テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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レンタル彼女、一生分レンタルすることになりました。

第7話 - 第7話『意識』

2025年03月03日

#創作

#恋愛

#レンタル彼女

#長編

ぴーぴぴまる。

柊綾人

あれから俺たちは食材を買いに商店街に来ていた

柊綾人

「にしてもこれ俺も来なくちゃダメだったのか…？」

如月結衣

「当たり前でしょ。何言ってんの？」

柊綾人

「いやでもわざわざ俺が来るのも…」

如月結衣

「荷物持ち」

柊綾人

「えっ」

如月結衣

「当たり前でしょ？」

如月結衣

「そもそもとしてあなたのせいでこうなったのわかってる？」

柊綾人

「いやまぁそうなんだけども」

柊綾人

「でもさっきの帰りの時言ってたとしても荷物持ちさせられてただろ…」

如月結衣

「…はぁ」

如月結衣

「全部言わせないでくれる…？」

柊綾人

「えっと…なんのことだ…？」

如月結衣

「あなたって人は本当に…」

如月結衣

「こういうのって彼氏が荷物を持ってあげるもんなんだよ？」

柊綾人

「えっと…」

柊綾人

「なんで俺彼氏になってんだ？」

如月結衣

「あなたが私を一生分レンタルしたからでしょうがああああぁぁぁぁぁ！！！」

柊綾人

「まじほんとすみません…」

如月結衣

「彼氏が荷物持ってあげるとか有名なことだからね」

柊綾人

「そんなこと聞いたことないが」

如月結衣

「口に出したりなんかはしないよ。暗黙の了解ってやつよ」

柊綾人

「じゃあどうしようもないじゃん」

如月結衣

「そういうのは経験で知っていくんだよ」

柊綾人

「経験…か…」

如月結衣

「そっか！あなたは彼女できたことないどころか女子との関わりもほとんどない童貞君だったね！」

柊綾人

「本当にやめてください死んじゃいます」

柊綾人

なんでここまでボロクソ言うの？それも全部事実だから余計にさぁ…

柊綾人

俺の心にクリティカルヒットなんですけど？

如月結衣

「あなた女子と関わる面以外ではいい人なんだけどね…」

柊綾人

「えっと、それって褒めてるのか？それとも貶してる(けなしてる)のか？」

如月結衣

「さぁ。どっちだと思う？」

柊綾人

「んー褒めてる」

如月結衣

「貶してるけどね」

柊綾人

「なんでさっきからそんなこと言うの？？」

柊綾人

え？本当になんでこんなにボロクソなんだ？？結衣が言ってることに関しては否定できないが…

如月結衣

「あはは、ちょっとからかいすぎたね」

如月結衣

「さっき家に食材がなかったことを黙ってたことの罰ってことで」

如月結衣

「これに懲りたらこれからはちゃんとしてね！」

柊綾人

「…はい」

柊綾人

ってことはさっきまでボロクソ言ってたのは罰のためってことか

柊綾人

なんだよびっくりした。結衣が急に思ってもないことをバンバン言ってくるのはおかしいと思ってたしな！

如月結衣

「まぁさっきまで言ってたことは本音だけどね」

柊綾人

「なんでそんなこと言うの？？絶対今それ言う必要なかったよね？」

如月結衣

「いや、変な勘違いでもされたらいやだし」

柊綾人

「勘違いって…どんな勘違いされると思ってるんだよ」

如月結衣

「んーたとえば私があなたのことよく思ってるとか？」

柊綾人

「思ってないのか？」

如月結衣

「逆にどこにあなたのことを好印象に思う理由があるの？」

柊綾人

「顔とか？」

如月結衣

「鏡見てこい」

柊綾人

「身長とか？」

如月結衣

「あなた低いじゃん」

柊綾人

「財力とか？」

如月結衣

「私そんな軽い女じゃないし」

柊綾人

「中身とか？」

如月結衣

「自分でそれ言う時点でもう終わりだよ」

柊綾人

「じゃあもうなにもないじゃん…」

如月結衣

「だからそういってんじゃん」

柊綾人

「そんなに俺ってひどいのか…」

如月結衣

「今更…」

柊綾人

「まじか…」

如月結衣

少し言いすぎちゃったかな…

如月結衣

「まぁでももちろんあなたにもいいところだってあるからそんな落ち込まなくてもいいよ」

柊綾人

「例えば…？」

如月結衣

「今日だって一日私の手伝いをしてくれたじゃん？それもこんなに遅くになるまでやってくれたし」

如月結衣

「それに作業してる時だって文句だとか嫌味とか言わなかったじゃん？」

如月結衣

「普通出会って間もない人の雑用みたいなことさせられたら嫌味の一つや二つくらい出てもおかしくないよ」

柊綾人

「そう…なのかな…」

如月結衣

「うん、間違いないよ」

柊綾人

「でもそもそもとしてこうなったのも全部俺のせいだからこれくらいやるのも当然だと思うけど…」

如月結衣

「ま〜だそんなこと言ってる。あれは全部あなたのせいではないと思うし別に私はもうそのことは気にしてないよ」

柊綾人

「気にしてないって…普通あんなの一生恨んだっていいレベルだぞ。なんなら俺結衣になら刺されても仕方ないとすら思ってたし」

如月結衣

「も〜別に私そんなやばい考えなんか持ってないよ！」

如月結衣

「それに許せるのはあなただからってのもあるんだよ」

柊綾人

「俺…だから…」

如月結衣

「うん。昨日からあなたの一緒に過ごしてわかったけどあなた私と関わるとき変な下心とかがなかったと思ってね」

柊綾人

「まぁさすがにこんな相手に下心持つのはもう道徳的にやばいだろ」

如月結衣

「どっちにしろあなたはやばいけどね」

如月結衣

「まぁそういう相手となら一緒に暮らしていけると思ったからさ」

柊綾人

「なる…ほどなぁ…」

柊綾人

「でもなんで一日でそんな俺の気持ちとか読み取れたんだ？エスパーか？」

如月結衣

「私の職業なんだと思ってるの？レンタル彼女だよ？」

如月結衣

「男の目線だとか行動とかで大体はもうわかるよ」

如月結衣

「今まで私が付いた男たちはみんな目線がいやらしかったりなんかもう体目当てだなぁ〜って人ばっかりだったけど、あなただけは初めて会った時から違うなぁって思ってたの」

如月結衣

「なんかあなたは私っていう存在と向き合ってくれたような気がしたの」

如月結衣

「だからあなたなら少しは信用してもいいのかなって思うようになってね」

柊綾人

「まぁなんというか、俺は素で生きてるだけだからなんも言えないけど信用してくれてるのはうれしいな」

如月結衣

「だからあなたは彼氏というよりも家族って感じがするの」

柊綾人

「家族…か」

如月結衣

「そう。私に家族なんてほとんどいないようなもんだしあなたが私の家族になってほしいなってね」

柊綾人

「家族がいない…？」

如月結衣

「あーうん、まぁ気にしないでいいよ！こっちの話だし」

柊綾人

「あ、あぁ…」

如月結衣

「そういうわけだからさ、私に対して変な下心持たないようにしてね？」

柊綾人

「お前それ男に対して一番難しいお願いだからな？」

如月結衣

「じゃあ私のことあやと君はそういう目で見ちゃうってことなんだ〜」

柊綾人

「ああもうわかったよ！」

柊綾人

「お前を変な目で見なければいいんだろ？！」

如月結衣

「そういうこと！」

如月結衣

「私みたいなかわいい子のことをそういう目で見ないように頑張ってね〜」

柊綾人

「悪魔かよ…」

柊綾人

そうおもわずつぶやいた

柊綾人

なんやかんやいろいろなことがあったがある程度結衣は俺のことを信用してくれてるみたいだった

柊綾人

にしてもこいつのことを…あぁ考えるだけで意識しちゃうわ…

柊綾人

ったく、とんでもないお願いをして来やがって…

柊綾人

俺はそう心の中でつぶやくのだった

柊綾人

あれから俺たちはスーパーにつき夕飯の食材を探し歩いていた

如月結衣

「ねぇ夕飯何作ってほしい？」

柊綾人

「んーなんでもいいからなぁ」

如月結衣

「ほらそれだよ」

柊綾人

「なにがだ？」

如月結衣

「何がいいかって聞いてなんでもいいって答えられるのが一番困るんだよ？？」

柊綾人

「えぇ、だって本当になんでもいいんだもん…」

如月結衣

「まったく、これだから…じゃあどういうのがいい？肉とか魚とかそういうのでもいいからさ」

柊綾人

「それだったら肉かな」

如月結衣

「はいはーい」

如月結衣

「肉料理かぁ…」

如月結衣

「あ、じゃあせっかく最初だしすき焼きなんかどう？」

柊綾人

「お、いいなそれ！」

如月結衣

「ていうかあなたの家に鍋とか包丁とかそういうのはさすがにあるよね？」

柊綾人

「いや、ないけど…」

如月結衣

「…あなた本当にこれまでどうやって生活してきたの」

柊綾人

「いや、普通に出前取ったりコンビニ弁当だったりどっか食べに行ったりとかよ」

如月結衣

「うわ〜健康とかなにも考えてないタイプだ」

柊綾人

「いやいや、ちゃんと野菜とか取ってるぞ」

如月結衣

「野菜取れば大丈夫だとか言う人大体不健康だよ」

柊綾人

「それは偏見じゃないか…？」

如月結衣

「でも野菜食べてるから大丈夫って考えは危険だよ」

柊綾人

「そうなのか…」

※みなさんも偏った食生活には気をつけてください。

如月結衣

「まぁ安心して。私がしばらく作ってあげるからさ」

柊綾人

「おぉ…女神か？」

如月結衣

「褒めてもなんも出ないからね」

柊綾人

「そんなつもりじゃないっての」

如月結衣

「まぁほら、肉は向こうだから早く行くよ！」

柊綾人

そういいながら結衣は俺の手を引っ張って歩いた

柊綾人

これで意識するなとかいうのは悪魔なんじゃないか？

柊綾人

俺はそう思うのだった

レンタル彼女、一生分レンタルすることになりました。

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