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アン
朝の陽光が差し込むクラエス公爵邸。
その穏やかな空気を切り裂くように、メイドのアンが慌ただしく部屋に駆け込んできた。
カタリナ
ベッドの上で大の字になっていたカタリナ・クラエスは、突然の叫び声に驚いて跳ね起きた。
アン
カタリナ
カタリナは目を丸くした。ヴァルトリア王国といえば、近年、クラエス公爵家が関係を深めつつある隣国だが、まさか王子たちが訪れるとはーー。
アン
カタリナ
アンの報告にカタリナは目をぱちくりさせた。
アン
カタリナ
寝ぼけ眼でそんなことを呟いていると、ドアが再び開き、マリア・キャンベルが優雅に現れた。
マリア
カタリナ
マリア
マリアのにっこりとした微笑みをみて、カタリナは観念した。
そして数時間後ーー
アン
門の前で並んで待っていたカタリナたちの前に、六人の王子たちが現れた。
ななもり
最初に口を開いたのは長身で端正な顔立ちを持つ青年。冷静な眼差しを持ち、整った紫色の髪が風になびいている。その堂々とした態度からは、王族としての威厳が感じられた。
莉犬
次に名乗ったのは、赤みがかった髪に黒いメッシュが入った少年。人懐っこい笑顔を浮かべ、ぴょこんと動く犬の耳が特徴的だった。左右で色の違うオッドアイがカタリナをじっと見つめてくる。
さとみ
ピンク色の髪の毛を持つ第三王子は落ち着いた声音でそう告げた。その表情にはどこか探るような色があり、内に秘めた思考の深さを感じさせる。
ころん
次に口を開いたのは、明るい声を響かせる少年。青みがかった髪を揺らしながらカタリナに向かって手を振る。隣で彼をじっと睨むような視線があった。
ジェル
関西弁交じりの口調で低くそう言ったのは橙色の髪を持つ第五王子。どこか冷めたような雰囲気を持ちながらも口元には少しばかりの笑みが浮かんでいる。
るぅと
そして、最後に名乗ったのは丁寧な言葉遣いの少年だった。金髪に端正な顔立ちを持ち、礼儀正しく一礼するその姿は、まさに王子そのものだった。
カタリナ
カタリナは目を輝かせた。こんなにたくさんの王子様と合うのは初めてだったのだ。
ななもり
カタリナ
慌てて名乗ると、王子たちの中でくすりと笑う声が聞こえた。
莉犬
莉犬が笑顔でそう呟き、ジェルは
ジェル
と肩をすくめた。
こうして、カタリナと六人の王子たちの出会いが幕を開けたのだった。