夕焼けに殺される

先生はその言葉に聞く耳すら立ててはくれず、

冷酷な表情のまま、扉を閉めた。

横の部屋からトキの声がする。

壊す事こそできないが、壁自体は比較的薄いようだ。

「あれ……」

「ここは……？」

「え……どうして」

「だって、だって……」

「……死んだん、でしょう？」

吉森さよは彼へ飛び付き、そのまま抱き締める。

あまりに勢いがあったため、吉森さよの胸のあたりがザンセイに直撃した。

柔らかくはなかったようで、かなり痛そうにしている。

強烈なビンタが炸裂した。

ザンセイの言葉を遮り、唇が乗った。

柔らかい弾力と、返り血の味。

2人を祝福するように、羽根の音が部屋に響く。

近づく。

大きくなる。大きく鳴る。

大きくなる。大きく鳴る。

大きく鳴る。

羽根の音。

じゅるじゅるり。

じゅるじゅるる。

じゅりりり。

じゅるるるるるる。

じゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅ。

聞こえてくるのは。 羽根と、この液体が絡まる音。

そして、甘い声。

「大好き。大好き。大好き……」

女は何度もこの言葉を続け、

その言葉の間に、幾度となく喘ぐ。

じゅるじゅるり。

じゅるじゅるる。

じゅりりり。

じゅるるるるるる。

じゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅ。

じゅるじゅるり。

じゅるじゅるる。

じゅりりり。

じゅるるるるるる。

じゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅ。

じゅるるるる。

じょぶぶぶぶ。

じゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅ。

じゅるじゅるるる。

じゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅる。