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桃 side
コサメ
ラン
ラン
暗い本棚、隙間から光が差し始めた
もう時期夜が明ける頃なのだろう
戦争は、まだ続く
きっと続くけど…
1番悲しい夜は、もうすぐで明けるんだ
コサメ
ラン
こさめと肩を寄せ合いながら
長い長い時を、ずっと待つ
無力な姫である私たちには…ただ、祈ることしかできなかった
コサメ
ラン
しばらくして
歯車がゆっくりと動く音が聞こえてきた
間違いなく、この書庫の扉が開く音だ
ラン
ここに入って来れる人は、限られている
入ってくるとしたら確実に城の関係者…この場所を知っている人
ラン
コサメ
私は誰か確かめる為、扉に近づく
そして…
それが完全に開かれたとき
黒フードの男?女?
ラン
目の前に立っていたのは
黒いフードを深く被った誰かだった
ラン
顔を覆い隠している
フードが体格までも隠しているから、男か女かの判断すらつかない
黒フードの男?女?
ゆっくりと近づいてくる誰か
嫌な予感がして、私は後ずさる
ラン
一歩
また一歩
近づいてくる
ラン
目の前の何かに恐怖を感じて
逃げようとしたそのとき
ラン
黒フードの男?女?
見えたのは
刃物の輝き
ラン
それを認識した瞬間、
黒フードの男?女?
ラン
フードの誰かは、ナイフを持ち
私に向けながら突進する勢いで追いかけてくる
コサメ
私…
私、ここで
黒フードの男?女?
深く…目を瞑った
グサッ
ナイフの刃先が、何かに刺さった
一瞬…自分に刺さったんだと、そう思った
でも痛みは…いつまで経ってもやって来ない
ラン
私、死ぬんじゃないの?
背に汗が伝う
嫌な予感が拭えない
怖い
ラン
目を開けると、そこにあったものは
イルマ
黒フードの男?女?
ラン
……そこにあったのは
信じ難い光景だった
黒いフードの誰かが刺したのは
イルマ
イルマ
ラン
ラン
コサメ
私の、大切な…
コサメ
黒フードの男?女?
逃げていくあいつに…こさめは叫び続ける
イルマ
イルマ
ラン
暖かくて…赤黒いものが手に触れた
床はどんどん、赤へと染まっていく
ラン
コサメ
動かない頭を無理やり働かせ
止血しようと必死に手で押さえる
いるまは…私を庇って、刺されたんだ
ラン
ラン
イルマ
イルマ
ラン
血が止まらない
涙で目が滲んでるのに
彼の表情だけははっきりとわかった
ラン
イルマ
ラン
優しい顔をするの?
いるま…
ラン
イルマ
ラン
彼の手が…私の頬を優しく撫でる
溢れた光が、この書庫を完全に照らした
イルマ
イルマ
イルマ
優しい表情をした彼の
檸檬色の瞳が…静かに、閉じた
ラン
ラン
ラン
彼の声を叫び続ける声と
嗚咽だけが、書庫に響いた
朝日が昇る
何もなかったかのように
辺りは明るい空に包まれている
スチ
ミコト
ボロボロになった身体を寄せ合う者
ナツ
手を空に掲げ、一夜の終幕を感じる者
ラン
ラン
イルマ
誰かを想い、悲しみに暮れる者
沢山の人がいた
一夜の襲撃を経て
いくつもの何かを失った
きっとこれからも、失っていく
それでも…未だ奏桜は咲き続けている
日常だけが続いていた
コメント
2件
絶対目覚ますよね…生きてて