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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

こたろう

明日は午後4時からそちらに伺います

ミイさん(妹)

お願いします

仕事を転々としていた彼は先日、またクビになった。そんな彼が見つけた仕事、それは家政婦だった。真面目で家事のできる彼なら長続きするだろうと妹に勧められたのだ。

こたろう

お邪魔します!

ミイさん(妹)

こんにちは、今日もよろしくお願いします

こたろう

お任せ下さい!

この家に住む女性、三井さんは我が家(旅館)で働く女性の妹である。

こたろう

早速始めますので、お勉強でもしてていいですよ

ミイさん(妹)

あ、はい…

ミイさん(妹)

(もう終わっちゃったんだよね笑)

ミイさん(妹)

(今日もかっこいいな)

私は彼のことが好きだ。 顔はそこそこだが 一生懸命働く姿と 優しい性格に惹かれた。 姉の知り合いということもあり、 彼とは前から知り合っていた。

こたろう

(今日も見られている……)

はじめは仕事ぶりを見ているのかと 思っていたのだが。 最近俺の事を見ていると 分かった。 彼女は俺のことが好きなのか? 気持ちは嬉しいが 俺はべつに好きな訳では無い。 他に好きな人いるしな。

こたろう

ただいま

ミイさん

おかえりなさいお兄さん!

ミイさん

ゆりちゃんはお客さんの接客してます

ミイさん

(なんか食器洗い頼まれちゃって)

こたろう

しゅうとゆうは?

ミイさん

あ!さっきしゅうたろうくんを本屋に連れて行きました

こたろう

ゆうたろうが出かけるなんて珍しいな

こたろう

俺はちょっと寝るな

ミイさん

わかりました

ミイさん

洗い終わったら私は仕事戻りますね

こたろう

おう

青木

起きろ!こた!

こたろう

んあ?

こたろう

俺、寝てた?

青木

こたろうが学校で寝るなんて

青木

寝不足か?

こたろう

まあな

こたろう

(昨日ちょっと徹夜でゆうたろうに勉強教えてたからな)

こたろう

そうだ青木

こたろう

弟のなんだけどさ

こたろう

今度勉強教えてやってくれないか?

こたろう

俺教えるの下手って言われてさ

青木

えー俺も教えんのむりだよ

こたろう

そうか

青木

それよりほら次体育だろ?

青木

早く着替えろよ

こたろう

そうじゃん

こたろう

みんな早くね?

青木

こたろうが寝てたんだろ笑

こたろう

ああ先に行って…

こたろう

いや、すぐ着替えるから待ってて

青木

おう分かった

仁村

こたろう!

仁村はボールをこたろうにパスする。

こたろう

おう!

こたろう

あっ

こたろうはギャラリーにボールをあげた。

青木

何やってんだぁ!

青木

しっかり!こたろー!

こたろう

ごめんすぐとってくる

仁村

いいよ俺取ってくるから

こたろう

え?いいのか

青木

じゃあ俺新しいの持ってくる

仁村

頼む!

こたろう

(俺なんもしてねぇ)

教師

時間だ、片付けろ!

生徒たちは返事をし、ネットやボールを片付ける。

男子生徒

おいお前、またみんなに迷惑かけたんだってな笑

こたろう

ああ、みんなには悪いと思ってる

こたろう

俺の失敗なのに、

こたろう

俺なんもしてないしな……

男子生徒

お前は昔っからそうだよな

男子生徒

みんなより頑張って

男子生徒

それに値するくらい人に迷惑かけて

男子生徒

お前が頑張ると上手くいかねえんだよ

男子生徒

なにもしないか

男子生徒

邪魔しないか

男子生徒

どっちかにしろ

こたろう

わ、悪い

男子生徒

そんなこと言ってないでこたえろよ

こたろう

俺が邪魔なことくらい分かってる

こたろう

俺はなにもしないわけがない

こたろう

邪魔しないとはいいきれないから

こたろう

邪魔にならないよう努力する

こたろう

じゃあ

男子生徒

……なんだよ

青木

あいつ悪口とか全然気にしないよな

仁村

絶対にいじめられない感じ?

青木

そうそう

青木

すげーよな

仁村

運動神経は悪いけどな笑

こたろう

それは関係ないだろ

青木

聞いてた?

仁村

ごめん

こたろう

べつに俺は気にしてないし

こたろう

運動も勉強もできないけど頑張ってるぞ!!

青木

お、おう?

教師

お前らあ、いつまで廊下で突っ立ってる

こたろう

今入ります!

ミコ

りょうたろう君遅いな…

ミコ

放課後お見舞いに来てくれるって言ってたのに……

青木

こたー帰りカラオケ行かないか?

こたろう

わるい、外せない用事あって無理だ

青木

そっか、それなら仕方ないね

こたろう

あれ、もうこんな時間だ

こたろう

また明日な青木!

青木

ああ

仁村

こたろう!宿題忘れて…

仁村

あいつ帰る時は足速いんだな

こたろう

まった?

ミコ

りょうたろうくん!

こたろう

ごめんな、ちょっと叱られてて

ミコ

へぇーりょうたろうくんも叱られるんだ

こたろう

まあね笑

こたろう

具合大丈夫?

ミコ

治ってきてはいるらしい

ミコ

でもまだお金がかかるみたい……

こたろう

大変だね

こたろう

ほらまた持ってきたよ

こたろうは1000円札を数枚手に取りミコに渡す。

ミコ

いつもありがとう

こたろう

俺ん家も家計苦しくてこれだけしか渡せないけど

ミコ

早く元気になってりょうたろう君ともっとお話したいなー

こたろう

そう、だね…

こたろう

じゃあ俺そろそろいくね?

ミコ

また!

ミコ

また、待ってるね?

こたろう

ああ

次男

兄貴!

次男

夕飯!

次男

食べないならもらうよ?

こたろう

ミコ…

次男

兄貴、そいつのことは忘れたんじゃないの?

こたろう

あ、ああ!

こたろう

もう忘れたさ

ミイさん

今日の晩御飯は私作りました

ミイさん

からあげ、はじめてだけど頑張ったのでお兄さん早く食べてください

こたろう

おう

俺は、夢を見ていた。 学生の頃の思い出。 あの頃の、悪夢のような出来事を。

ミイさん

お味の程はいかがですか?

こたろう

まあまあŧ‹”ŧ‹”うまい( ˙༥˙ )よ

ミイさん

そ、そうですか

こたろう

ああ

次男

兄貴ーしゅう知らない?

こたろう

そういえば居ないな

ミイさん

しゅうくんはゆりちゃんと接客してます

こたろう

父さんは?

ミイさん

デートです

こたろう

デートか

次男

…ん?

こたろう

ちょっちょっと待てだれだれ誰とデートだ?

次男

父さんがモテた?あの歳で彼女??

こたろう

母さんとわか…いやっ

こたろう

母さんがいるっていうのに

俺は通知音を聞く度にあの子からの メッセージを思い出す。

こたろう

俺、もう寝る

ミイさん

おやすみなさ……

ミイさん

歯磨きとお風呂まだですよね??

こたろう

ぐぅー

ミイさん

……ゆりちゃんに怒られますよ💧

こたろう

ミコの具合はだいぶ良くなってきています

Mr.橋卜部

そうか、それは良かった

Mr.橋卜部

それより金は入れたか?

Mr.橋卜部

こた……りょうたろう君

こたろう

もちろんですお義父さん

Mr.橋卜部

お前にお義父さんと言われる筋合いは無い!

こたろう

すみません

こたろう

それで、例の件……

こたろう

おれ……僕に6年後、1億円を振り込んでもらえると…

Mr.橋卜部

その件なのだが、無かったことにする

こたろう

……え?

Mr.橋卜部

ミコの世話をしてくれたことは感謝する

Mr.橋卜部

私はそんなに甘くはない

Mr.橋卜部

お前のような人を金だけで見るような人間とは付き合うのはもう限界だ

Mr.橋卜部

我が娘を金の為だけに世話してきたんだよな?お前は

こたろう

そんなことは!…あ、ありません!

Mr.橋卜部

ベルトントリトリトントン!こいつを我が屋敷から引っ張りだせ!

かしこまりました。旦那様

こたろう

違う!俺はミコさんの事を

Mr.橋卜部

……(-.-)

こたろう

……………

こたろう

ただいま

次男

おかえり!お兄ちゃん!!

次男

今日体力テストでな!

こたろう

……

次男

どうしたの?

こたろう

あ、ああ体育館がどうした?

次男

体力テ!ス!ト!

こたろう

ごめん俺ちょっと行ってくる!

次男

ちょっお兄ちゃんどこい……

こたろう

ミコ!

こたろう

あ、あれミコ?

こたろう

どこだ?!ミコー!

うるせえなてめえここは病院だ俺の頭に響くお前声低いんだよ!

こたろう

すみません

こたろう

ミコどこいったんだ?

ミコ

りょうたろう君?

こたろう

ミ、ミコ!

こたろう

探したぞ!

ミコ

大声出しちゃダメだよぉ

こたろう

急にいなくなってどうしたんだ!

ミコ

そ、束縛?

こたろう

ち、違う

ミコ

うそうそ

ミコ

私やっと退院するんだ

こたろう

本当か?

ミコ

うん、これもりょうたろう君のおかげだよ

こたろう

……

ミコ

どうしたの?

こたろう

お、俺りょうたろうじゃない

ミコ

え?

こたろう

始めっから嘘付いてた

こたろう

ごめん

こたろう

俺は、中学生の時にお前に会ってない……

こたろう

お前の知っているりょうたろうじゃない

こたろう

俺は、こたろう……

こたろう

小太郎だ!

ミコ

へぇーこたろう君っていうんだ

こたろう

??

こたろう

ガッカリしただろ?ムカついただろ?

こたろう

ずっとお前の運命の人のフリをされて

ミコ

知ってた……

こたろう

え?

ミコ

知ってたよ?

ミコ

こたろう君がりょうたろう君じゃない事…

こたろう

ど、どうして?

こたろう

だってずっと何も言わなかったのに

ミコ

だって…

ミコ

りょうたろう君は、もういない

こたろう

??

ミコ

りょうたろう君

ミコ

もう死んじゃったの……

ミコ

急に……線路に足を踏み入れて……

ミコ

私を守るために……

こたろう

…………

こたろう

俺はお前を騙したワルイ男だ……

こたろう

でもお前が好きだ

こたろう

だから……俺と付き合ってください

ミコ

(この人空気読めないのかな……)

ミコ

私も好き……あなたの……こ……と

彼女は最後の言葉を残し、姿を消した。

こたろう

ミコ?

こたろう

ゆ、幽霊だぁ!!!

Mr.橋卜部

うるさいですよ

Mr.橋卜部

りょ……こたろう君

こたろう

お、お義父さん??

Mr.橋卜部

お前にお義父さんと呼ばれる筋合いは無い!

こたろう

ミ、ミコは??ミコはどこに!!

Mr.橋卜部

あーあいつはなーさっき死んだ

こたろう

?????

Mr.橋卜部

だから病院に来た

Mr.橋卜部

ちょうど帰るところだ

こたろう

ど、どどどうしてそんな冷静なんですか???

こたろう

それに彼女具合良くなってきてるって

Mr.橋卜部

お前に心配かけぬよう嘘ついたんだな

Mr.橋卜部

余計なことをしおって!

Mr.橋卜部

じゃあ私は帰る

こたろう

だから!!どうして冷静なんだ!!

こたろう

娘が亡くなって冷静でいられますか?

Mr.橋卜部

言っておく、それはお前の勘違いだ

Mr.橋卜部

あいつは娘なんかじゃない

Mr.橋卜部

……………………だ

こたろう

い、今なんて

Mr.橋卜部

お前はほんとにバカだ

Mr.橋卜部

あっさり騙されて笑

こたろう

はぁはぁはぁ

こたろう

ゆ、夢か…

こたろう

………

こたろう

い、嫌あれは夢じゃないがこれは夢か

こたろう

忘れよう……

翌日

こたろう

あ、ありがとうございます

ミイさん(妹)

もうお仕事終わったんですし、タメ口でどうぞ

こたろう

あ、ああ

こたろう

はい

ミイさん(妹)

お茶、お口に合いますか?

こたろう

はい、美味しいです

こたろう

(お茶って家ごとに味ちがうのか?)

ミイさん(妹)

あ、あのこたろうさん

こたろう

ん?

ミイさん(妹)

す、好きです

こたろう

俺も

ミイさん(妹)

え??そ、そんな///

こたろう

俺的には緑茶の方が好きですが、麦茶もいいですね

ミイさん(妹)

そうじゃなくて

ミイさん(妹)

こたろうさんのこと、好きです

こたろう

ありがとうございます

こたろう

ですが、他に好きな人がいるんです

こたろう

忘れられないあの子……

こたろう

金取りじじいも忘れられないな、違う意味で
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