
なんで……
私が固まっていると また目黒くんが入室してきた
菜月
あっ……
目黒蓮
さっき渡しそびれた……
菜月
え？
目黒蓮
これキーホルダー……
菜月
あ、私があげたやつだよね……
目黒蓮
覚えてくれてたんだ
菜月
当たり前じゃん……なんで飾ってるんじゃないの？
目黒蓮
……返す
菜月
え？なんで？
菜月
ちゃんと話してよ
目黒蓮
話すことはもう無いよ
菜月
私なんかした？
目黒蓮
別に
菜月
おかしいって。ちゃんと話して
目黒蓮
……じゃ……
菜月
目黒くん！
目黒蓮
…………
菜月
……
私に対して初めて睨んだ目黒くん
そのまま掴んだ手を振り払って去っていった
菜月
……
突然の事で涙が込み上げる
菜月
ありえない……
顔をぐしゃぐしゃにして泣いた
数時間後 ナースにも意識が戻ったことが知れ渡り安堵された 退院は2週間後と報告された
菜月
……
ナースも退室した数分後 トイレに行きたくなったが ナースに頼らなきゃ行けないのに 一人で行きたかったから 無理やり部屋を出た
刺された時の後遺症が残ってて 壁に手を付きながら歩いてると 前から北斗さんとふっかが現れた 目を見開いた二人はこっちに走ってきて
深澤辰哉
菜月っ！！
松村北斗
意識戻ったんだ！よかった！
菜月
はぁ……
深澤辰哉
もう心配したんだからな！まじで！
松村北斗
歩けます？
菜月
はい……
松村北斗
手貸してください
菜月
いやそれは……
深澤辰哉
菜月？
ふっかが手を差し出すから親友ということもありふっかに頼った
松村北斗
目黒に報告を……
菜月
それはいいんです……
松村北斗
え？
菜月
目黒くんもう知ってるし。。
松村北斗
いつ意識が戻ったんですか？
菜月
さっきです
松村北斗
じゃあ目黒は向かってる途中ですか？
菜月
いえ。さっきまで付き添ってくれてたみたいで
松村北斗
ん？
深澤辰哉
菜月……どこ向かってる途中なの？
菜月
トイレ
深澤辰哉
OK！
菜月
さんきゅ
松村北斗
なんで側にいてあげないんだ
深澤辰哉
確かに
菜月
振られた
松村北斗
！？
深澤辰哉
え！？
菜月
……さっき振られた……
深澤辰哉
え……？
驚いて手を離したふっか
松村北斗
どういうことですか？
深澤辰哉
……あんなに仲良しだったじゃん……
菜月
私が意識不明だった間
目黒くんになんかあったみたい……
目黒くんになんかあったみたい……
松村北斗
……
深澤辰哉
……
松村北斗
だって……目黒……菜月さん命みたいな感じでしたよ？
ラウール
それで自殺未遂したら元も子もねえだろ……
深澤辰哉
あ、ラウール君……
松村北斗
自殺未遂！？
菜月
目黒くんが！？
ラウール
菜月さんがいない時相当追い詰められてたみたい……俺が止めたけど
菜月
守れなかったから？
ラウール
多分
深澤辰哉
自殺止めてくれてありがとう
ラウール
別に……
深澤辰哉
目黒くん心配だな……
松村北斗
そうだな……電話……
菜月
……やめてください
松村北斗
え？
菜月
今はそのタイミングじゃない気がして
松村北斗
……菜月さん
菜月
はい……
松村北斗
恋愛なんて結局エゴだよ
菜月
エゴ？
松村北斗
自己中なやつが最後には勝つんだよ。略奪愛とか……
深澤辰哉
でも不倫は慰謝料とられるんじゃ……
松村北斗
金は奪われるけど
愛は奪われないでしょ？
愛は奪われないでしょ？
菜月
……
松村北斗
だから菜月さん……
菜月
……
松村北斗
恋愛は優しい方が損をするように出来てるんだよ
菜月
……
松村北斗
自己中になってもいいんじゃないんですか？
菜月
……
松村北斗
突然振られたんだし……目黒もなかなかの自己中じゃん
菜月
でもそれは目黒くんにも何らかの事情があって……
松村北斗
確かめよう。トイレ行ったら病室戻ってきて
菜月
え？
松村北斗
片っ端にLINEと電話攻めだよ
松村北斗
できる？
菜月
はい……やってみます
続く
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