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1年後

愛菜

おにぃちゃーん!

愛菜

ちょっと来て〜!

ヒロト

はーい、ちょっと待ってね〜!

ったく可愛いやつだ…

よく俺に懐いてどこにでもくっつてきやがる…

ヒロト

なんだ?

愛菜

お兄ちゃん、私と結婚して!

ヒロト

……

愛菜

一年前に言ったこと、覚えてる?

ヒロト

あ…ああ

ヒロト

よく…覚えてる

愛菜

お兄ちゃん、冗談だと思っちゃったんだね

愛菜

お母さんにいってるの、聞こえちゃったの

愛菜

だから、本気って事を、見せないとって…

ヒロト

そうか…

2度目…愛菜の目は真剣だ。

俺を兄として見てくれるのならいいが…

こいつ…

俺を男として見てるな?

愛菜

本気なの。信じて、お兄ちゃん!

ヒロト

…わかった、本気なのは分かるよ

ヒロト

前にも言ったろ…法律、っていうもんがあるんだ…

俺は…なんてバカなんだ

まだ1年生の幼い妹にこんな事が納得できるとでも思ってるのか…?

愛菜

それは分かってるよ

ヒロト

え?

ヒロト

…でも、暗くて怖いところに入っちゃうかもしれないぞ?

愛菜

入らないよ

愛菜が後ろ手に回していた手を前に持ってくる。

その小さな手は、大きな花束をぎゅっと握りしめていた。

愛菜

法律って調べたよ。兄弟結婚って

愛菜

血が繋がってなきゃいいんでしょ?

愛菜

愛菜とお兄ちゃん…

愛菜

他人だよ

「他人」

俺らは…他人。

何の繋がりもないっていうのか…

俺のために、この花束を買ってくれた。

……「他人」のために…

俺は愛菜の目を真っ直ぐに見返した。

ここまでしてくれたのだ…何か…何かお礼を…

だが、お礼を言おうと思えば思うほど、喉はカラカラになり、

熱い涙がこみあげてくる。

その時の俺には

ただただ愛菜を

ギューッと抱きしめることしか出来なかった。

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