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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

北斗

おーはよ

…おはよう

北斗

んもー、元気出せよ!

…ねむい。

北斗

がんばろーぜっ

…帰りたい

事件があった体育祭から約2週間。

リレーの結果は1位で、「喧嘩したせいで負けちゃったんだ…」なんて漫画的展開は起きなかった。

ま、総合結果で黒団は3位入りもしなかったんですケド。

あの日からずっと話す度に文頭につく「ごめんね」という言葉を禁止ワードにしても、漂う空気が重い。

「一瞬離れてみちゃったほうが良いってことなんじゃない?」という京本の言葉が頭の中で繰り返される

まさか…っ、いつか俺も引き離される…?!!

北斗

いやだよぉ、嫌だぁ

…そんなに行きたくないんだね

何となく話がすれ違っているが…

俺は!!樹を反面教師として!!冰から離れない!!!

……松村、こっち。

北斗

っえ?

ぐい、と腕を引っ張られ別の道を歩く

北斗

何、どうしたの?

……

北斗

…あー、

無いはず猫耳が垂れているのが見える。

北斗

そろそろ、どうなの?

…どうも何もよく分かんないし。

恐らく避けた対象は樹。

あれから冰は樹を避けるし、樹も謝るタイミングを逃したのか、近寄りがたいみたいだ。

毎日朝にはこんなふうにしぼんだ冰を見て

それだけだったらまだマシなものの

無理…俺もう生きていけない……

なんで翻訳通さなかったんだろう…

優吾

話聞いてっと、もう冰は異世界人みたいなもんなんでしょ

北斗ぉ、頼むよぉ…

北斗

いや俺に言われても

北斗

樹の声聞こえたら引きずってでもって勢いで連れてかれるし

北斗

聴覚に関しては誰も勝てねぇよ

慎太郎

静かーに近寄ってもダメなの?

大我

残念、気配にも敏感なんですわ

ジェシー

ビン・カン!!

優吾

それはゴミの分別な。

北斗ぉ…

北斗

…まぁ、説得ぐらいはしてみるから、

…なんて話をしたわけだけど。

粘って2週間、まだ何も進んでない

ねぇ、松村。

北斗

ん?

そろそろテストだけど、

北斗

そうだけど…冰は特に問題ない、どころか首位狙いでしょ?

僕のことじゃなくて、

去年、田中とかヤバそうだったけど…?

北斗

ぁ゙

冰から樹の名前が出たことの嬉しさと、最悪の事実を思い出して、複雑な気持ち。

北斗

ね、ねぇ、冰…

無理。今回は行けない。

北斗

ですよね〜…

俺一人で彼奴らの対応は出来ねぇって…

北斗

去年は樹だけだったからまだ良かったけど…

…まぁ、何とかなるでしょ

去年僕が君たちに知り合ったばっかのとき、ほぼ僕空気だったけど十分進…んでたし。

北斗

あー、急に誘ったやつね?

北斗

なっつい!!…けど、今年は2人増えるんですよ、お兄さん

…あー、頑張れ。

隣で哀れむように少し微笑む冰を見て、「あぁ、結構仲良くなったのかな」なんて呑気に考える。

だって、約1年前はお互いの目さえ見れなかったし。

もっと前は顔も、名前も知らなかった仲で。

あ、知りたい?俺たちのナレソメ。

ちょうどいいや、今「弁当忘れた」とか何とか言って走り去っていった冰の後ろ姿がこちらを向いて戻って来るまで、

少しだけ前のことを思い出そうと思う。

北斗

…っと、よろしくお願いシマス…

冰との初会話?は1年の体育祭後の席替えで、冰は俺の言葉に少し遅れて会釈を返すだけだった。

まぁ、双方陰の者なもので。

そのときの冰は前髪で目も見えなくて、見えないくせにメガネもかけて、年中風邪引いてんだか知らないけどマスクもつけて。

正直ちょっと怖かった。

と思っている俺に対して、

……コードがおかしい…

冰は隣でスマホに向かって何かをブツブツ唱えていて

俺とお前端と端とか遠すぎだろ!笑

北斗

あっ、樹…

たまーに駆け寄ってくる樹だけが助けだった、みたいなとこあったし。

お、っと、ごめん!猫宮…さん?

ちょっと怖かったからこそ樹が冰の机につまずいた時にはマジでどうしようと思った。

スマホを触っていた指が机とぶつかったせいでズレていたし、何か作業をしていたのなら申し訳ない、とも思った。

それなのに、

…!!、ありがとう

え?…どういたしまして?

北斗

ん…?!は!?何?どういうこと??!

…改めて振り返ると初会話樹じゃん。

いーや、知らないね。俺だよ、俺だから。

……話が逸れたけど、それからというもの樹は冰のことが気に入ったのかよく話しかけるようになった。

猫宮さーーん!!!

ブツブツ……

お久しぶり!!

ぅおっ、どうも…。

北斗

ごめんなさい、毎日何回も話しかけて

樹が毎日のように話しかけ大体1週間が過ぎた頃、The帰る前ですみたいな格好で冰が立っていたのでいつも通り樹が駆けて行く

窓を開けて、絶妙にぬるい風を受けながらぼーっとしている冰。

北斗

おわっ、風強…

風…ちがうな…

窓から突風が吹く。

えっ!!!!

北斗

なんだよ…

樹が俺の肩をバシバシ叩きながら冰を指差す

北斗

猫宮さんが?どうしたの…

めっっちゃイケメン!!!!

北斗

イケ…って、そんな事あるの?

北斗

マンガとか、アニメとかでしか観ないやつじゃん

北斗

3次元は大抵こういう格好しててもイメージとあんま変わんないよ?大体

北斗

そしてあの、おんっっもい前髪が風に靡くことがあるの?

北斗

そっちの方が気になるよ?俺

ほら!!

興奮した様子の樹は冰の前髪を構いなくかき上げる

ぅわっ、眩し…

北斗

えっ…顔好き…

めちゃくちゃ度が入ってそうなメガネを通してでも分かる。

こやつ、顔がとてもよい。

そしてここから

はぁ?!!めっちゃ好きなんだけど!!

北斗

ギャルじゃん…

北斗

でも俺も顔好き…

俺たちの冰愛が始まったってワケ。

おっと…冰が戻って来たみたいだからナレソメ物語一章はおしまいね。

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