お母さんへ、
産んでくれてありがとう。
私、今すごく幸せだよ。
ごめんね、
高校の時、 ろくに手伝いもしないで、
暴言吐いて夜遊びして…
部屋、片付けなくてごめんなさい。
あんなに「片付けなさい」って言われてたのに…
お父さんが死んだ時、当たり散らして本当にごめんなさい。
お母さんの寝顔をたまたま見た時、
幾筋もの涙の跡に、初めて気づきました。
お金使わせてごめんなさい。
「教材買う」って言って、
結局そのお金は、全部友達との夜遊びに消えていたんです。
─「ごめん」が言えなくて、ごめんなさい。
死ぬ程謝っておけばよかったなぁ…
ヤヨイ
ヤヨイ
ねぇお母さん。
ヤヨイ
私ね、結局シンジくんと結婚出来たんだ。
ヤヨイ
大学の時に私が一目惚れして、
ヤヨイ
お母さんに恋愛相談乗ってもらってさ…
ヤヨイ
「恋に必要なのはタイミングと勇気」って、教えてくれたよね。
ヤヨイ
アレのおかげだよ…
ヤヨイ
伝えなかったことに、死ぬ程後悔してるんです。
ヤヨイ
だから…さ、
もう一度目を開けて、 私の「ごめん」を、
ヤヨイ
ヤヨイ
…聞いてよぉ…
私は棺に縋り付き、
「あの頃」のように、大泣きした。
─もう、泣いてても、
「大丈夫、ヤヨイは強い子」と言ってくれる母は、
ピクリとも動かない。 頭も撫でてくれない。
─でも、今だけ、 泣かせてください。
何度だって、「ありがとう」って、言わせてください。
ヤヨイ
お母さん…
ヤヨイ
大好きだから…!!
…お母さんも、
ヤヨイが大好きだよ─。