テラーノベル
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主
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君が消えてから、俺は毎日、街をさまよった。
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君と初めて出会ったカフェ、二人でよく散歩した公園、君が「一番好き」と言った丘。
君がいた場所に行けば、何かが変わるのではないかと、漠然とした期待を抱きながら。
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しかし、どの場所も、ただ時間が止まったかのように、君のいない静けさを湛えているだけだった。
それでも、俺は歩き続けた。君が残した小さな足跡をたどるかのように。
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そこには、君が見た世界の美しさがぎっしりと描かれていたはず。
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スケッチブックを開くと、そこには驚くほど鮮やかな色彩が広がっていた。君が見つめた空の青、咲き誇る花の赤、木々の緑。ページをめくるたびに、色を失っていた俺の世界に、少しずつ色が戻ってくるような気がした。
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俺は、スケッチブックを抱きしめた。
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君は物理的にそこにいなくても、君が残してくれた愛や感動は、確かに俺の心の中に息づいている。俺はそう気づいた。
君が描いた絵に触れるたび、私は君の眼差しを通して世界を見つめ、君の温かさを感じることができたんだ。
空は、まだ完全な色を取り戻したわけではないが、それでも、以前よりもずっと明るく見えるようになりました。君がいない世界でも、俺は君の残した光をたよりに、生きていける。そう思えた、初めての日だった。
コメント
1件
3つ書けるの凄すぎます! 出かけてて見るの遅れましたが 神作ありがとうございました!