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あれから数日後

俺がジョギングを

していると

急にころんから

「僕の家に来て」

と言われたので

急いで向かうことにした。

さとみ

ころん、いきなりどうしたんだ?

優しく

ころんの肩を

擦りながら

問いかけると

衝撃的な言葉が

返ってきた。

ころん

さとみくん…僕ね、その

さとみ

ゆっくりでいいよ。

ころん

.....に、認知症なんだって。

さとみ

…は?

眉をひそめながら

ぽかんと口を開ける。

信じられなかった

いや…

信じたくなかった

ころんが

俺の愛しの人が

認知症だなんて…

ころん

今はまだ大丈夫だけど、時間が経てば

ころん

そのうち、さとみくんのことも忘れちゃうのかもしれない…。

ころん

酷いこと言っちゃうかもしれない…。

ころんの指が

震えているのが

手に取るように分かった。

俺はそっと

指を包み込むように

優しく握る。

さとみ

大丈夫、ころんが俺の事忘れたとしても

さとみ

俺は変わらず、お前のこと好きだよ。

ころん

さとみくん.....。

大きくぱっちりとした

ころんの瞳から

涙が溢れてくる。

俺はぎゅっと

目の前で泣いている恋人を

抱き締める。

さとみ

大丈夫だよ、大丈夫。

ころん

うん…。

そう言いながらも

俺は不安と悲しみで

押し潰されそうだった。

いつかころんが

俺のことを忘れて

邪魔者扱いされたら

どうしよう

暴言を浴びせられたら

どうしよう

考えただけでも

視界がグラグラしてくる。

俺は目を瞑り

そっところんの

柔らかい髪の毛を

撫でるのだった。

あれから

ころんの認知症は

どんどん進んでいき

色々なことを

忘れるようになった。

昨日の出来事や

家のトイレの場所

遂には

自分のことすら

忘れるようになっていった。

ころん

さとみくん…いつも迷惑かけてごめんね。

さとみ

何言ってんだよ。

ころん

ごめん。

最近は

自分のした事を

すぐ忘れてしまうので

謝ることが

ころんの口癖になっていた。

俺が大好きだった

笑顔も

今は見せてくれることは

無くなっていった。

さとみ

ころん、大丈夫か?

ころん

......

さとみ

ころん?

ころん

えっ、な、なに!?

さとみ

なにボーッとしてんだよ?

ころん

あ、ご、ごめんね。

さとみ

何かあったのか?

ころん

な、なんもないよ!?

目の下のくまも酷いし

やつれてきているし

目だってパンパンに

腫れている。

何も無いわけないだろ

思わず顔をしかめる。

そんな俺の顔を見た

ころんは

今まで以上に

悲しそうな顔をする。

はぁ

そんな顔したいのは

俺の方だっつーのに。

俺の気も知らないで

自分だけが辛いみたいな

顔をしているころんに

とてつもなくイラついた。

最近の俺は

何に対してもイライラするし

ため息ばかり

するようになっていた。

この作品はいかがでしたか?

720

コメント

8

ユーザー

うぅ辛い(´;ω;`) 辛すぎる

ユーザー

1番最後から3番めの言葉分かります、

ユーザー

フォロー失礼します!!! 凄く表現が上手くて感情がよくわかります!!

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