あれから俺は
仕事を辞めた。
どんどん物忘れが
酷くなっていく
ころんを支えるためだ。
だが、もちろん
働かなければ
お金は入ってこない。
今までは貯金を切り崩して
なんとか生計を立てていたが
もうすぐで貯金は
底を尽いてしまう。
そんな日々が続いたある日
ころんの両親が
急に現れたのだ。
さとみ
父親
さとみ
母親
母親
さとみ
なぜだか分からないが
嫌な予感がした。
お義父さんもお義母さんも
顔をしかめて
俺を見るからだ。
父親
父親
さとみ
意味が分からなく
ただ呆然と聞いているしか無かった。
そんな俺を見た二人は
真っ直ぐと俺を見つめ
きっぱりと言った。
父親
父親
さとみ
母親
さとみ
さとみ
さとみ
さとみ
俺はおでこを床につけ
精一杯の土下座をする。
それでも二人の
考えが変わってくれるはずもなく
二人はただただ
俺の土下座を冷酷な目で
見つめてくる。
父親
母親
母親
さとみ
俺は額を床につけたまま
ひっそりと静かに
一粒の涙を流すのだった。
その夜
俺ところんは
夜の街を並んで
歩いていた。
ころん
さとみ
ころん
さとみ
さとみ
ころん
それからしばらく
俺たちの間に
沈黙が流れた。
横目でチラッと
ころんを見つめる。
綺麗に輝いている
イルミネーションに
照らされたころんは
いつも以上に綺麗で
それが余計に
俺の心を締め付ける。
さとみ
ころん
さとみ
ころん
さとみ
これ以上追求すると
ころんを困らせることになる。
そう悟った俺は
静かにイルミネーションを見る。
ころん
さとみ
ころん
さとみ
ころん
ころん
さとみ
そう言いながら
涙で顔が濡れている
ころんを
俺はギュッと抱き締める。
さとみ
ころん
涙が頬を滴り落ちる。
大きな瞳で
俺を見つめるころんを
俺は視界が滲む中
見つめるしか出来なかった。
ころん
さとみ
さとみ
ころん
さとみ
無数の星が
空を埋め尽くす下で
俺たちは二人で
涙を流すのだった。
コメント
6件
感動だ~(;_;)最高でした!✨
フォロー失礼します! 感動して涙が...
うわぁぁあ…ッ… ばいばいはやだなぁ…() 神だし尊いけど切ない…😢