北斗
冰
北斗
冰
北斗
冰
事件があった体育祭から約2週間。
リレーの結果は1位で、「喧嘩したせいで負けちゃったんだ…」なんて漫画的展開は起きなかった。
ま、総合結果で黒団は3位入りもしなかったんですケド。
あの日からずっと話す度に文頭につく「ごめんね」という言葉を禁止ワードにしても、漂う空気が重い。
「一瞬離れてみちゃったほうが良いってことなんじゃない?」という京本の言葉が頭の中で繰り返される
まさか…っ、いつか俺も引き離される…?!!
北斗
冰
何となく話がすれ違っているが…
俺は!!樹を反面教師として!!冰から離れない!!!
冰
北斗
ぐい、と腕を引っ張られ別の道を歩く
北斗
冰
北斗
無いはず猫耳が垂れているのが見える。
北斗
冰
恐らく避けた対象は樹。
あれから冰は樹を避けるし、樹も謝るタイミングを逃したのか、近寄りがたいみたいだ。
毎日朝にはこんなふうにしぼんだ冰を見て
それだけだったらまだマシなものの
樹
樹
優吾
樹
北斗
北斗
北斗
慎太郎
大我
ジェシー
優吾
樹
北斗
…なんて話をしたわけだけど。
粘って2週間、まだ何も進んでない
冰
北斗
冰
北斗
冰
冰
北斗
冰から樹の名前が出たことの嬉しさと、最悪の事実を思い出して、複雑な気持ち。
北斗
冰
北斗
俺一人で彼奴らの対応は出来ねぇって…
北斗
冰
冰
北斗
北斗
冰
隣で哀れむように少し微笑む冰を見て、「あぁ、結構仲良くなったのかな」なんて呑気に考える。
だって、約1年前はお互いの目さえ見れなかったし。
もっと前は顔も、名前も知らなかった仲で。
あ、知りたい?俺たちのナレソメ。
ちょうどいいや、今「弁当忘れた」とか何とか言って走り去っていった冰の後ろ姿がこちらを向いて戻って来るまで、
少しだけ前のことを思い出そうと思う。
北斗
冰との初会話?は1年の体育祭後の席替えで、冰は俺の言葉に少し遅れて会釈を返すだけだった。
まぁ、双方陰の者なもので。
そのときの冰は前髪で目も見えなくて、見えないくせにメガネもかけて、年中風邪引いてんだか知らないけどマスクもつけて。
正直ちょっと怖かった。
と思っている俺に対して、
冰
冰は隣でスマホに向かって何かをブツブツ唱えていて
樹
北斗
たまーに駆け寄ってくる樹だけが助けだった、みたいなとこあったし。
樹
ちょっと怖かったからこそ樹が冰の机につまずいた時にはマジでどうしようと思った。
スマホを触っていた指が机とぶつかったせいでズレていたし、何か作業をしていたのなら申し訳ない、とも思った。
それなのに、
冰
樹
北斗
…改めて振り返ると初会話樹じゃん。
いーや、知らないね。俺だよ、俺だから。
……話が逸れたけど、それからというもの樹は冰のことが気に入ったのかよく話しかけるようになった。
樹
冰
樹
冰
北斗
樹が毎日のように話しかけ大体1週間が過ぎた頃、The帰る前ですみたいな格好で冰が立っていたのでいつも通り樹が駆けて行く
窓を開けて、絶妙にぬるい風を受けながらぼーっとしている冰。
北斗
冰
窓から突風が吹く。
樹
北斗
樹が俺の肩をバシバシ叩きながら冰を指差す
北斗
樹
北斗
北斗
北斗
北斗
北斗
樹
興奮した様子の樹は冰の前髪を構いなくかき上げる
冰
北斗
めちゃくちゃ度が入ってそうなメガネを通してでも分かる。
こやつ、顔がとてもよい。
そしてここから
樹
北斗
北斗
俺たちの冰愛が始まったってワケ。
おっと…冰が戻って来たみたいだからナレソメ物語一章はおしまいね。