緋織
はぁ、負けたなぁ...
緋織
悔しいな
緋織
痛いし
緋織
立ち上がる
緋織
ピラ子、病院行こう
緋織
もう私たちの負けよ
平子
...ッ
平子
立ち上がる
平子
負けてない!
平子
だってまだ、親父は天下を取ってないもの...
西郷
本当に取らせたいなら、イタズラに兵を削るなって言ってんのよ
平子
こんな役たたず達、もう要らないですよ
平子
西郷さんも姉貴も裏切りたいなら裏切れはいい...
平子
私は1人になったって、親父の味方です...
平子
たとえみんなが、どんなに親父を悪く行っても...
平子
たとえ親父の目に、私なんか写ってなくとも...
平子
約束したもの...
平子
必ず...帰ってくる...って、約束したもの...
緋織
ピラ子...
緋織
支える
平子
!!
緋織
私は、貴方がどれだけ私を恨んでいようと、次郎長と平子の味方
緋織
だから私は、貴方を守る
緋織
ただそれだけなの
平子
....、兄貴との戦いで手を抜いたくせに...
緋織
一本取られたのは本当よ、私が弱かったの
緋織
貴方も弱い
平子
.....
緋織
だから、支えさせて
緋織
そして、私を支えてほしい、仲間として
平子
...うん...っ
辰羅族
...........
溝鼠組
華佗の援軍?!
平子
ここはお願い...私は親父の元に...
緋織
ハッ
緋織
平子を投げる
おかま集団
!!
溝鼠組
!!
平子
姉貴!
辰羅族
お嬢!!
緋織
...ッ(...いたく、ない...)
西郷
...アタシらまとめてあの女狐に嵌められたようだねぇ、
緋織
...!!
緋織
...西郷さん...
おかま集団
ママ!!
平子
!!
平子
さ、西郷...さん
平子
なんで...
西郷
人質ってのは生きてるからこそ意味があるんだよ?アタシにとっちゃアンタは次郎長への人質みたいなもんさ
緋織
貴方達!ピラ子を命にかえても守りなさい!
溝鼠組
はっはい!
緋織
(殺す全員まとめて私が殺す)
緋織
次郎長の大事な娘を、私の大事な子を...傷つけようとするなんて...
平子
!!
緋織
この罪、アンタ達を殺したって償えやしないから
緋織
斬り殺す
辰羅族
ガハッ
戦闘中
緋織
何ボサっとしてるの!カタギ連れて逃げなさい!それくらいの力残ってるでしょ
溝鼠組
で、でも緋織が...!
緋織
チッ
緋織
(キリがない...あの人たちもやる気失せてるみたいだし)
緋織
(私に指揮能力なんてないし、何か鼓舞する言葉を...)
辰羅族
足を刺す
緋織
ッ
緋織
(考える暇もない)
緋織
(斬ることだけに専念しろ)
溝鼠組
さ、さすが緋織だ、一発で急所を...
溝鼠組
まるで、地獄だ...
溝鼠組
触ろうとするもの皆傷つき、死んでいく、まさに死神の茨姫...
溝鼠組
だ、だが、緋織でも限度がある...
緋織
ハァ...ハァ
辰羅族
数人で緋織を刺す
緋織
.....フラ
勝男
よう1人でやった
勝男
よう俺らの仲間とお嬢を守ってくれた
勝男
あとは任せとき
緋織
...負男...生きてたの...
緋織
...今のは、さすがに死ぬと思った...ハァ
勝男
勝男や言うてんやろが!💢💢
勝男
そんな感じじゃ、お登勢の言葉も、俺のかっこいい場面も、聞こえとらんかったし見てなかったな?
緋織
お、とせさんが...
緋織
なんで...今歩き回ってまた倒れたら、
勝男
お前が休んどき
勝男
あのババアよりフラフラやで
溝鼠組
うわぁああああああああ!!
緋織
あぁ...良かった、私は、もう要らないのね
緋織
やっと休める...
次郎長
...........
緋織
...まさか、銀時が次郎長に勝つなんて、
緋織
だったら私も次郎長より強いのかしら
平子
普通今そんなこと思いやす?
緋織
思ってしまうのよ
緋織
それに、何も話さないのも逆に疲れるでしょ
平子
姉貴は気を使えるタイプじゃないでしょー無理しなくていいですよ
平子
姉貴は私より怪我酷いんですから寝てないと
緋織
私には死んで欲しいんじゃなかった?
平子
貴方が次郎長の娘である私を助けて、大事にするというのなら、
平子
私も次郎長が拾って大事にしている貴方を守りますよ
平子
...羨ましかった、私よりもずっと長く次郎長の傍にいて、大事にされてるから
緋織
知ってた
緋織
でも、私だって
緋織
次郎長は、昔のこと何も話してくれないし...大事にされていると分かっていても次郎長は時々、どこか遠くを見ていて、
緋織
心に穴が空いてるような感じだった
緋織
その穴は私じゃ埋められなくて、ずっともどかしかったよ
緋織
私は本当の家族じゃないから
緋織
ずっと、師でもある父を忘れられないくせに、次郎長の娘にもなりたいと思ってしまっていたの...
緋織
だから、貴方が羨ましいよ
緋織
無神経だけどね、
平子
...姉貴...
緋織
前にも言ったけど娘は貴方だけよ
緋織
今回の、今までのことで、私じゃ娘になれないって分かった
緋織
親父なんて一生呼べないけど、これからも次郎長を守らせてね
平子
...私は、親父の娘になりませんよ、
平子
譲るって言い方は違うけど...私、ここを出ていきます
緋織
...........
平子
華佗様と相打ちになってでも止めて、出ていくつもりです
平子
もう、この街には居られないから...
緋織
居られないなんて、そんなことない
緋織
誰がどう言おうと、貴方は次郎長の娘でここの住民なんだからいればいい
平子
いいです、自分で決めたことだから...
平子
姉貴...私を守ってくれたこと、私を大事の子って言ってくれたこと、嬉しかったです...泣
平子
今までごめんなさい...
平子
ありがとうございやした泣
緋織
...平子.....
銀時
.........
緋織
あ、銀時
銀時
緋織か、お前かぶき町の奴ら助けるために1人で戦ってたんだってな
銀時
礼を言うよ笑
緋織
.....ッ
緋織
ごめん...
緋織
謝るだけじゃダメだろうけど、平子の件も謝らせて
緋織
あの子を許してあげて
緋織
お登勢さんのことだって、私は何も出来なかったし、私が...もっと、ちゃんと出来たら...
銀時
頭撫でる
緋織
!!
銀時
そう背負い込むな
銀時
お前だから悪い方に行ったわけじゃない
銀時
お前にも立場があるし、今回は仕方ねぇよ
銀時
お前は不器用なんだから
銀時
今回だって、お前なりにみんなを助けてただろ
緋織
...だから、私はいいんだって馬鹿
銀時
え
緋織
平子を許せって言ってるの馬鹿
銀時
そんな語尾に馬鹿つけないでよ...
銀時
分かったよ
銀時
まぁお前は見てな
銀時
あいつらがどんな選択するか
緋織
銀時...
緋織
うん...ありがとう
銀時
お前、結構恨まれてる感じだったのに、あいつの肩持つんだな
銀時
他人に興味とかないだろ
銀時
次郎長の娘だからか?
緋織
それもあるけど、
緋織
平子が、昔の銀時に似てて可愛いから
銀時
.....え、?
銀時
似てる?あいつと
緋織
ぽっと出の私が松陽の傍にずっといるの嫉妬してこっち睨んでた
緋織
私は無視してたけど
緋織
勝負も挑んだりしてきて、嫉妬してる感すごく出してるのにそれは口に出さないところとか
緋織
隠してるつもりなところとか
緋織
似てる
銀時
マジやめて///
銀時
ホント恥ずかしいから
銀時
銀さんの黒歴史ほじくり返すのやめて//
銀時
仕方ねぇだろ!お前松陽殺すとか言いながらずっと傍にいて、子供の俺じゃ意味分かんねぇし癪だったんだよ!
緋織
でも、一緒に居てくれた
緋織
一緒に遊んでくれた
緋織
だから好き
銀時
そりゃどうも
銀時
あぁあと、お前に会った言おうと思ってたことがあるんだ
緋織
?
銀時
お前、自分が笑えないの気にしてんの?
緋織
気にしてる
緋織
だって、みんな笑ってワイワイしてるのに私だけ無表情でいるの、盛り下がっちゃうし、
緋織
一緒にいてつまんないって思われたくないし、相手に私がそう思ってるって思われたもないから
緋織
私はみんなと飲むの好き
銀時
お前がいきなりガハガハと笑いだしたらそれはそれでみんなびっくりして昇天しちまうかもだがな
銀時
お前と飲み行くやつなんてみんな緋織のこと知ってんだからそう気にしなくてもいいと思うけどな
緋織
.......でも、
銀時
そのうち自然と笑えるようになるって笑
緋織
昔からそればかり
銀時
だって笑えないわけでもないだろ
緋織
笑ったことないもん、今まで
銀時
そうか?
銀時
松陽と俺ら4人で馬鹿話してる時とか、松陽に褒められてる時、笑ってたぞ
銀時
無意識だろうけど
緋織
!!
銀時
あの緋織ちゃんは可愛かったなァ
緋織
笑ってた?
銀時
あぁ微笑むくらいだったけど
銀時
会ったばかりの頃は無表情だったけど高杉達も加わって、数回は笑うようになってた
銀時
一切笑わなくなったのは松陽奪われてからか、
緋織
...............
緋織
そう...なんだ
銀時
何度も言うが無理して笑うことねぇよ笑
銀時
昔みたいに無意識に笑ってる方が何倍も綺麗で可愛んだからさ
緋織
.....
緋織
キモイ
銀時
ガーン
緋織
でもありがとう
銀時
笑
銀時
これ渡しとく
銀時
そこまで待ってお前の大事な奴らがどうなるか見とけ
緋織
(紙...)
緋織
ここは...
緋織
(次郎長と、平子...)
緋織
→木の後ろで見てる
次郎長
お引けなすって
次郎長
あっしは、生まれも育ちも江戸はかぶき町
次郎長
ならず者の町にて、ならず者として生き、長らく刀槍剣戟の中に身を置いておりやしたが
次郎長
兄弟たちの助けにより己の真にゆくべき道を諭され、恥ずかしながら渡世の道すがら落としてきたものを拾い詫びる旅をしておりやす
次郎長
名は大親分、大侠客、色々呼ばれてきやしたが、今は全て捨てやした
平子
...!!
次郎長
椿平子が父
次郎長
次郎長と申すもんでござんす
次郎長
.........失礼ながら
次郎長
お手前は
平子
あ...あ...あっしは、
平子
.....江戸はかぶき町...万事屋一家が末弟...
平子
行方不明の父を探す旅をしておりやす
平子
ポロポロ
平子
兄弟達の...厚き義侠の心により、
平子
ここまで.....きまし...た
平子
次郎長が娘
平子
椿平子と申します泣泣
次郎長
こんな所で出会ったのもなにかの縁
次郎長
よろしければその旅...あっしもご一緒させちゃくれやせんか
平子
泣泣
平子
抱きしめる
次郎長
笑
次郎長
ただいま
緋織
.........................
緋織
(やっと、分かった...)
緋織
(私が何に乾いていたか)
次回♡20








