TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

彼氏

や、やめろ、やめてくれ

彼女

お願い来ないで、来ないで!

ゲーム開始から2時間が経過した頃、エリアCの立体駐車場(屋上)に隠れていた2人の若いカップルがマネキン達に見つかっていた。

隅へと追い詰められた2人は互いに顔を合わせ、最期を確信した表情になる

彼氏

愛してるよミキ。今までもこれからも

彼女

うん、ケンジ。私も大好きだよ。今まで本当に楽しかったし幸せだった

彼氏

ありがとう。それは俺もだ。死ぬ時は一緒だよな?どちらかを残すなんて残酷な事はしない

彼女

うん。勿論だよ

覚悟を決めた2人は遥か下の地上を見下ろす

彼氏

俺のタイミングで落ちる。ミキはしっかり掴まってて

彼女

うん...

彼氏

大丈夫!一緒だから怖くないさ。どうしても怖かったら、目を瞑ってていいからね?

彼女

うん、

彼氏

じゃあ行くよ?3、2、1......

彼女の手と共に、彼は落ちた。断末魔と故意に落ちる音だけが周囲に響き渡ったんだ

DCエリア。残る生存者は18人

俺らはマネキンを狩るために巡回をしていた

田中 一

投票の事なんだけど

滝 港

国木田の言う通り、投票はしなくていいだろう。どっちに転ぶか分からないんだ、なら今のままの方がいい

ショーン・ニコラス

ソウダヨォー

国木田 英理

(ん?なんだこの感覚?何かがもの凄い勢いでこっちに来るような. . .)

笹木 実

どうしたの?立ち止まって

田中 一

どうしたんだい?

国木田 英理

引き返すぞ、何かがこっちに近付いて来ている。しかももの凄い速さで

ショーン・ニコラス

ボクニハ ナニモ ワカラナイケドネー?

笹木 実

何が来てるって言うの?何も聞こえないわ?

国木田 英理

いいから、いいから早く

それは俺らの前に現れた奇声を発しながら目の前に

見たことのないマネキン

キュエエエエエエエエ

国木田 英理

(木製の人形だと?だがこれは知らぬタイプだ)

国木田 英理

おい、気を付けろ

ショーン・ニコラス

ウ、ウワァァァ

木製の等身大人形はショーンに飛び掛かり、抱き着いた。一向に彼を離そうとしない

国木田 英理

大丈夫か?ショーン。今、俺が助けて......(いや、これは...)

国木田 英理

おい、逃げるぞお前ら!そいつは、そいつは

田中 一

え?

笹木 実

え?

見たことのないマネキン

キュイイイイイイインンンンンン

そいつは奇声と共に自爆した。抱き着いていたショーンと近くにいた田中 一と笹木 実を巻き込んで。呆気なかった。俺はまたしても目の前で仲間を救えなかったんだ。

国木田 英理

クソッ、クソッ、もっと俺が早く気付いていれば

滝 港

国木田......

助かったのは俺と比較的、俺の近くにいた滝だった。奴は極狭い範囲で確実に殺せる程の威力をもった爆発をしたんだ。滝も少しその影響を受け、髪が焦げ臭い

国木田 英理

大丈夫か?滝?

滝 港

あ、あぁ。怪我も痛みもない。意外と精神的ショックはなかった。こういう言い方はしたくなかったが、あいつらが綺麗サッパリに吹き飛んでくれたおかげだ......

国木田 英理

怪我が無いならいいんだ。何よりだ

国木田 英理

(投票はしない。そう決めいたがさっきのでその考えも変わった。仮に他の奴らが入れて少なくなったとしよう。だがその殆どが自爆型だとしたら?犠牲になる数は目に見えている筈だ。しかし、弱体化を望み、数を増やすのも利口とは思えない。一体、俺はどうすれば......)

滝 港

これから俺らはどうすればいいんだ。仲間を一度に3人も失ってしまった......

暗い表情をする彼に俺はこう声を掛けた

国木田 英理

このゲームに勝ち抜くって事はこういう事だ。それが嫌なら、自ら死を選ぶか単独で生き残るしか他はない

俺はスマホを取り出し、マップを確認すると目的地へと向かう事にした

滝 港

何処へ行く?幾ら4回目とは言えど、単独で戦い続けるつもりか?

国木田 英理

そうじゃない。実はある人物と連絡を取っていたんだ。NEXUS(ネクサス)でな

滝 港

ある人物?

国木田 英理

あぁ。その彼が合流場所を俺に指定して来た。これからは俺はそこに向かうつもりだ。お前はどうする?着いてこなくてもいいぞ?このゲームをどう生き抜くか戦略するかはお前の自由だ。俺と共に歩んだからといって確実に元の日常に生還出来る保証は無い

国木田 英理

時間が惜しい。俺はもう行く。後はお前に任せるよ。滝

俺は後ろを振り返り、その方向へと歩き出す

滝 港

待てよ国木田

国木田 英理

あぁ?

首を後ろに向けると、そこには覚悟の決まった顔をした男がいた

滝 港

俺も行くよ、お前と。最後まで

国木田 英理

ふっ、そうか。なら好きにしろ。後悔しても知らないからな?

滝 港

あぁ

俺らは共に笑い、彼のいる場所へと歩き出した

AB 残り17名 CD 残り15名 投票終了まであと42分

0時になると奴らが動き出す

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

10

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚