やばい。頭痛い…。
今は5限目数学の授業中。 昨日はたっつんの補習に 付き合っていたのだが 予想以上の大変さに疲れすぎてて この有様だ。 まあたっつんも朝とかは机に頭 突っ込んでたけど笑
本来補習対象でずっと頑張ってた たっつんの方が疲れるはずなのだが 俺は多分たっつん以上に疲弊している。
それには理由があって……
話は昨日に遡る。
ゆあん
たっつん
ゆあん
たっつんがまた赤点を取って 補習が決定。 あいつも懲りないなまじで笑
今までは、本当はね? これだけしか思わなかった はずなんだけど。
…放課後の補習。 …ゆあん先生と。 そして''マンツーマン''。 それはつまり、2人きり。
今の俺は、そのような思考にしか たどり着かなかった。
何故なら
…俺は最近やっとゆあん先生の事が 好きなんだと自覚した訳で。
好きだと気づいてからはゆあん先生を 見る度にドキドキして… でも関わりたくて。 入る気がなかった部活にだって入った。 …先生と居れる時間が増えるかな… なんていうバレたら部員に 殴られそうな外道な理由で。
だけどそれも中学でバスケ部に 入っていた事が生きてきて 見事に活躍できた。 先生にも褒めて貰えたから 本当に嬉しかったな。
まあそんなこんなで 最近先生のことしか考えていない。
そしてだからこそ。
いいな、たっつん。
補習を羨ましく思うやつなんて 俺だけだろうと思った… けど案外そうでも無い。 ゆあん先生は人気だからクラスの女子は 皆密かに補習を受けたがってる。
なんならこの間女子複数人で どうやったら自然に赤点が取れるか なんて恐ろしい話をしてたからね?笑
まあつまりそれくらいに ゆあん先生愛が強い生徒もいる訳で。
同時にそれすらもモヤモヤする 自分がいて。
だから 『先生と仲の良いたっつん』 と仲良い俺という事を 上手く使えないかなって。 そんなふうに思って どうしようと考えていたら たっつんがきっかけを作ってくれた。
たっつん
きっとたっつんにはそんな気 無かっただろうけど これもチャンスかなって思って。
だから先生に補習手伝いますよって提案をして半ば無理やり補習に参加した。
マジで頭良くて良かったわ。 中学で頑張ってきたことがここに来て 報われすぎてやばい。
さすが俺だな、本当に。
クラスメイト
いつもの様に勝手に自惚れてたら 例の赤点会議をしてた女子のうち1人も 補習参加に名を上げてきた。 ……いやちょっと待てよ、誰が譲るか。
クラスメイト
じゃぱぱ
クラスメイト
ゆあん
よっしゃ、勝った。
ゆあん先生は仲が良いだなんて言ってる けど実際バチバチだ。 ……ゆあん先生の取り合いで。
今だって悔しそうにこっち 睨んできてるし笑
まあ1周回って仲良いかもしれない あくまで恋のライバルとしてね。
まあ少しも負ける気は無いんだけど。
勝ち誇った顔でその女子の方を見ながらも放課後が楽しみで仕方なかった。
そしてやっと待望の時間になった… は良いんだけどさ…
たっつん
ゆあん
ゆあん
たっつん
ゆあん
じゃぱぱ
なんか仲良すぎじゃないすか? この2人。
しかも!!
ずっと思ってたんだけど 何でたっつん達だけ名前呼びなわけ?? 俺なんてずっと縁龍って 呼ばれてるのに。 たっつんは確かにたっつんだけど。
たっつん達だけこんな仲良さそうで 楽しそうで。
俺だって先生に名前で呼んで欲しい。
じゃぱぱ
たっつん
ゆあん
1回目はたっつんの大声によって 遮られてしまった。 が、一旦心を落ち着かせる きっかけになったので許すとしよう。
たっつんが休憩に入ってダッシュで 教室に出ていったところで 教室に残っているのは俺と先生。
次こそ、と改めて先生に言った。
じゃぱぱ
ゆあん
ちょっと言葉が詰まってしまったのは 見なかったことにして欲しい。 俺も柄にもなく緊張しているから。
間に、嫌われてんすか?なんて 冗談を挟みながらも出来るだけ 自然になるように言った。 ……と、思う。
ゆあん
じゃぱぱ
笑われたのがなんだか悔しくて ネタだと思われてんのかな? って悲しくて。 ちょっと拗ね気味だったんだけど、 ここからは怒涛だった。
俺もあまりよく覚えていない。
ゆあん
……は。
ゆあん
……え。
ゆあん
じゃぱぱ
……ちょ、っっと待って欲しい。
頼んだのは俺だけど そんな急に来るとは思っていなかった。
そして何より、
その破壊力が、えげつなくて。
俺の名前ってこんなドキドキ するものだっけ?
名前で呼ばれるのって こんな嬉しいものだったっけ?
もう全然何も考えられなくなって 真っ赤になった顔を隠すこと すら出来ない。
俺の反応を見て楽しんでいるのか、 連発して名前を呼んでくる先生。 それも''じゃぱぱ''を強調して。
もう本当に駄目だ…。 火が出るんじゃないかって くらいに顔が熱い。 大丈夫かこれ。
たっつん
先生にめちゃめちゃペースを 掴まれていた所で休憩を終えた たっつんが帰ってきた。
今回ばかりはまじでありがとう たっつん。
だけどそう思ったのも一瞬。
たっつん
おい馬鹿、余計なこと言うな。
たっつんは良い奴だから 純粋な心配であって悪気は全く無いのは 重々承知しているんだけど ちょっとタイミングが悪い。 今は辞めろよまじで…。
ゆあん
ほら来た。 絶対また笑いながら からかってくるよ……
そう思っていたのだが、 先生がしたのはまさかの行動。
ゆあん
じゃぱぱ
気付いたら先生の顔が目の前にあって 額に手を当てられていた。
それも手を伸ばすだけでいいのに 無駄に顔をのぞき込むようにして 近づいてくる先生。
……完全なゼロ距離だ。
さすがに心臓持たないんだが?
そしてそんな心臓は 今にも爆発しそうなくらいに 大きな音を立ててなっている。
反射的に渾身の力で後ろに反り返った せいで椅子から転げ落ちた。 その痛みのおかげでまだ少し 冷静になれたかな。 ほとんど効果はなかったけれど。
もう本当に勘弁してくれ……。
ゆあん
じゃぱぱ
とどめの一撃を食らい、 完全にノックアウト。 こちらは1点も取れずに結果惨敗だ。
0対11のラブゲーム。 卓球だったらマナー違反だぞマジで。
そしてここでやっと流石に 赤くなりすぎてる顔を隠さないと いけないことに気付いて 急いでトイレに走った。 顔洗って一旦落ち着かなければ。
何とか収まって教室に戻ったあとも まともに集中出来なかった。 そんで色んなところに頭を 使いすぎて終わる頃には熟睡。 疲れすぎだろ流石に。
……本当は先生の車に乗っけて もらってるっていう状況を 楽しみたかったのにな なんて訳の分からないことを思いながら も次の日を迎えた訳だけど。
1日経っても疲れが全く取れなくて むしろ昨日より悪くなっている 気がする。 少し寝れば治ると思って 朝のホームルームではずっと寝てたけど ぜんっぜん治らなかった。 何とか4限目まで耐え抜き お昼休みも机に突っ伏していたが 体調は変わらず。
マジで頭痛い。そしてだるい。
昨日の補習疲れだけでなく ゆあん先生に振り回されすぎて 心臓がずっと誤作動を起こしてたせいで 頭がパンクした結果がこれだ。
ほぼ100%先生のせいだわ。 許さねぇ……
5限目は数学、ゆあん先生の授業だ。 仮にも好きな人。 好かれたいからちゃんと授業を 受けたいのにそんな気持ちに 反比例するかのように どんどん何も考えられなくなる。
先生の話すらまともに聞けないし ……耳鳴りも凄い。
ゆあん
やべー問題全然わかんねぇ。 いつもなら解けるはずなのにな……。 見慣れたはずの数字が 今日だけは呪文のように見えた。 見れば見るほど何も理解出来なくなる。
……たっつんっていつもこんな 気持ちだったんだな。 なんて特大失礼をかました。 ……ごめんよ、たっつん。
そしてそんな授業中さすがに様子が おかしいことに気付いたようで 先生が心配して声をかけに来てくれた。 ……いやまあ先生のせいっすけどね。
そう言いたい気持ちを 抑えて何とか誤魔化した。
けどこれは…ちょっと6限目 出れそうにないかも……。 先生の授業にはしっかり 出席したいからこの1時間 ……あと30分だけ頑張ろう。
そう思っていた気合いで 何とか乗り切った。
キーンコーンカーンコーン
ゆあん
じゃぱぱ
チャイムと共に席を立つ。
周りの人達の声が頭に響いてうるさい。
早く静かなとこ行こと思って ふらふらと教室を出ようとしたところで 先生が声をかけてきた。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
流石にバレるか。
それなら素直に認めて保健室で 休むのが1番いいかも。 そう思ったはいいものの、 上手く呂律が回らない。 なんならもう立つのも精一杯で 今にも倒れ込みそうで……
ゆあん
と思った頃には倒れ込んでいた。
そして次に目が覚めたのは 保健室のベッドだった。
コメント
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推しの体調不良ネタ大好物な私からしたら得でしかない🤤
いやぁー、この物語面白すぎ!!もう罪(は?)