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議論が、 始まった瞬間だった。
えと
その問いに、 誰も答えない。
——言えない。 言った瞬間、狙われる。
沈黙が、 また落ちる。
その時。
莉犬
莉犬が、 端末を見つめて眉をひそめる。
莉犬
ころんも、 端末を見る。
……ない。
今まで表示されていた、 発言履歴が—— ごっそり消えている。
ジェル
えと
その言い方が、 あまりにも軽すぎた。
さとみ
さとみは、 端末を伏せる。
さとみ
えと
さとみ
さとみ
確かに。
ななもり。の誘導。 えとの反応。 ころんの通知。
——核心に近づいた部分だけが、 綺麗に消えている。
ころん
その言葉を出した瞬間。
えとが、 ぴたりと動きを止めた。
えと
視線が、 鋭く突き刺さる。
ジェル
ジェル
えと
莉犬
莉犬の声は、 震えていた。
さとみ
さとみ
その言葉に。
空気が、 一気に冷えた。
端末が、 同時に震える。
【ログ修復:失敗】 【議論内容の一部は、 永久に失われました】
……永久。
つまり、 “真実”の一部は、 もう戻らない。
えと
——できない。
それが、 狙いだった。
疑う材料は、 削られ。
疑いだけが、 残された。
【投票時間まで:残り五分】
誰かが、 小さく呟く。
……村、壊されてる。
そして。
壊してる“誰か”は、 まだ—— ここにいる。