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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ピピピピッ

うるさく、携帯のアラームが鳴る。

沙恵(さえ)

(ああもう....うるさいな...)

そして、だるそうに私はアラームを消す。

沙恵(さえ)

今...何時だ?

そして、時計は4:00を指している。

沙恵(さえ)

やば!4:00じゃん!

沙恵(さえ)

(もうちょっと寝よ...)

心はそう思っていても、体はムクッとだるそうに起き上がる。

沙恵(さえ)

(えっ!?なんで寝れないの...?)

沙恵(さえ)

(体が言うこと聞かない...!)

沙恵(さえ)

(まだ、学校の時間じゃないのに...!)

そして私の意思は聞かぬまま、鏡の前に立つ。

そして、私は言葉を失った。

鏡の前には、広瀬ゆずの姿があった。

広瀬ゆず

えっ...!?

広瀬ゆず

私もしかして、広瀬ゆずになってる...!?

でも確かに、意識は沙恵のままだ。

広瀬ゆず

(これもしかして....)

広瀬ゆず

(人物乗っ取りアプリの効果...!?)

広瀬ゆず

(つまり、広瀬ゆずになれちゃったってこと...!?)

私は、心が高まった。

広瀬ゆず

(広瀬ゆずになれるなんて...!)

広瀬ゆず

(どんな1日になるんだろう)

広瀬ゆず

(楽しみだなぁ)

広瀬ゆず

(...それにしても、眠いな...)

広瀬ゆず

ふわぁぁあ〜

私は大きなあくびをして、支度をした。

05:00

朝の5時。マネージャーさんらしき人の運転で、私は撮影現場に向かっていた。

マネージャー

今日のスケジュール、頭に入ってますよね?

広瀬ゆず

はい。5:30から撮影開始ですよね。

マネージャー

そうです。
1分でも遅刻したら監督に怒られるので注意してください。

広瀬ゆず

はい。

口は勝手にスムーズに動くが、私は凄く驚いていた。

広瀬ゆず

(凄い...こんな分刻みなんだ)

広瀬ゆず

(にしても、眠すぎる...)

マネージャー

あと、あくびもあまりしないでください。

マネージャー

今日はシビヤな場面なんです。
緊張はしっかり持ってください。

広瀬ゆず

はい。わかりました。

広瀬ゆず

(うわぁ...表情まで管理されてるんだ...)

広瀬ゆず

(女優ってすごいな...)

どこか、息苦しく感じた。

5:30

マネージャー

おはようございます。

広瀬ゆず

監督、おはようございます。

監督

........

監督は、返事をしないで台本を黙って読み込んでいる。

広瀬ゆず

(えっ、挨拶返さないの?)

広瀬ゆず

(何この人、感じわる....)

スタッフ

すみません、広瀬さん。
こちらの方へ、よろしくお願いします。

広瀬ゆず

はい、わかりました。

そして私は、スタッフの人に言われるがままに行動をした。

スタッフ

じゃあ本番までー!

スタッフ

3!2!

広瀬ゆず

広瀬ゆず

...私のこと、どう思ってるの?

広瀬ゆず

ミキのことが好きなの?

俳優

...違う

俳優

俺は、お前が好きなんだ。

広瀬ゆず

(私、この俳優さんちょっと苦手なんだよな...)

広瀬ゆず

(髭がなんとなく、好きじゃない...)

広瀬ゆず

嘘でしょ、そんなわけない!

俳優

若菜!

グイッ

広瀬ゆず

!?

私は、苦手な俳優さんに抱き寄せられる。

広瀬ゆず

(えっ、ちょっ.....)

広瀬ゆず

(嘘でしょ...!?)

ブチュッ!

広瀬ゆず

ーっ!!!

そして、無理やりキスをされた。

監督

カーーーット!!

私はカットが入った瞬間に、自分の口を右手で拭く。

広瀬ゆず

(はぁぁ!最悪!)

広瀬ゆず

(キスシーンあったの知らなかった...)

広瀬ゆず

(それにしても、髭がジョリジョリして気持ち悪い....!!)

監督

..........あのさ、もう一回このシーンやってくれる?

広瀬ゆず

(え!?)

監督

もっとこう、情熱的なのがいいんだよね

広瀬ゆず

(十分情熱的だったでしょ!!!)

監督

はい、やり直し

広瀬ゆず

はい、わかりました

広瀬ゆず

(このクソ監督め!!!!)

感情を押し殺して、監督の言われるがままにもう一度取り直した。

9:00

スタッフ

...はい、それでは今から休憩に入りたいと思います!

広瀬ゆず

(はぁ...やっと休憩か...)

ふぅ...とため息をついて、 私はパイプ椅子に座った。

広瀬ゆず

(ちょっと1人の時間が欲しいな...)

広瀬ゆず

(こうして、ゆっくりお茶をずっと飲んでいたい...)

すると、マネージャーが駆け足でこちらにやってきて、小声で何か話す。

マネージャー

ゆずさん!今日のお相手の俳優、会うの初めてですよね?

広瀬ゆず

はい、そうですけど....

マネージャー

でしたら、積極的にコミュニケーションをとって仲良くなってください!

マネージャー

これからまだまだ俳優さんとのシーンありますので

広瀬ゆず

(え!?そんなことしなきゃならないの!?)

広瀬ゆず

(休憩の時間、ほぼないじゃん...)

広瀬ゆず

そうですよね!私、話しかけてきます!

私の意思とは反対に重い腰を上げ、俳優さんに話しかけに行く。

広瀬ゆず

(こんなの、休憩じゃないじゃんか...)

広瀬ゆず

(女優って本当に大変だな...)

12:00

スタッフ

はい、本日の撮影はここで終了です!

スタッフ

お疲れ様でした!

広瀬ゆず

お疲れ様でした〜!

マネージャー

お疲れ様でした。

マネージャー

さっ、ゆずさん、次の仕事場へ向かいましょう!

広瀬ゆず

(え!?まだあるの!?)

13:30

カメラマン

はい、広瀬さんこっち向いてください!

カシャッ カシャッ カシャッ

広瀬ゆず

(うっ....眩しいっ.....!)

カメラマン

いいですねいいですね〜

カメラマン

ちょっと、角度変えてみましょうか!

カシャッ カシャッ カシャッ

カメラマン

はいっ、おっけ〜!

カメラマン

じゃ、次の衣装に着替えてください!

広瀬ゆず

(え!?また着替えるの...!?)

広瀬ゆず

(これで着替えるの5回目なんだけど...)

広瀬ゆず

はい、着替えてきます!

そして私は、さっき着替えたばかりの洋服を変えに行く。

広瀬ゆず

(これ、いつまでやるんだろ...)

17:00

スタッフ

はい、お疲れ様でした〜!

広瀬ゆず

お疲れ様でした〜

マネージャー

お疲れ様でした。

マネージャー

ゆずさん、順調に進んだので、本日のお仕事はこれで終了です。

広瀬ゆず

(や、やっとか...)

マネージャー

ゆずさん、本当にお疲れ様でした!

広瀬ゆず

お疲れ様でした〜!

広瀬ゆず

(さ、帰ろ...)

マネージャー

あ、ゆずさん!

広瀬ゆず

はい?なんでしょう?

マネージャー

明日もドラマの撮影があるので、台本をよく読み込んでおいてくださいね

広瀬ゆず

(え!?帰ってからも!?)

広瀬ゆず

(もうクタクタで、そんな余裕ないよ...)

広瀬ゆず

はい、わかりました!
よく読んでおきますね!

私はニコッと笑って、その場を一目散に離れ、タクシーにのって帰った。

沙恵(さえ)

はっ...!

気づくと、私は自分の部屋で意識が戻った。

フッと、自分の世界に戻ってきたような感覚だ。

沙恵(さえ)

こ、これ体験終了ってこと...?

時計を見ると、時間は進んでいなかった。

沙恵(さえ)

わ、私確かに1日経験したのに!
時間も日付も、体験をした日そのまま...

沙恵(さえ)

こ、これどうなってるの...!?

私は、人物体験アプリからの通知を急いで開いた。

人物乗っ取りアプリ

お楽しみ頂けましたでしょうか?

人物乗っ取りアプリ

尚、当アプリの使用は1日1回となっておりますので、ご了承ください。

人物乗っ取りアプリ

この人物になることを希望しますか?

沙恵(さえ)

ちょっと!これ、どうなってるんですか?

人物乗っ取りアプリ

※このメッセージは自動的に送られているものです。
そのため、返信を頂きましてもご返答しかねますので、ご理解の程をよろしくお願い致します。

沙恵(さえ)

ちゃんと説明してください!

人物乗っ取りアプリ

※このメッセージは自動的に送られているものです。
そのため、返信を頂きましてもご返答しかねますので、ご理解の程をよろしくお願い致します。

沙恵(さえ)

(だ、だめだ...)

沙恵(さえ)

(何を送っても、このメッセージしか送られてこない...)

沙恵(さえ)

(拉致が開かないから、とりあえず「はい」か「いいえ」で答えなくちゃ...!)

沙恵(さえ)

(二度と、人気女優なんかなってたまるものか!)

沙恵(さえ)

いいえ

人物乗っ取りアプリ

承知いたしました♪

人物乗っ取りアプリ

またのご利用を、お待ちしております♪

沙恵(さえ)

......

私は呆然とする。

沙恵(さえ)

(な、なんだったんだ本当に....私、寝ちゃってたのかな?)

沙恵(さえ)

(でも、時間は進んでないしな...)

お母さん

さえー!ご飯できたわよー!

お母さん

さえー?部屋にいるんでしょー?

沙恵(さえ)

は、はぁい!

私は急いで、母の元へ向かった。

人物乗っ取りアプリ(体験版)

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