テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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もしも私が鳥になれたら。

第2話 - ①秘密の関係

2022年11月27日

#一次創作

#もしも私が鳥になれたら。

#オリジナル

#重い

F/えふ🍀🌙

晴菜

は、初めまして…
ここの学校に転校してきました…

晴菜

えっと…

晴菜

楠木晴菜…です…

晴菜

よ、よろしくお願いします…

生徒

なんかあの子、静かだね〜

生徒

軽く行ったら落ちそうじゃね？

生徒

だよな笑
オレ行ってみよっかな笑

晴菜

…

先生

じゃあ…楠木さんの席は、あそこね。

先生

窓側の一番端の席。

先生

えっーと…

由希

…

先生

草花由希さんのお隣よ

由希

ﾆｺｯ

晴菜

わぁ…綺麗な子…

席に着く

由希

さっきも先生が言ってた通り、
草花由希です。よろしくね！

晴菜

よ、よろしくお願いします

晴菜

（ヤバ…どうしよう…）

生徒

草花さん！

晴菜

あ、は、はい…

生徒

質問なんだけど、どこから来たの〜？それになんで転校してきたの〜？

晴菜

えっと…親の都合で…

生徒

へぇー！
てかその上着可愛い〜
どこで買ったの？？

晴菜

えっと…前の方で…

生徒

そうなんだ！
じゃあ親はどこで働いてるの！？

晴菜

え、えっと…その…

生徒

てか髪ツヤツヤ〜！

生徒

いいなー！なんのシャンプー？

生徒

ていうかLIMEやってる？クラスラインに招待しとくよ！

生徒

今日の放課後カラオケとかどう？

晴菜

えっ、あの…っ

由希

ちょっとちょっと〜笑

由希

楠木さん困ってるよ〜？

由希

順番で質問してあげなよ笑

生徒

あ、ごめん。

晴菜

い、いや…全然…

生徒

私から！

生徒

さっきも言ったけど、放課後カラオケ行かない？みんなで！

生徒

いいねー！行く〜！

生徒

由希はー？

由希

うーん。私かぁ

生徒

ゆっちゃんも行こーよ！

生徒

そうだよ！ゆっきーも行ったら絶対楽しいって〜！

由希

うーん、ゴメンね〜
今日は遠慮しとこうかな〜

生徒

えぇー、そっか〜…

生徒

…楠木さんは？

晴菜

あっ…えっと…
私も…いいです…

生徒

そっかー。

ここは空き教室

今はお昼の時間

晴菜

…ここは落ち着くな。

邪魔なものが目に入らないで

凄く

気楽に過ごせる。

晴菜

今日からお昼スポットか

晴菜

…みんなきっと…

晴菜

「ノリ悪い」って…

晴菜

思ったよね…

ガラガラ…

晴菜

えっ？

晴菜

草花…さん？

由希

楠木さん…どうしてここに？

草花さんは、驚いたように、だけど冷静に、私に聞いてきた

晴菜

えっと…お昼を食べに…
その…草花さんもここで食べるなら…私は別のところで…

由希

あっ待って！

由希

ここで良い！大丈夫！

晴菜

えっ？

由希

…私も…楠木さんも…

由希

ここで食べよう。

晴菜

…分かり…ました…

由希

…楠木さんって、1人が好きなの？

晴菜

えっ？なんでそれを…

由希

…まぁ、なんとなくかな…

由希

人と触れ合ってきてるから…

晴菜

そうなんですか…

由希

その…

晴菜

は、はい。

由希

楠木さんと私って…

何だか似てるような気がしたんだ

晴菜

…え？

由希

急にこんな事言うのもどうかと思うけど…

由希

楠木さんは、感じない…よね…

由希

ごめんね…

晴菜

…なんで似てるんだろう

由希

…え？

晴菜

私と草花さんって…

晴菜

正直、真逆だから…

晴菜

だから…なんでこんなに違うのに

晴菜

こんなに似てるんだろうって。

由希

…ホント…なんでだろうね。

由希

私は…私はただ…

晴菜

…ただ？

由希

…あっ、やっぱりなんでもない！

由希

それより、私、楠木さんと話すの好きだな。

晴菜

え？えええっ！？

由希

ふふっ、だから、また一緒にここで話そうよ。楠木さん。

晴菜

…もちろんです。

それから私たちは

お昼にここに来て、一緒に食べて

話すことが日課になっていた

由希

ねぇ、楠木さ…

晴菜

どうしたんですか？

由希

…なんかさ、こんなに仲良くなったのに、敬語って勿体なくない？

晴菜

え？

由希

せっかくだから、苗字呼びもやめて、敬語も外して、軽く行こうよ？

晴菜

…えっと…つまり？

由希

私は晴菜って呼ぶってこと！

晴菜

じゃあ、私は…

晴菜

由希ちゃん…でいいかな…

由希

もっちろん！

私たちは次第に

仲良くなっていった。

由希

晴菜、それってなに？

晴菜

え、これ？

晴菜

あっ…その…
スケッチブック…

由希

へぇー、絵描くの好きなんだ？

晴菜

あぁ…いや、別に…

由希

えっ？じゃあなんで…

晴菜

あの…メモ帳代わりにしてるんだ。

由希

メモ帳…？珍しい使い方だね…？

晴菜

あはは…まぁ…うん…

由希

でも私は絵描くの好きだよ

晴菜

そう、なんだ。

由希

でね──────

私には、誰にも言えないあるひとつの"悩み"がある

それは…

晴菜

…♪

生徒

おいー、やめろよー！笑

生徒

うっせー！ギャハハ！

私がまた、小学生の頃。

その日はやけに教室が騒がしかった。

生徒

おい！ホントにやめろ！

生徒

黙れよ！おれよりもテストの点数低いくせにー

生徒

は？ふざけんなよ！

ある時、クラスの男子達がケンカを勃発された。

生徒

ちょっと男子たち！やめてよ！

生徒

うるせぇ！お前らはだまってろ！

生徒

いたっ！酷い…！

生徒

ホントになにやってんの！
くだらない喧嘩はやめてよね！

生徒

うるせぇって言ってんだろ！

ドンッ

1人の男子が近くのイスを蹴った。

生徒

きゃあ！…っ…いったぁ…ッッ

生徒

邪魔なんだよ！

晴菜

…

生徒

暴れんなよ！オレ達を巻き込むんじゃねぇよ！

生徒

は？黙れ！

胸ぐらを掴む

そして、それを放した瞬間

晴菜

…あ…！

私の描いていた絵に

鉛筆の長い線が引かれていた

晴菜

そんな…！

生徒

いってー…おいてめぇ！

生徒

じゃ…なんだよその絵…笑

晴菜

…！

生徒

長い線引かれててなんか変だな笑

生徒

おい！なにやってんだよ！
まだ話は終わってねぇーぞ！

生徒

は？うるせぇーな。

晴菜

…っ

先生

ちょっと！何事！？

生徒

先生！こいつが！

生徒

先生ー！男子たちがー！

生徒

はぁ。お前のせいで酷い目にあったわ。

晴菜

…えっ…私…？

生徒

てかホントなんなんだよ笑
さっきの絵…笑

生徒

ちょっと！そこ！
晴菜ちゃんに突っかかるのやめな！

生徒

相変わらずうっせぇーな。

晴菜

…っ

先生

図工の時間を始めます。

先生

今回は、グループになって描いてもらいます。

先生

それでは絵を描き始めてください

晴菜

…（嫌だな）

晴菜

…でも頑張ろうっと…

生徒

晴菜ちゃんから描こうっと！

晴菜

…

生徒

…難しい…ねぇ、晴菜ちゃーん

晴菜

…

生徒

晴菜ちゃん？

晴菜

…

生徒

晴菜ちゃんってば！

絵を覗き込む

晴菜

えっ？わわっ！

生徒

…誰これ？

晴菜

あ…その…

生徒

もしかして…わたし？

晴菜

…う、うん。

生徒

…ひどい。

晴菜

…え？

生徒

ひどい…私、こんな顔じゃない…

晴菜

…えっ、その…

晴菜

ご、ごめんね…

生徒

…晴菜ちゃん酷いよ…

生徒

晴菜ちゃんの絵なんて…

大嫌い！

晴菜

…！？

その時、私の何かが、プツンと切れた。

ショックで何を言われたか分からない。

みんなの声も聞こえない。

私…私の絵で…

"誰かを不幸にした"…？

私があんな絵なんて描かなければ…

今は絵なんて描ける状態じゃない

"大嫌い"って言われた。

…大嫌いって思われたなら…

私は…

"絵なんてもう描かない"

誰かを不幸にするなら…

絵なんて描かない…描きたくない…

生徒

（睨む）

晴菜

…っ！

私は思わず教室から逃げ出した

先生

ちょっと！？なにがあったの！？

生徒

せんせー…実は…

由希

晴菜？どうしたの？

晴菜

え？

由希

なんかボーッとしてるけど…

由希

もしかして体調悪い？

晴菜

いや！全然！大丈夫だよ

由希

そう？それならいいんだけど…

晴菜

（心配はかけたくない）

晴菜

…？

今日は由希ちゃん… 来ないな…

晴菜

探しにい…

ちょっと！まってよ！

晴菜

…え？

晴菜

なに…？

ドアの隙間から覗いてみよう…

由希

別にいいじゃん！

生徒

なんでよ！最近は全然私たちと一緒にお昼食べてくれないし！

生徒

由希、なにか隠してるでしょ！

由希

…何も隠してないよ！気のせいだって！

由希

今日くらいは許して！ね！

生徒

いくら由希でも酷いよ…なんで言うこと聞いてくれないの…！

由希

…だからっ！

晴菜

（え？どういうこと？）

晴菜

（もしかして、喧嘩、してる？）

生徒

なんで！意味わかんない！
親友優先でしょ！

由希

なんでわかってくれないの…！
だから私は…！

晴菜

（どうして？理由は？）

晴菜

（とりあえず由希ちゃん、落ち着いてよ。ねぇ。由希ちゃん？）

由希

だから！！たまには別々で過ごしてもいいと思うってことなんだけど！

生徒

そう思った理由は？

由希

シンプルに、そう思ったから！

晴菜

…

2人は1歩も譲らず、お互い睨み合っている

由希

もういい！私行くから！

生徒

ちょっと！待ってよ！

生徒

どうせ楠木さんのせいでしょ！

わた…し…？

由希

…っ

ガラガラ

晴菜

あっ…！！

由希

…！！
は、晴菜！

晴菜

…由希…ちゃん…

生徒

…なに？どういうこと？
なんで名前呼びなの？

由希

…

晴菜

…それ…は…

由希

…

歩き出そうとする由希

生徒

ちょっと待ちなさいよ！

足が止まる由希

由希

…

生徒

ねぇ、由希？嘘だよね？
私たちに嘘ついてたって。

生徒

どうせこいつからなんか言われてるんでしょ？陰キャのくせに、由希に命令してるんだよね？

由希

…っ！
そんなんじゃない…っ！！！

晴菜

…由希ちゃん…っ

生徒

由希…！やっぱりおかしいよ…、

由希

…私に！関わらないで！

生徒

…！？

晴菜

由希ちゃん…っ！
…ついてきて！！！

由希の手を掴む

由希

…！

晴菜

はぁ…ッ…はぁ…ッ

晴菜

ここまで来れば…大丈夫…かな…

由希

晴菜…

晴菜

由希ちゃん、大丈夫？

由希

あ…うん…

晴菜

あの…

由希

？

晴菜

何があったか、教えてくれない？

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