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交差するオモイ

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交差するオモイ

4 - 交差するオモイ

♥

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2021年06月18日

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歩いていた

真っ暗な空間を

ただひたすらに

結城 樹

(俺は…何してるんだ)

結城 樹

(誰だ、あの少女は)

???

私、行くね

少女はこちらを振り向き

笑顔でそう言った

結城 樹

ダメだ…

結城 樹

待て…!待ってくれ!

俺の言葉とは対照的に

少女はどんどん遠ざかって行く

いくら走っても追いつかない

黒い闇に飲み込まれていく

結城 樹

お願いだ!

結城 樹

俺を…置いていかないでくれ!

結城 樹

俺は、俺は…

結城 樹

お前の事が───!

結城 樹

……!

結城 樹

何だ…今の夢

結城 樹

あの少女は誰だ…

結城 樹

何か忘れてる

結城 樹

あれは…誰だ

東雲 咲希

(あ、樹だ!)

東雲 咲希

樹~!

結城 樹

…………

東雲 咲希

(樹…?いつもはすぐに気づくのに)

私は樹に駆け寄る

東雲 咲希

おはよ、樹

結城 樹

咲希か、おはよう

東雲 咲希

ねぇ、顔色悪いよ?

結城 樹

…そうか?

東雲 咲希

何かあったの?

結城 樹

何でもねぇよ

東雲 咲希

そう…

東雲 咲希

(嘘ついてる)

東雲 咲希

(下唇、噛んでるし…)

東雲 咲希

(何で私にも隠す必要があるの…?)

樹はこの日、ずっと元気がなかった

白瀬 美麗

ねぇ、咲希

東雲 咲希

ん?どうかした?

白瀬 美麗

今日は結城くんと帰らないの?

東雲 咲希

あぁ、樹…

東雲 咲希

樹、何か今日元気なくて

東雲 咲希

そっとしておいてあげたいの

白瀬 美麗

そうなんだ

白瀬 美麗

じゃあ、一緒に帰る?

東雲 咲希

う~ん、今日は1人で帰ろうかな

白瀬 美麗

分かった!また明日ね

東雲 咲希

うん、またね!

結城 樹

…………

結城 樹

(あいつは誰なんだ…)

結城 樹

(忘れちゃいけない奴だった…はず)

結城 樹

(俺はあいつを…)

結城 樹

(どう思っていたんだ…)

結城 樹

(夢の中で俺は何を言いかけた…?)

伊織 雄飛

ねぇ、樹

結城 樹

…伊織

結城 樹

何か用か

伊織 雄飛

今日元気なかったね

伊織 雄飛

何かあったの?

伊織は突き刺すような視線で俺を見る

結城 樹

……!

結城 樹

お前には関係ねぇ

伊織 雄飛

酷いな~

伊織 雄飛

僕達は友達でしょ?

結城 樹

それとこれとは別だ

伊織 雄飛

ま、何でもいいけどさ?

伊織 雄飛

半端な気持ちで咲希と付き合わないでね

伊織の顔は凄く真剣だった

だが、それも一瞬のこと

次の瞬間にはまたいつもの笑顔に戻っていた

伊織 雄飛

な~んてね!

伊織 雄飛

樹がそんな事する訳ないよね!

結城 樹

…………

俺は何も…言えなかった

いや、言いたくなかった

伊織 雄飛

じゃ、また明日学校でね!

結城 樹

あぁ…

2ヶ月後…

私達は少しの違和感を感じながらも

月日を過ごしていった

東雲 咲希

美麗!おはよ!

結城 樹

よ、白瀬

伊織 雄飛

白瀬ちゃん、おはよ!

白瀬 美麗

おはよ、皆!

白瀬 美麗

(今ではこれが当たり前になってる)

白瀬 美麗

(少し前の私なら考えられない)

白瀬 美麗

(こんなに優しい人たちに恵まれて)

白瀬 美麗

(とても幸せ…)

東雲 咲希

ねぇ、美麗~

白瀬 美麗

どうしたの?

東雲 咲希

好きな人とかいないの?

伊織 雄飛

それ僕も気になる!

白瀬 美麗

と、突然なに…?!

東雲 咲希

あっはは(笑)

東雲 咲希

美麗も表情豊かになったね~!

白瀬 美麗

そ、そうかな…

白瀬 美麗

でも、何で急に好きな人?

東雲 咲希

ん?気になっただけ!

白瀬 美麗

そっか

白瀬 美麗

う~ん、好きな人…

白瀬 美麗

好きって、何だろ

伊織 雄飛

何か哲学みたいだね?

結城 樹

同意

東雲 咲希

確かに好きって何だろ…

白瀬 美麗

友達とは違うんだよね

結城 樹

あぁ、そうだな

伊織 雄飛

その人といると胸がドキドキしたりするとか!

白瀬 美麗

なった事ないなぁ

東雲 咲希

じゃあ、その人の事ずっと考えちゃうとか?

白瀬 美麗

う~ん…

結城 樹

好きなんて人それぞれだろ

結城 樹

白瀬なりの好きがある

白瀬 美麗

結城くん…

東雲 咲希

良い事言うじゃん~!

結城 樹

冷やかすな

伊織 雄飛

樹、照れてる!

伊織 雄飛

可愛い~!

結城 樹

っるせぇ!

白瀬 美麗

あははは(笑)

この日々がずっと続けばいいのに

そんな事まで考えるようになっていた

放課後

東雲 咲希

よし、学校終わり~!

東雲 咲希

皆早く帰ろ!

伊織 雄飛

帰ろ帰ろ~

白瀬 美麗

ごめん!私一緒に帰れない…

東雲 咲希

ん?用事でもあるの?

白瀬 美麗

うん、先生の手伝いしないといけなくて

東雲 咲希

それなら私達も手伝おうか?

白瀬 美麗

良いよ良いよ!

白瀬 美麗

一人で出来るよ!

東雲 咲希

ほんと?

白瀬 美麗

うん、皆疲れてるだろうし早く帰った方が良いよ

東雲 咲希

じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね

白瀬 美麗

うん!

伊織 雄飛

じゃ、白瀬ちゃんまたね~

東雲 咲希

また明日!

結城 樹

じゃあな

白瀬 美麗

うん、またね!

白瀬 美麗

(早く先生のとこ行かなくちゃ…)

東雲 咲希

~でね?

伊織 雄飛

それはやばい!

東雲 咲希

でしょ?!

結城 樹

……あ

東雲 咲希

樹どうしたの?

結城 樹

教科書忘れてきた

伊織 雄飛

教科書くらいなら置いておけば?

結城 樹

いや、勉強しようと思ってんだよ

東雲 咲希

そっか

東雲 咲希

定期テストも近いもんね~

結城 樹

取りに行ってくるわ

結城 樹

先帰っててくれ

東雲 咲希

私も着いて行───

伊織 雄飛

分かった!

伊織 雄飛

先帰ってるね~!

東雲 咲希

あ…

結城 樹

ありがとな

結城 樹

(…あった)

結城 樹

(よし、早くあいつらに合流するか)

白瀬 美麗

あれ、結城くん

結城 樹

白瀬…

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