涼ちゃんの携帯を見てしまった日から、 更に涼ちゃんとどう接していいか分からなくなってしまったぼくは、大学課題やバイトを言い訳にして、出来るだけ涼ちゃんと一緒に居る時間を作らないようにしていた。
バイト先では相変わらず若井が話し掛けてくるから、当たり障りない感じで受け答えをしているが、内心複雑な気持ちでいっぱいだった。
若井
あれ?元貴、今日シフト入ってたんだ?
バイトに出勤すると、先に来ていた若井がすぐに話し掛けてきた。
大森
入ってるけど、なんで?
そんな事、今まで聞かれた事がなかったから、変に思い聞き返す。
若井
え、だって今日、涼ちゃんの誕生日じゃん?
若井
てっきり休み取ってるかと思った。
若井にそう言われて、愕然とする。
若井に言われて、初めて今日が涼ちゃんの誕生日だと言う事を知ったからだ。
好きな人…しかも一緒に住んでる人の誕生日を知らなかったなんて。
若井
でもちょうどよかった!
これ、誕生日プレゼント!
涼ちゃんに渡しといて。
これ、誕生日プレゼント!
涼ちゃんに渡しといて。
若井はそう言って、綺麗にラッピングされた箱をぼくに渡してきた。
大森
…自分で渡せよ。
ぼくは、そう言って若井が渡してきた涼ちゃんへの誕生日プレゼントを突き返す。
大森
てか、若井こそなんでシフト入ってんだよっ。
若井が悪い訳じゃないのに、若井にあたってしまった。
ぼくの言っている事が分からないと言った顔でぼくを見る若井が気に入らなくて、ぼくは強めに休憩室のドアを閉めて仕事に向かった。






