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障子をあければ庭が見え

そこからもれる太陽の光

カリンの木に咲く小さな桃色の花

花壇に植えられた春の花

白い花はイベリス

オレンジの花はキンセンカ

空はどこまでも青く澄んでいた

『木犀の間』

祝宴が行われる店で1番大きい部屋

俺は今、そこにいる

青と白の衣を纏い

ただ庭を見つめて

緊張してる?

そう声をかけられた

声の主はわかっている

きんとき

そう…、ですね

視線は庭に向けたまま答えた

きんとき

緊張というより、少し寂しいです

きんとき

ここでお世話になっていましたから

……そっか。

きんとき

なんですか、急に

最後に嫌味でも言いにきたのか

さぁ、なんでだろう

祝辞かな

おめでとうって

嫌味でしかない

どういうつもりなんだ

きんとき

まだ祝宴は始まりませんよ

いや別に、あなたは

祝宴に招待されるわけもないけど

きんとき

Broooock、さん

Broooock

そうだね〜

きんとき

…………あの、

きんとき

よく普通に話に来れますね

俺を置いて行ったくせに

俺の話も聞こうとしなかったくせに

Broooock

僕そういうの気にしないし

Broooock

結局祝宴で会うし

きんとき

どうしてですか

なんでただの警察が

こんな遊郭の一角の祝宴に来るのだろう

Broooock

ほら僕らっだぁさんと…、友達

Broooock

店に一緒に来たでしょ、

……確かに

いやでも友達だけど参加できるのか…?

てからっだぁさんとどういう関係…

もうわかんないんだけど

Broooock

…まあこれはまた今度でいっかボソッ

きんとき

………?

Broooock

んーいや、なんでもないよ〜w?

Broooock

あ時間だ〜

Broooock

じゃあまた祝宴で

そういうと部屋を出て行ってしまう

本当になんだったんだ…

話の切り方雑だし

振った相手にそのノリで

話しかけてくるって…

変な人だな、

本当に。

Broooock

ちょっかいかけてきましたw

らっだぁ

お前ねぇ、嫁入り……

らっだぁ

いや身請け前か

らっだぁ

そんな時にちょっかい出すな

らっだぁ

あとどっか行くな

Broooock

すいませ〜んw

最後に見たくなっただけ

もう見えなくなるんだし

ここでのきんときの顔を

らっだぁ

今日ぐらいはしっかりしなよ

そういって僕のネクタイを締める

Broooock

なんか人にやられると

Broooock

新婚みたいなんですけどw

らっだぁ

それ俺が嫁側じゃん

Broooock

らっだぁさんが嫁はやばいですね〜w

Broooock

家事できなさそう

らっだぁ

うわ、失礼だわーこいつ

らっだぁ

家事ぐらいできるっての

軽いノリで話しながら部屋を出る

らっだぁ

でもまあ

らっだぁ

きんちゃんはいい嫁になるよな〜

らっだぁ

家事できそう

Broooock

いやいやwああいう子は

Broooock

料理できないと思いますw

らっだぁ

他ができればいいじゃん

Broooock

それいい嫁ですかね…w

らっだぁ

いいんだよ……、

それだけ言って口を閉じ

じっと僕の方を見てため息をつく

らっだぁ

ほんと、

僕から目を逸らし

らっだぁ

いよいよって感じだよな〜

そう呟く

らっだぁ

俺のきんちゃんが……。

らっだぁ

そうじゃなくなっちゃうのかー…

Broooock

……そうですね

元々誰のものでもないんだけど

あながち間違いではない

ここの遊男はらっだぁさんの"者"

らっだぁ

きんちゃん、幸せだったかな

Broooock

どうでしょうね~

らっだぁ

……お前、素直な時と

らっだぁ

そうじゃない時の差が激しい、

僕は素直ですけど~

別に捻くれてないし、

らっだぁ

人の幸せは俺の幸せって

らっだぁ

ことになってるからさ

らっだぁ

ここにいて幸せだったらいいな〜

Broooock

…幸せだったと思いますよ~

らっだぁ

へー…じゃあ

らっだぁ

お前は?

Broooock

僕ですかw?

らっだぁ

人の幸せは俺の幸せ

らっだぁ

人って事はお前もなのー

Broooock

僕、の…

僕の幸せ、か

なんだろう

next_♡2000

次回最終回(仮)です

白尾町遊郭街の遊男子【#1続】

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コメント

6

ユーザー

いや、こんな神作品作れるの凄くね!?って後になって気づいてコメントしに来ましたね。私だったら絶対考えられないようなストーリーで危うく涙が出そうでした……続き待ってます!頑張ってください✨️

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