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私は、昨日の出来事を思い出してぼーっとしていた。

動揺しているせいもあってか、通常よりとても早い時間に学校についてしまった。

蘭(らん)

おはよ〜沙恵、今日早いね?

沙恵(さえ)

........

蘭(らん)

沙恵?

蘭(らん)

....

蘭(らん)

さーえ!!!

沙恵(さえ)

わっ!?

沙恵(さえ)

び、びっくりした...

蘭(らん)

だってぜーんぜん気づかないんだもん

蘭(らん)

今日早いね、どうしたの?

沙恵(さえ)

い、いやなんでもないけど...

蘭(らん)

ふーん....?

蘭(らん)

......あと何か考えてるみたいだけど...悩み事でもあるの?大丈夫?

沙恵(さえ)

いや、そんなわけじゃないよ!

沙恵(さえ)

(いや、なんでもなくはないけど)

沙恵(さえ)

(あのアプリのことは、まだ誰にも黙っておこう...)

蘭(らん)

....そう?

蘭(らん)

まぁ、無理して言えとは言わないけどさ

蘭(らん)

なんか困ってることあったら、溜め込まずに言うんだよ?

沙恵(さえ)

うん、蘭ありがとう

沙恵(さえ)

(本当に蘭は優しいんだな...)

蘭(らん)

ううん!いいのよ!

蘭(らん)

...てか、それにしても暑いね今日💦

沙恵(さえ)

本当だよね、暑すぎる...

蘭(らん)

ちょっと、一瞬だけ外でない?

蘭(らん)

教室にいる方が暑いよ💦

蘭(らん)

涼みに行こ!

沙恵(さえ)

あ、いいね

沙恵(さえ)

そうしよ!

そして、私と蘭は教室を後にした。

私と蘭は、日陰のベンチに腰を下ろす。

蘭(らん)

ふぅ〜!!

蘭(らん)

やっぱ日陰は涼しいな〜

沙恵(さえ)

本当だよね

蘭(らん)

うんうん!

蘭(らん)

というか最近さ、沙恵、高野とどう?

沙恵(さえ)

ううん...まだ話せてない

蘭(らん)

えええ、まじ?

高野くんとは、蘭の幼馴染。 そして、私の好きな人でもある。

沙恵(さえ)

どうやって話しかければいいかわかんなくて...

蘭(らん)

話しかける内容はさ、何でもいいんだよ

蘭(らん)

私、高野と沙恵、お似合いだと思うけどなぁ〜

私は、知っていた。 高野くんは、蘭のことが好きだってことに。

けど、蘭は何も知らない。

でも不思議と、その事実はスッと受け入れられた。

だから私は、蘭のこと恨んだり、嫉妬をしたりしなかった。

沙恵(さえ)

(だって、完璧な蘭なんだもん。そりゃあ高野くんも、蘭のこと好きになるよね。)

蘭(らん)

てかこれ、買ってきたんだけど飲む?

蘭はそう言って、私に小さい牛乳パック型をしたミルクココアを差し出した。

沙恵(さえ)

ミルクココア?

蘭(らん)

そ!ミルクココア!

蘭(らん)

冷たいやつだよ、飲む?

沙恵(さえ)

飲むけど...汗かいてる時に飲むものではないんじゃ...?

蘭(らん)

あははっ笑
そうだよね

蘭(らん)

けどね、なんか飲みたくなるんだよね

蘭(らん)

こればっかり飲んでる笑

沙恵(さえ)

へぇ...そうなの?

私は不思議な顔をしてみせると、 水滴がついたミルクココアを一口飲んだ。

ゴクリッ

沙恵(さえ)

あ....案外美味しい

蘭(らん)

でしょ〜?

蘭(らん)

これ、コンビニで売ってるから今度買ってみて笑

沙恵(さえ)

うん、そうするね笑

ミャー

蘭(らん)

あ!猫!

私達が座っている隣のベンチの下で、猫が涼んでいた。

蘭(らん)

ねねみて、猫いるよ

沙恵(さえ)

あ、本当だね

蘭(らん)

かわいい〜!

蘭(らん)

...あーあ、猫になれたらいいのになぁ

沙恵(さえ)

ね、猫?

沙恵(さえ)

どうして?

蘭(らん)

だってさ、こうやってのんびり過ごすだけでいいじゃない?

蘭(らん)

それに、自分の意思で、自由に好きな場所に行ってさ...

蘭(らん)

はぁ.......いいなぁ.....

沙恵(さえ)

確かに.....

私は、「人物乗っ取りアプリ」を思い出した。

沙恵(さえ)

.....それも、そうかもね

キーンコーンカーンコーン

そして、朝礼が始まる音が鳴る。

蘭(らん)

あ、やば!もうこんな時間!

蘭(らん)

担任くるよ!教室戻ろ!

沙恵(さえ)

あ、うん!

私と蘭は、足早に教室へ戻った。

学校帰り

そして今日もただただ1日が過ぎ、 私と蘭はたわいもない話をしながら帰宅をする。

蘭(らん)

は〜今日も1日終わったね

蘭(らん)

なんか、今日時間経つの早くなかった?

沙恵(さえ)

そうかな?

沙恵(さえ)

私は時間経つの遅かったな

沙恵(さえ)

やっと学校終わったかって感じ

蘭(らん)

え〜?そう?笑

蘭(らん)

そういえば、沙恵、どこの大学に行くか決めた??

沙恵(さえ)

あ...ううん、まだ

沙恵(さえ)

全然いいところ見つからなくて...

蘭(らん)

まじか〜

蘭(らん)

私と一緒のところくる?笑

沙恵(さえ)

でも、蘭が希望してる大学めっちゃ頭いい所じゃん。私行けるかな?

蘭(らん)

今から勉強すれば大丈夫だって!

蘭(らん)

全力でサポートするよ?

沙恵(さえ)

うーん...

沙恵(さえ)

どうしようかなぁ...

蘭(らん)

んまっ、沙恵が行きたいと思えばだけど!

蘭(らん)

結局は、沙恵が行きたい所が1番だと思うから

蘭(らん)

でも私と同じとこ行きたいって思ったら、全力でサポートするね笑

沙恵(さえ)

えええ、なんか何から何まで申し訳ないよ

蘭(らん)

いいのいいの!

沙恵(さえ)

ええ....じゃあ、お言葉に甘えて...

蘭(らん)

任せなさい!笑

蘭(らん)

じゃ、また明日ね!

沙恵(さえ)

うん、また明日ね!

私は蘭に手を振って、別れた。

自宅

私は帰ると、自分の部屋のベットに深く腰を下ろした。

沙恵(さえ)

はぁ〜...疲れた....

そして、「人物乗っ取りアプリ」のことをまた考える。

沙恵(さえ)

(はぁ...どこにいても何をしても、あのアプリのことばっかり...)

沙恵(さえ)

(気になるし、試しにもう一回使ってみようかな...)

そして、私は「人物乗っ取りアプリ」を立ち上げた。

人物乗っ取りアプリ

アプリのご利用、誠にありがとうございます♪

沙恵(さえ)

(今度は、誰になってみようかな...)

沙恵(さえ)

(そうだ!猫になってみよう!)

沙恵(さえ)

(人物じゃないけど、猫にもなれるのかな?)

沙恵(さえ)

人物乗っ取りアプリ

※このメッセージは自動的に送られているものです。
そのため、返信を頂きましてもご返答しかねますので、ご理解の程をよろしくお願い致します。

沙恵(さえ)

(やっぱり、猫にはなれないのか?)

沙恵(さえ)

(...まてよ?これならどうだ!)

沙恵(さえ)

近所の、原田さんの家で飼われている猫のポンズ

人物乗っ取りアプリ

原田家 猫のポンズ

人物乗っ取りアプリ

承知いたしました。

人物乗っ取りアプリ

それではごゆっくり、お楽しみくださいませ♪

沙恵(さえ)

(...よし!いけた!)

ポンズ

.....ニャ?

私は、ある公園で目が覚める。

ポンズ

......ニャ!?

ポンズ

(も、もしかして、原田さん家のポンズになったんじゃ!?)

JK

あ!見てみて〜!猫ちゃん!

JK

本当だ〜!かわいい〜!!

そして、大きい手で私はなでなでされる。

ポンズ

ニャァ....

ポンズ

(はぁ...やっぱ猫っていいな...)

JK

あ、こんなことしてる時間ない!

JK

早く学校行かないと!

JK

あっ、ほんとじゃん!やばい!

JK

じゃあね、猫ちゃん!

JK

じゃあね〜!

そして、JKは駆け足で去っていった。

ポンズ

(私は何もすることがないな...)

ポンズ

(さて、どこへいこう...?)

ウウウウウウ........

ポンズ

....ニャ?

私が行き場所に迷っていると、1匹の大きな猫がこちらを睨んで唸っている。

ポンズ

(.....え?なに?)

そして、私が一歩近づいた瞬間、

ウウウウニャアアアアアア!!!!

ポンズ

!?!

1匹の大きな猫が、私に飛びかかってきた。

尖った爪で、私を引っ掻く。

ポンズ

ニャアアア!

ポンズ

(痛いっ.....!!)

ポンズ

(やだ!!やめて!!)

ニャアアアアアア!!

いくらやめてと心で願っても、その大きな猫は引っ掻くのをやめようとしなかった。

ポンズ

(こ、これ、どうやって現実に戻るんだっけ!?)

ポンズ

(確か、強制的に戻れるはず...!!)

ニャアアアアアアア!!ニャアアアアアアア!

ポンズ

ニャァ!!!!

ポンズ

(あぁぁ!もう!!痛いってば!!)

ポンズ

(えっとえっと.....そうだ!)

ポンズ

(元に戻る、元に戻る、元に戻る!!)

私は、「元に戻る」という言葉を、3回繰り返した。

ポンズ

(これで、元に戻れるはず!)

沙恵(さえ)

はっ!!!!

意識が戻った。

私はハッと、時計を見る。

沙恵(さえ)

...やっぱり、時間変わってないや...

沙恵(さえ)

(あっ、通知来た!)

人物乗っ取りアプリ

お楽しみ頂けましたでしょうか?

人物乗っ取りアプリ

この人物になることを希望しますか?

沙恵(さえ)

(誰が猫になるものですか!)

沙恵(さえ)

いいえ!

人物乗っ取りアプリ

承知いたしました♪

人物乗っ取りアプリ

またのご利用をお待ちしております♪

沙恵(さえ)

ふぅ...危なかった...

沙恵(さえ)

(今日は、これで乗っ取りおしまい...か...)

沙恵(さえ)

(でも、このアプリ本当にすごいかも...!)

沙恵(さえ)

(ちゃんと、その人になれてるし!)

沙恵(さえ)

(これで、色んなを乗っ取るっていうのも悪くないかも)

そして、私は明日誰になりたいかを

まるで新しい洋服を選ぶかのように、考えていた。

人物乗っ取りアプリ(体験版)

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