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第1話 - あ

2023年10月20日

#恋愛

結城　真矢

ナツ

今日の飲み会もロクな男いなかったねぇ

ヒトミ

そうね、最近大したイケメンでもないのに、馴れ馴れしい勘違い野郎が増えたよねぇ

ナツ

あ、そういえばさぁヒトミ

ナツ

今日アンタに話しかけてきた男、覚えてる？？

ヒトミ

え～～？誰だっけ？

ナツ

やっぱり忘れてるｗｗ

ナツ

ホラ、あのだっさいグラサンかけてた

ナツ

自称金持ちの男のコトよ～！！

ヒトミ

あぁ～、アイツのこと？？

ヒトミ

あのあと、ちょっと話してみたんだけどね～

ヒトミ

やっぱり、たいしたことないヤツだったわよ～！！

ヒトミ

っていうかｗｗ

ヒトミ

経営者だっていうから話聞いてみたら！

ヒトミ

まさかのチェーン店ってｗｗｗ

ヒトミ

私たちに会いに来るヒマがあるんだったら！

ヒトミ

もうちょっとマシな仕事を探しなさいっつーのｗｗｗ

ナツ

ホントよね～！

ナツ

なんてったって！！

ナツ

私たち姉妹は！

ナツ

あの有名な！！

ナツ

巣科斗商事のご令嬢様なんだから！！

ナツ

それに見合う肩書きくらい、つけてから会いにきなさいっつ～の！！

ヒトミ

ホントホント、そうよねぇ～！

ヒトミ

あ、そういえば

ヒトミ

姉さんさぁ、

ヒトミ

先週、ま～た男と遊んでたんでしょぉ～？？

ナツ

フフ～ン♪まぁねぇ～♪

ナツ

あの男はねぇ！

ナツ

高級な外車を何台も持ってるって言ってたのよ～！！

ナツ

も・ち・ろ・ん！

ナツ

超イケメンだったしね～♪

ナツ

私の遊び相手としては、文句なしで合格ね♪

ナツ

どうよヒトミ？いいでしょ～～♪

ヒトミ

フン！な～によ、そんな男なんか！！

ヒトミ

全然大したことないじゃないのよ！！

ヒトミ

私が昨日遊んだ男なんかねぇ！

ヒトミ

なんと！あの有名な！

ヒトミ

ゴッドデパートの経営者様なんだからね～！！

ヒトミ

こっちの男の方が、断然すごいわよ！！

ナツ

フンだ、そんなヤツなんて！

ナツ

す～ぐに破産するんじゃないの～？？

ヒトミ

車しか持ってないヤツよりマシじゃないのよ！！

～数日後～

ナツ

はぁ、気分転換に合コン行ってみたけど

ナツ

いつも通り、

ナツ

大したことのない男ばっかだったわね

ナツ

でも途中で参加したロキって男はなかなかイケメンで良かったわね

ヒトミ

そうねぇ。かなりかっこよかったわ

ヒトミ

LINEも交換できたしラッキーだわ

ヒトミ

あら？そんな話してたらロキさんからLINEが来たわ！

ナツ

あらヒトミにも来たの？私にもロキからLINE来たわよ

ロキ

ナツさん、今日合コンでお会いしたロキです

ロキ

今日は楽しかったです。有難う御座いました

ロキ

ナツさんとても素敵な人だったから思わずLINE交換お願いしちゃいましたが

ロキ

大丈夫でしたか？恋人とかいらっしゃるかもと思って

ナツ

素敵だなんてうれしいわ

ナツ

恋人は今募集中なの

ナツ

だからロキさんとまたお話できてうれしいわ

ナツ

でもヒトミにもLINEしているのよね？

ロキ

あぁ、ヒトミさんには今日のお礼を伝えただけですよ

ロキ

僕も誰彼構わず素敵だなんて言いませんよ

ロキ

でもこのことはナツさんと僕だけの秘密でお願いします

ロキ

恥ずかしいので…。

ナツ

まぁ！かわいいところもあるのね

ナツ

元々ヒトミに言うつもりもなかったし大丈夫よ

～同時刻～

ロキ

ヒトミさん、今日合コンでお会いしたロキです

ロキ

今日は楽しかったです。有難う御座いました

ロキ

ヒトミさんとても素敵な人だったから思わずLINE交換お願いしちゃいましたが

ロキ

大丈夫でしたか？恋人とかいらっしゃるかもと思って

ヒトミ

そんなぁ素敵だなんて照れちゃいます

ヒトミ

それに私もロキさん素敵だなって思っていたので

ヒトミ

こちらこそLINE交換できてうれしかったです

ロキ

うれしいですそんなこと言って頂けるなんて

ロキ

またLINEしてもいいですか？

ヒトミ

いつでも待ってます！

ロキ

ありがとうございます！ではまたLINEさせてもらいますね

～数分後～

ナツ

ヒトミ、ロキさんからなんてLINE来たの？

ヒトミ

え？姉さんに言う必要ある？

ナツ

何よその言い方！？実の姉に対して

ナツ

まぁいいわ。

ナツ

そんなことより、ヒトミ、あんたもしかしてロキ狙いだったりしないわよね？

ヒトミ

え？それがどうかしたの？

ヒトミ

もしかして…

ヒトミ

姉さんもロキさん狙いなわけ！？

ヒトミ

まったくなんで毎回狙いがかぶるのよ！？

ナツ

あぁ～、やっぱりそうかぁ～

ナツ

まぁおおかたそんなトコだろうとは思ってたけど

ナツ

なんたって

ナツ

アタシらは昔から似た者同士だから

ナツ

好きな人が被るっていうのも、珍しくないからねぇ

ヒトミ

ハァ……

ヒトミ

それは分かってるけど

ヒトミ

ホンット、やんなっちゃうわ……

ナツ

うんうん、そうなのよねぇ～

ナツ

そ・こ・で！

ナツ

こんな展開にウンザリしてるヒトミちゃんに

ナツ

私から、ひとつ提案があるんだけどさぁ～

ヒトミ

提案ってなによ？

ナツ

どっちが先にロキを落とせるか

ナツ

勝負してみない？？

ヒトミ

へぇ～？

ヒトミ

いつもたいしたコトしか言わない姉さんにしては

ヒトミ

なかなかいい案を出すじゃない！

ヒトミ

いいわ！

ヒトミ

その勝負、乗ったわ！

ヒトミ

負けた方はペナルティとして

ヒトミ

一週間、高級スイーツ奢りね！！

ナツ

おっ！それいいわね♪

ナツ

じゃあ、それでいきましょう！！

ナツ

もちろん、私が勝つけどねぇ～♪

ヒトミ

私だって絶対負けないんだから！！

～翌日の夜～

ナツ

ロキさぁ～ん、このお店のステーキ、絶品なんですよ～♪

ナツ

今度一緒に食べに行きませんかぁ～？

ロキ

お誘いは嬉しいんですが

ロキ

生憎ボクは肉料理を控えておりますので……

ロキ

すみません……

ナツ

あっ……そうだったんですね…

ナツ

こちらこそ、すみませんでした……

～更に翌日の夜～

ヒトミ

ねぇねぇロキさん、七本木ヒルズまで、夜景を見にいきませんか？

ヒトミ

最近展望台がリニューアルしたみたいで、

ヒトミ

と～ってもキレイに見えるらしいんですよ～♪

ロキ

あ、ヒトミさん、僕、お恥ずかしながら

ロキ

高所恐怖症なので高いところは…。

ヒトミ

あぁそうだったんですね。ではまた今度違うところ行きましょうね

～数日後～

ナツ

まったく！なんなのあの男は！？

ヒトミ

そうねぇ…

ナツ

せっかくこの私が

ナツ

毎日毎日誘ってあげてるのに

ヒトミ

そうねぇ…

ナツ

まったく見向きもしないどころか

ナツ

デートにも誘ってこないなんて！

ナツ

ありえなくない！？

ヒトミ

そうねぇ…

ナツ

ちょっとどうかしたの？ナツミ！

ヒトミ

そうねぇ…

ナツ

ねぇ、ヒトミ

ナツ

もしかしてだけど

ナツ

ロキの事本気になっちゃったとか言わないわよね？

ヒトミ

へ？

ヒトミ

な、なんで！？そんなわけ…。

ナツ

あぁ～、やっぱりそうなんだぁ～♪

ナツ

ヒトミ、いいことを教えてあげる！

ナツ

この手の勝負はね！

ナツ

感情を持ち込んだほうが負けなのよ！！

ナツ

つまり、この時点で

ナツ

私の勝ちね♪

ナツ

これでロキは私のモノよ♪

ナツ

ご愁傷様～♫

ヒトミ

…

～翌日～

ナツ

ねぇねぇロキさん♪

ナツ

今週末、空いてますか？？

ナツ

よければ、私の家に来ませんか？？

ロキ

え？君たちの家に？？

ナツ

はい♪

ナツ

出来れば2人のこの先について

ナツ

お話したいなって思って…

ロキ

そうだなぁ……

ロキ

うん、わかった

ロキ

じゃあ、お言葉に甘えて

ロキ

お邪魔しようかな？？

ナツ

是非！

ナツ

おいしいお菓子とか用意して待ってます♪

～数分後～

ロキ

ヒトミさん、今週末って空いてますか？

ヒトミ

突然どうしたんですか？

ロキ

この間食材にこだわってるレストランを見つけたんですよ

ロキ

それでせっかくならヒトミさんと一緒に行きたいなって思いまして

ヒトミ

え！いいんですか？ぜひ行きたいですぅ～。

ロキ

では今週末に予約入れておきますね

ヒトミ

楽しみにしてます！

～週末～

ナツ

あんた今どこにいるのよ

ヒトミ

姉さんには関係ないでしょ

ナツ

何よその言い方！？

ナツ

そう。まぁ出かけてるならいいわ

ヒトミ

？なに？どうかしたの？

ナツ

いいえ。なんでもないわ

ナツ

まぁ楽しんでいらっしゃい

ヒトミ

変な人ね。まぁ姉さんに言われるまでもなく楽しんでくるわよ

～その日の夜～

ロキ

ナツさん、今日はお家へのお招き

ロキ

有難う御座いました。

ロキ

ケーキもすごくおいしかったです。

ナツ

こちらこそ今日は楽しかったわ

ナツ

色々深い話もできたし

ナツ

今度は私の両親にも会ってほしいわ

ロキ

ナツさんのご両親だなんて恐れ多いな…

ロキ

でもちゃんとご挨拶しないとだしね

ナツ

また日程についてはパパたちと相談して決めるわね

ロキ

あぁ、楽しみに待ってるよ

ヒトミ

ロキさん、今日はすっごく楽しかったです！

ヒトミ

ありがとうございましたぁ～。

ヒトミ

あんなに美味しいもの初めて食べました

ロキ

こちらこそヒトミさんと1日過ごせて楽しかったです

ロキ

正直美味しいものをたくさん食べられているだろう

ロキ

ヒトミさんの舌を満足させられるのか

ロキ

不安だったんですけど

ロキ

ヒトミさんに気に入って頂けて良かったです。

ヒトミ

確かに高級なものや美味しいものは生まれてから

ヒトミ

今まで何度も食してきました。

ヒトミ

でも、心の底から美味しいと感じたことはなかったんです

ヒトミ

うちの家は家族仲があんまりよくないから…

ヒトミ

でも、今日はすごく美味しかった

ヒトミ

大好きな人と食べるだけでこんなに違うんですね…

ロキ

そう言って頂けてすごく僕もうれしいです。

ロキ

また色々なもの食べに行きましょうね

ヒトミ

是非！楽しみにしてます！

～1か月後～

ロキ

ヒトミさん、今いいかな？

ヒトミ

あら、ロキさん？

ヒトミ

どうかしましたか？

ロキ

今度、君の家に行っていいかな？

ヒトミ

え？！

ロキ

そろそろ二人の将来のことを

ロキ

真剣に考えないとと思ってね

ロキ

それでヒトミさんのご両親にご挨拶がしたくて

ヒトミ

うそ！？うれしいわ！

ヒトミ

是非いらしてください！

ヒトミ

お父さんたちには私から伝えておきますわ

ロキ

ありがとう。じゃあ今週末にお邪魔するね

ヒトミ

楽しみにしてます

～翌日～

ヒトミ

姉さん？何？もしかして真昼間からワイン飲んでる？

ナツ

良く分かったわね～

ヒトミ

あんたSNSに写真なんて載せて

ヒトミ

父さんに知られたら怒られるじゃすまないわよ？

ナツ

アンタには関係ないんだし

ナツ

ほっときなさいよ～

ヒトミ

もう知らないわよ？

ナツ

というか、昨日アンタの部屋に

ナツ

結婚情報誌落ちてるの見えたんだけど

ナツ

あれなに？？

ヒトミ

ちょっと！勝手に覗かないでよ！

ナツ

え？なに？アンタもしかして結婚でもする気～？

ナツ

な、わけないか～

ナツ

ロキは私にべたぼれだし～？

ナツ

この1か月ほぼ毎日デートして、結婚の約束までしてるんだから～

ヒトミ

はぁ？何言ってんの？

ヒトミ

私だってほぼ毎日デートして、昨日なんてロキさんから私の両親に

ヒトミ

挨拶したいって言ってきたんだから！

ヒトミ

姉さんは酔っぱらって夢でも見てたんじゃないの？

ナツ

ロキがアンタになんて振り向くはずないでしょ！？

ナツ

ロキは私のものなの！あんたになんて渡さないわ！

ナツ

アンタ今どこにいるのよ

ヒトミ

え？部屋にいるけど

ナツ

待ってなさい。この私がロキの最愛の人ってことを分からせてやるわ

ヒトミ

え？え？？姉さん？何する気！？

～数分後～

ロキ

ナツさん、大丈夫かい？

ナツ

ロキさん？どうかしたの？

ロキ

どうかしたのは君の方じゃないかい？

ナツ

え？

ロキ

君、今ヒトミさんに手を挙げなかったかい？

ナツ

え？え？？

ナツ

何で知って…

ロキ

あぁごめんごめん

ロキ

君たちの家に盗聴器を仕掛けさせてもらってたんだ

ナツ

へ！？いつの間に？！まさか！

ロキ

あぁ、君に家に招待されてた時、頃合いを見計らって

ロキ

何個も仕掛けさせてもらったよ

ナツ

何のためにそんなこと！

ロキ

そんなことより自分の心配をした方がいいと思うけど

ロキ

まぁいいや。教えてあげるよ

ナオト

僕はロキじゃないよ

ナツ

へ！？

ナオト

僕はナオト。ロキの双子の弟さ

ナツ

双子！？どういうことなのよ！

ナオト

まずは順を追って話そう

ナオト

君たち姉妹は今までさんざん男を弄んできたな

ナオト

その中に僕たち兄弟の親友がいたんだよ

ナオト

そいつは僕の知る限り、一番誠実で一途なやつだった

ナオト

だが君たちに弄ばれたせいで

ナオト

自殺しようとしたんだ

ナオト

幸い命拾いしたものの、そいつはそれ以来女人間不信になって

ナオト

未だにマトモに会話ができず、家に引きこもり状態なんだ

ナオト

それを知った僕たちは二人で復讐を決めたんだ

ナオト

時々入れ替わりながら、二人が疑心暗鬼になっていがみ合うように

ナオト

誘導したんだ

ナツ

そ、そんなの知らないわ！

ナツ

それにそんなのそいつの自業自得じゃないの！

ロキ

まったく反省してないみたいだね

ロキ

まあいいや。そろそろ警察も到着するころだろうし

ロキ

バイバイ。ナツさん

ナツ

ちょと、まってよ！！

～後日談～

ヒトミ

駆け付けた警察によって姉は逮捕されることになりました

ヒトミ

私は姉によって顔面に怪我を負わされ、骨折もしていたようです

ヒトミ

その影響で少し顔に傷は残ってしまいましたが、

ヒトミ

これも色んな男性の心を弄んだ報いだと受け入れています。

ヒトミ

そして姉は、会社と家名に泥を塗ったと父から勘当され、

ヒトミ

生来の見栄っ張りな性格やこれまでの優雅な生活が足を引っ張り、

ヒトミ

まともに働けず、裏社会との繋がりで悪事を働き、

ヒトミ

再び逮捕され、未だに刑務所暮らしをしています。

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結城　真矢

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