僕は、僕が死ぬまでの時間を彼に捧げることにした。
琉生
ねぇ、君の名前は?
湊
あー、湊だ。
琉生
湊、さん?
湊
(ふは
呼び捨てでいーだろ。
呼び捨てでいーだろ。
琉生
でも僕は、君のものになったらしいし。
湊
うわ、真面目かよ(笑
あんま深く考えんなって
あんま深く考えんなって
琉生
ん、分かった(?
湊
つか、お前こそ名前言えよ
琉生
あ、ごめん。
僕は琉生、
僕は琉生、
湊
琉生な
ん、覚えた
ん、覚えた
琉生
ありがと、(笑
人に自分の名前を呼ばれるなんて久しいな。
湊
なぁ、琉生。
お前ん家何処だよ
お前ん家何処だよ
琉生
え、あ。
叔母さんの家に居候してる(俯き
叔母さんの家に居候してる(俯き
湊
あっそー、
って、そーゆー意味じゃなくて、
場所だよっ。場所!
って、そーゆー意味じゃなくて、
場所だよっ。場所!
琉生
あ、あー。
えっと、〜〜〜だよ?
分かる?
えっと、〜〜〜だよ?
分かる?
湊
んー、たぶん
琉生
(なんでそんなこと聞いたんだろう?まぁ、僕が知ったところでどうにもならないや)
湊
なぁ、お前、家の事情がアレなら俺ん家に住めよ?
琉生
へ、?!
な、なんで、?
な、なんで、?
湊
そっちのが見張りやすいし、落としやすいだろ?(にや
琉生
お、落とすって…(引
ま、まぁいいけど。
ま、まぁいいけど。
湊
へー、割と簡単に了承するんだな
琉生
まぁ、な。
琉生
(きっと叔母たちも助かるだろうし)
あの家には、元々僕の居場所なんて無いんだから
湊
んじゃ、今週中に荷物まとめてうち来いよ?
琉生
分かった
家のドアを開けるのが苦痛だ
琉生
た、ただいまー、(小声
琉生
(ま、返事が返ってくるわけないか)
琉生
さっさと部屋に行こ、
琉生
ふぅ、
琉生
相変わらず狭いな。
この部屋
この部屋
琉生
(元々物置だしな。)
琉生
今日は色々ありすぎて疲れた
琉生
(おまけに死ぬことさえ……)
琉生
あいつ、湊はなんなんだったんだろう。
なぜ彼は僕を生かそうとしたんだ
なぜ僕を生かしたんだ
なぜ僕に死なせてくれなかったんだ。
こんな醜く、価値の無い僕に……。
琉生
考えることさえ面倒だ(笑