彼と私

今でも、思い出す。

この場所に来ると。

貴方と過ごした時間を。

ピピピ…ピピピ…⏰

いつもと同じ時間に。

いつもと同じアラーム音で 目が覚める。

いつもの様に、自分の 体温で温まった布団の中で １回伸びをしてから

可愛いピンク色の カーペットに足を踏み入れた。

まだ、ぼーっとしてる 頭のまま、

カーテンを開けて、 陽の光を浴びる。

また、さっき開けた カーテンの前で、

１回伸びをする。

ガチャッ🚪

私の目線の先にある、 大きくて白い、

扉を開ける。

私よりも少しだけ 背が高くて、髪が短い。

見るからに運動が得意そうな 感じがひしひしと

伝わってくる。

なんてこと考えながら、顔を洗った。

カリカリに焼いたベーコン。

半熟でトロトロな目玉焼き。

角が少しだけ焦げたトーストに、

天井のLEDの光が当たって、

キラキラ宝石みたいに輝く、

ストロベリージャムを塗って食べる。

これが、私のお気に入り。

お日様の匂いがする、

セーラー服を抱きしめて、

今日も私の生活が 始まった。

チャリン、チャリン🚲

私は自転車通学。

結構有名な私立高校に通ってる。

ガシャン！

石につまずいて、

自転車ごと派手に 転んでしまった。

そう言って彼は、 自転車を起こしながら、

私に手✋を 差し出した。

ほんとだ。

私が通ってる学校の 制服だ…。

ブゥーン🚚💭

ドンッ…

その時、時間が止まったかと思った。

隣にいたはずのかつくんが いなかった。

犬は無事だった。

けど…。

ピーポーピーポー🚑💭

私は泣き崩れた。

そして、5時間にも及ぶ 手術は終了した。

全身の力が抜けた。

人生で初めて、大声で泣いた。

たった朝の事件で 私は、

魏啟葛くんのことを

好きになっていた。

その後、彼の意識は 戻ることはなく、

彼の人生に幕が降りた。

今でも思い出す。

この道を通ると。

ブゥーン🚚💭

ドンッ…

私の体は、勝手に動いていた。

その後、私は

意識が戻ることは無く、

獻湫愛華麗という人生に 幕を閉じた。

でも、

天国でかつくんと一緒にいる。

だから、ほんとに幸せです。