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文學学園物語

第86話 - 物語6章拾漆話　考え事

2025年04月18日

#文スト

#学パロ

#オリキャラ注意

#シリアスだったりギャグだったり

#既存伽羅設定追加注意

#文學学園

葉曖麗奈　不定期

注意

今回のお話には、嘔吐描写が含まれています

尚今回のお話をスキップしてしまうと次のお話が分からなくなる可能性もございますので

耐性のある方・ある程度なら見れるよ、と言う方はこの儘ご覧下さい…

本気で無理だと言う方はこの儘回れ右をお勧め致します…(一応次回のコメント欄にある程度の情報は出しておくつもりですので、安心してください)

それでは、6章拾漆話、開幕します

翌朝

叶夢

…………ん、んんー…〔体を起こし伸びをして〕

ドサッ

叶夢

………ん？〔音のした方向を見て〕

太宰　治

zzz…〔寝ている〕

叶夢

…………んん？？え、太宰？

叶夢

なんで此方側来てんの…？

叶夢

しかもなんでなんも掛けずに寝てんの……？風邪引くぞ？？

※叶夢が太宰の腕を掴んでからずっと離さなかったせいで布団と取れずその儘寝てました

叶夢

……じゃぁねぇ起こすか…〔ベッドを出て〕

叶夢

おーい、だざーい？起きろ〜〔太宰の体を揺すりながら〕

太宰　治

ん゛ん………ん〜…

太宰　治

…なぁに〜？人が気持ち良く………妙に寒かったから気持ち良くは無かったけれど……寝ていた所を起こしてぇ………〔まだ目を閉じた儘不機嫌そうに〕

叶夢

取り敢えず布団に入って寝直しゃぁ良いだろ、まだ5時半だから時間あるし

太宰　治

……その間叶夢君はどうするつもりだい？〔急に目を開け叶夢を見て〕

叶夢

本棚にある本読むつもり、実は面白いの見つけててな〜

太宰　治

…………嘘だね、君は1度も本棚の方に目線を向けていなかったし

太宰　治

興味を持っていたなら、少しは見るはずだったのに見ていなかった

叶夢

一度もってこたぁねぇだろー

叶夢

お前が風呂場行ってる時に見てた可能性も＿＿＿

太宰　治

30秒も掛からない内に見て此方に来たって言いたいのかい？

太宰　治

君、自分の着替えとか…風呂場に持っていく物荷物の底に入れていたから

太宰　治

それを取り出し、出した物を入れるまでに20秒程は掛かる筈だし…

太宰　治

もしそこをクリア出来たとしても、残りの時間で見て風呂場に来るには多少走らなきゃいけない…

太宰　治

だから息が上がっているか、心拍数が以上に早くなっていた筈……

太宰　治

なのに君にはその様子が一切無かった

太宰　治

…まぁ君の場合、息どうこうは関係無いかもしれないけれど……

太宰　治

…心拍数は流石に隠す事は不可能だよ

太宰　治

不可抗力で君に抱えられ走られた私には、君の走る前と走った後の違いがよく分かる

太宰　治

…さて、話を戻そうか……

太宰　治

……叶夢君、君は本当は今から

太宰　治

…一体何をするつもりだったんだい？

叶夢

……………………

叶夢

…はぁ………流石だわほんと…

叶夢

……夜風…って感じじゃねぇけど……

叶夢

一寸…外の風に当たりながら考え事しようと思ってた

叶夢

はい、言いました、これで満足か？

太宰　治

ふーん……………〔叶夢の本心を探る様に見て〕

太宰　治

…じゃぁ私も一緒に風に当たろうかな、先程ので目が覚めてしまったし〔にこにこしだして〕

叶夢

お前……本気で風邪引くぞ？

太宰　治

大丈夫大丈夫

太宰　治

どっかの蛞蝓のせいで健康状態が良くなってしまっているから

太宰　治

そんな事で風邪なんて引かないよ

叶夢

(誰だか分かっちまうから伏せる必要無くねぇか？)

叶夢

…ま、別に良いけどよ………〔窓の方に行って開け、ベランダの方に出る〕

太宰　治

やったぁ〔同じくベランダに出て〕

叶夢

………まだ夜が残ってるな

太宰　治

夜が残ってる？

叶夢

あぁ…………まだ暗い空の色が残ってるなーって言いたかったんだ…

叶夢

…ほら、上見てみろ〔空を見上げ〕

太宰　治

……〔同じく見上げ〕

太宰　治

…おぉ、ほんとだ

太宰　治

まだ夜が残っているね

叶夢

使い回し禁止な

太宰　治

良いじゃないか「夜が残ってる」って、季節語に認定しても良いよ？

叶夢

別に季節語では無いと思うし何その上から目線……

太宰　治

…それで？何の考え事をするつもりだったんだい？

叶夢

……昨日？見た夢の事と、この先の事…そして………

叶夢

…未だ発動条件が分かってない、最初期に言われた副次効果の事……

太宰　治

………………

叶夢

夢の方は……まぁ、内容話さねぇと分かんねぇよな…

太宰　治

あ〜…そうだね、説明して貰えるとありがたいかも……

叶夢

……簡潔に言うと、お前らが死ぬ夢…

叶夢

いや…お前らを殺す夢、だ………

太宰　治

…殺す夢……？君が…？

叶夢

正確には俺の何かしらのミスで、だな…

叶夢

俺は何者かに殺されるお前らを見てる事しか出来なかった……

叶夢

………けど、何故か途中から…展開が変わってな

叶夢

姿形はハッキリと分からなかったんだが…急に誰かが現れてこう言ったんだ…＿＿

『大丈夫…君の大切なものは奪われないし、これからも奪わせ無いから』

叶夢

……って

太宰　治

…！

叶夢

んで、その後どうなったかはよく分かってないんだが……

叶夢

……何となく…勝った気がする………

叶夢

そんで一寸気になってな、あの時の人が誰だったのか……

叶夢

うっすらとだが…声も聞き慣れた声で

叶夢

口調も…どっかでか聞いた様な気がすんだよな……

叶夢

ほんと、誰だったんだろ…〔うーん、と空を見て悩みながら〕

太宰　治

………別に無理に知ろうとしなくても良いんじゃないかい？

太宰　治

その人は君の味方で、君を窮地から救った人だと…それぐらい分かっていれば私は充分だと思うけど………

太宰　治

…そう思うと、私も…その人に感謝しなくちゃね〔空を眺めながら〕

叶夢

………(あぁ…………)

叶夢

…夢の中の話だし、別に感謝しなくても良いんじゃねぇの？(…お前だったんだな、ああ言ってたのは)

太宰　治

いやいや、例え夢の中だとしても危機を救ったのはその人だ

太宰　治

感謝はするに限るよ〔ヘラヘラと笑いながら〕

叶夢

………そ…(あの時俺のベッドの傍で寝てたのは、恐らく魘されてた俺を何とかする為に居たんだな…)

叶夢

……自分自身に感謝してどうすんだよ……………〔小さく、口の動きでバレない様呟き〕

太宰　治

…？叶夢君、今何か……

叶夢

あ？何だよ〔すっとぼける様に…不自然にならない様に首を傾げ〕

太宰　治

……いいや、なんでもない

太宰　治

所で、他の考え事はしなくても良いのかい？

叶夢

あぁ、そうだったな

太宰　治

次は「この先の事について」だったっけ？

太宰　治

それは、これからする事に対してかい？それとも最終日の事かい？

太宰　治

それか＿＿

叶夢

"数年後、学園を卒業した後の事"

叶夢

……って、言いたいんだろ？

太宰　治

…………先読みの力でもあるのかい？君は…

叶夢

生憎そんなもんは持ち合わせてねぇよ、唯の勘だ

叶夢

……俺が考えたいのは、3つ目の「卒業した後の事」だ………

叶夢

前に療養期間中に出かけて、厄介な奴に目ぇ付けられてたのは知ってるだろ？

太宰　治

勿論、その場に居たしね

叶夢

その時勧誘という名の強制加入を言い渡された訳だが……

叶夢

まぁ…中等部期間を終えてからかその儘卒業するかは選べる訳で…

叶夢

でも強制加入は少しいただけない訳で……

叶夢

…なんか良い方法ねぇか？

太宰　治

ん〜…………

太宰　治

…それなら、此処の教師を志望すれば良いんじゃない？

太宰　治

学園の生徒なら無条件で教師になれるし……

太宰　治

あ、勿論中等部・高等部含め全て全うしたらだけどね

叶夢

は〜無条件で………教員免許は？

太宰　治

無くても出来る

叶夢

節操ねぇな学園……

太宰　治

まぁ年がら年中人員不足嘆いているしね〜…

太宰　治

だから生徒会や風紀委員会が忙しいのだけれど……

叶夢

あーだから銃支給されてたり、結構危ねぇ事任されたり、書類仕事させられてたりしてるのか……

太宰　治

ある意味生徒会や風紀委員会は、学園教師と然程変わらない権限を保持しているからね

叶夢

生徒会・風紀委員会……恐るべし………

太宰　治

君もその1人っていうの分かってる？

太宰　治

……さて、次が最後の考え事かな？

太宰　治

と言うか…態々その副次効果の発動条件について考える必要なんてあるのかい？

叶夢

いやあるだろ、俺の異能を俺自身が知らねぇのは流石にやばいし

叶夢

………それに…

叶夢

もう、分かっちまったから……

太宰　治

分かったって……何が？

叶夢

その副次効果の発動条件が…………

太宰　治

………………

叶夢

……試す様な事出来ねぇ事だから、憶測でしかねぇけど…

叶夢

俺のこの、「他人の記憶を追体験出来る効果」の発動条件は…………

"相手を取り込む事"

叶夢

………って、そう思ってる…

太宰　治

……つまりそれは…

叶夢

…………あぁ…俺は＿＿

人を殺してる

太宰　治

…………

叶夢

……多分、あん時の精神がもう持たなかったんだ

叶夢

だから…防衛本能ってやつで………主犯を………………〔段々青ざめ始め〕

叶夢

ゔ…っぷ………〔想像して気持ち悪くなってきたのか、口を抑えその場にしゃがみ〕

太宰　治

っ！叶夢君…！〔同じくしゃがみこんで〕

叶夢

……っ〔酸で袋の様なカゴの様なものを作り〕

叶夢

っお゛えぇぇ………〔その中に吐き始める〕

太宰　治

………っ〔叶夢が異能を使っている為か、背中を擦る事も出来ず、唯見ているだけで〕

暫くし、叶夢も吐き気が収まった頃…

叶夢

……はぁ…はぁ………っ

嘔吐物は酸により完全に溶かされ…… 酸の色が少し変わる

叶夢

………太宰…

太宰　治

……〔呼ばれた意味を察知し、叶夢に触れ、酸を無効化する〕

嘔吐物を溶かした酸はその儘塵になって消える

叶夢

……ありがと…

太宰　治

…感謝する必要は無いよ

太宰　治

君が吐いている時、私は何も出来なかったから……

叶夢

……しょうがねぇよ…

叶夢

俺が、作った異能の中に吐いちまってたんだから………

太宰　治

………水、取ってこようか？

叶夢

おー…頼むわ………俺暫くこっから動けそうにねぇし〔無理に笑いながら〕

太宰　治

………〔立ち上がり〕

太宰　治

…もう、さっきの事は考えなくて良いから〔そう言って室内に戻っていき〕

叶夢

……………

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なるほど、、主犯はすでに、、叶夢様からしたらあまり居心地の良いようなものではないのでしょうかね、それにしても、、太宰様も叶夢様も鋭く、よく回る思考回路をしていらっしゃることで

葉曖麗奈　不定期

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