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コメント
1件
桃 side
ラン
横たわる彼に向かって、そう声を掛ける
返事は…返ってこない
ラン
ラン
あの夜から早2週間が経過した
何人もの犠牲が出たが、先例の戦争よりは…今回の被害は少なかったという
それは確実に専属騎士という存在が集められたお陰だった
国はまだ混乱状態にあるが…少しずつ日常を取り戻している
でも、
コンコンっ
スチ
スチ
ラン
スチ
ラン
そんな私を見て
すちがため息をつく
私にとっての日常は、まだ帰ってきていない
スチ
スチ
イルマ
ラン
あの日
私を庇って何者かに刺されたいるまは、重症を負っていた
傷は想像よりも深く、治るまでは時間がかかるそうだ
そしてまだ今もなお…意識を失った状態にある
ラン
スチ
ラン
ラン
スチ
ラン
ラン
スチ
スチ
ラン
パタンと、扉が閉まる
静かになった部屋で…ただ呆然と彼を見つめる
ラン
ラン
イルマ
わからない
あの日私を刺そうとしたのは誰だったのか
考えている暇すらなかった
生きて欲しい
それだけしか…今望むことはない
昼過ぎになると、部屋には微かに光が差し込む
ラン
ナツ
ナツ
お見舞いになっちゃんが来てくれた
あの日、こさめが人を呼びに行って
急いで駆けつけてくれたのは紛れもなく彼だ
血塗れになるいるまを見て驚く間もなく止血を行ってくれた
少しでも処置が間に合わなかったら……そういうことも、あったかもしれない
だから…2人には感謝しかないのだ
ナツ
ナツ
突然、ぽつりとなっちゃんが呟いた
ナツ
ナツ
ラン
ナツ
ナツ
いるまに語りかけるように
静かに笑うその表情は…初めて見るようなもので
ナツ
ナツ
ナツ
イルマ
イルマ
ナツ
ナツ
ナツ
きっと…いるまにしか
相棒にしか向けない表情なのだとわかった
ナツ
ラン
ラン
そういうとなっちゃんは視線を逸らして
少しだけ笑った
夜になると
傷口が開いてきたのか
熱が出てきて
イルマ
いるまはうなされていた
スチ
スチ
スチ
ラン
スチ
スチ
またパタン、と閉まる扉
わかってる…
けど、ただ心配で
明日になったら息をしてないんじゃないかって不安で
私は今日も
彼の側で手を握って
涙を流すことしかできない
ラン
何回も名前を呼ぶ
その度に、気づいてはいけないもの
それを痛いほど感じて…
心が、締め付けられるように苦しかった