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強欲セットご馳走様でした🥰🥰 私は基本BADENDのほうが好きですね、主人公が4んだり昏睡状態になったりして主人公を愛してた人が悲しんだり己を憎んだり、でもしういうことをしても主人公は元に戻らないからなお一層絶望して本当に大事な存在だったことに気付く…っていうのです( '꒳' ) 逆も然り😎😎
主
主
主
主
主
満州国に抱かれた日帝は 中華民国と共に部屋に戻り 用意された日帝専用の寝床に降ろされた。
自身の安息の場に戻されると 早速手足を折りたたみ いそいそと自身の身体の下にしまい込む。
これは、猫がとてもリラックスしている時にする座り方で、世間では香箱座りと呼ばれている。
子猫にて
目を瞑りゴロゴロと喉を鳴らして ふわふわの毛布に全ての信頼を委ねている。
中華民国
うつらうつらと船をこいでいた日帝の頭に 不意に中華民国の手が伸びて来た。 そのまま、彼の手に頭から背中にかけて 何度も撫でられる。
子猫にて
満州国
子猫にて
満州国
満州国
中華民国
満州国の言葉に、中華民国も満足そうに微笑んだ。
実際に、日帝を撫でる彼の手は とても温かく、丁寧で柔らかいものであった。
その大きい掌に撫でられる度に 昔、母猫に毛繕いをしてもらった様な 安心感を思い出させる。 それが、ここがより一層 自分にとって居心地の良い場所だと 彼女に強く植え付けた。
まぁ、日帝の母親は列記とした人間なのだが。 彼女が母猫に毛繕いして貰った記憶等 到底あるはずも無い。
恐らく本能として、脳内に初めから備わっているのだろう。
存在しない記憶に 意識を飛ばし懐かしんでいる内に 日帝の目は閉じ切っており 身体の力は抜け、手足を完全に投げ出し横になっている。
中華民国
中華民国
中華民国の言葉を最後に、日帝の意識は沈み込む様に微睡みの中へ落ちていった。
*********
時は日付が変わる午前0時頃。
寝静まった街を、これから夜闇がより一層深く暗い底に誘い込み始めるこの時間帯。
日帝は、先程まで深く寝入っていた事が嘘のように カッと目を見開くと、勢いよく顔を上げた。
子猫にて
子猫にて
何か悪夢を見ていて飛び起きた筈なのに 何の夢を見ていたのか全く思い出すことが出来ない。
これは、日帝が小さい時からよくあることだった。 悪夢なのであれば、強く記憶に残っている筈なのに 起きた時には、綺麗さっぱり記憶から消えて無くなっている。
そして、強い恐怖感と不安だけが 日帝の中に居座り続けるのだ。 その為日帝が、毎回飛び起きた後 再度眠りに付くのは容易ではなかった。
日帝は、夜寝る時はいつも常夜灯にしていた。 今回の様に、何時悪夢に魘されるか分からないからだ。
起きた後は、毎回蜂蜜入りのホットミルクを用意し 日本が起きているのであれば寝付けるまで 彼に話し相手になって貰っていた。
だが、今回はいつもと状況がかなり変わってしまっている。
子猫にて
キョロキョロと周りを見回すが 眠る時に傍に居た満州国と中華民国は もう自身の傍にいない。
どこを見渡しても真っ暗な闇が続いていて 時間帯も時間帯なので昼間の 煩わしい喧騒も今は全く聞こえない。
余りの静けさに自分だけ、この世界に1人残されてしまったのでは無いかと錯覚してしまいそうになるほどだ。
日帝は、自分の寝床から這い出ると 覚束無い足取りで部屋の中を歩き回る。
子猫にて
子猫にて
誰も居ないのは分かりきっている事なのに。 それでも心細さから何度も何度も大きな声を出す。
当たり前だが誰も反応を返すことは無い。
子猫にて
誰も近くに居ない今、一刻も早くこの長い夜が明けてくれる事を待つしか道は無いようだ。 日帝は、冷たい床にしゃがみこみもう一度鳴いた。
ソ連
突然聞こえた自身の名を呼ぶ声と 視界いっぱいに広がる眩い光に 日帝は、下げていた顔をパッと上げる。
子猫にて
子猫にて
子猫にて
見上げた先には、携帯の明かりを向け 心配そうにこちらを見つめるソ連の姿があった。
ソ連
ソ連
子猫は、寒さに弱い。 あまりにも室温が低すぎると 身体に負担がかかってしまう。 エアコンの温度は、高めに設定されているが エアコンの効いた部屋に居続ければ その分体温は奪われる。
毛布に包まれている時は ちょうど良い室温であったか 既に寝床から抜け出して 幾分か経ってしまっている。
言われて見れば、ポカポカと火照っていた肉球も 身体も今では冷えきってしまっている。
ソ連は、目の前まで来て片膝を付くと 両手で日帝を抱き上げ肩に乗せると 身体全体を包み込むように両手を回した。
ソ連
子猫にて
日帝もソ連の肩にしがみつく様に爪を立て 首筋や顎に頭を擦り付ける。
ソ連
ソ連
子猫にて
ソ連
ソ連
子猫にて
ソ連
ソ連
日帝は、返事をする代わりに ソ連の顔を手でペシペシと叩いた。 まるで早く行けと言わんばかりの日帝の態度に ソ連は、苦笑しながらもエアコンの電源を消して 寝床から毛布を1枚取ると部屋を後にした。
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ロシア帝国
子猫にて
子猫にて
ソ連の部屋に行くとそこには 何故かロシア帝国がソ連のベッドに 我が物顔で寝そべりながら携帯を弄っていた。
ロシア帝国
ソ連
ロシア帝国
ソ連
ロシア帝国の言葉に ソ連は顔を盛大に顰め 苦言を呈した。 確かにソ連のベッドは、キングサイズなので 大人の男性2人で寝ても大分余裕がある程には広い。
だがそれでも、大の男2人で並んで寝たくは無い。 例え、日帝が間にいたとしてもだ。 だって、お互い上半身裸で寝るタイプである。 普通に考えて気持ち悪いだろう。
ロシア帝国
それでも、ここで寝るのは 既に彼の中で決定事項らしい。
ロシア帝国は、ソ連の存在を完全に無視して日帝に向かって両手を差し出している。 それを見たソ連は、諦めたようにため息を一つ吐くと仕方なさそうに日帝をベッドに降ろした。
日帝は、彼の傍によると 直ぐ隣に腰を落ち着け毛繕いを始めた。 ロシア帝国は、彼女の背中に顔を埋め もふもふの毛皮を堪能している。
ロシア帝国
子猫にて
子猫にて
ロシア帝国のふとした疑問に 日帝も首を傾げて返す。
あの時は、気づいたらいつの間にか人間になっていたのだ。 特定の条件下の元人間に戻るのか それとも一定の時間が過ぎたら人間に戻るのか。 それは、日帝も疑問に思っていたことだった。
ロシア帝国
ソ連
子猫にて
子猫にて
2人が自身の事を話している最中 日帝は、先程の悪夢によって眠れなかったのが 嘘のように今はもう睡魔に抗うのに 必死だった。 自身の話をされているのは 十分承知の上なのだが 如何せん眠すぎるのである。
とりあえず何時でも寝落ち出来るように ロシア帝国の首筋辺りに移動すると そこに、すっぽりと収まった。 顎の下を撫でるロシア帝国の手が 心地がいい。
ソ連
ロシア帝国
ソ連
ソ連
ロシア帝国
ソ連
そこまで言いかけてソ連の脳裏に過ぎったのは 自身の上で、こちらを見上げる日帝の姿だった。 水の滴る彼女は、とても扇情的で 今思い返してもソ連の身体を熱くさせる程だ。 どこもかしこも柔らかく その女性特有の身体付きは ソ連の理性をより一層刺激した。
ロシア帝国
ソ連
ソ連
今人間の姿では無く 子猫の姿になっていることに 心の底から安堵した。 これがもし、人間の姿であったのなら 自身は何をしでかすか分かったものではない。
これ以上、思い出すのはまずいと悟ったソ連は 一方的に会話を打ち切り2人に背を向けると 頭から毛布を被る。
ロシア帝国
ロシア帝国
日帝は既に丸くなって眠っている。 ロシア帝国は、ソ連が持ってきた毛布を日帝にかけて頭にキスを落とした。
Спокойной ночи мой дорогой
《お休み、俺の愛しい人》
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ロシア帝国
ロシア帝国が目が覚めて時間を確認する。 時計の針は午前8時を指していた。 隣には、ソ連がまだ眠っている。
子猫にて
ロシア帝国
日帝もまだ眠っていたが 隣にいたロシア帝国が動いたことで 同じく目が覚めたようだ。
ロシア帝国
ロシア帝国
ロシア帝国が、ベッドでうだうだしながら 日帝を抱き締め文句を垂れている。 社会人は、ストレスとは切っても切り離せない関係にある。 きっと自分の知らない所で 相当な苦労や心労が重くのしかかっているに違いない。 ましてや、大企業の役員ともなれば それも一入だろう。
子猫にて
ロシア帝国を労るように 日帝が彼の口元を舐める。 まだ、目がしょぼしょぼしているので 覚醒したとは言い難い状況ながら 自身の愚痴を受け止め気にかけてくれる。 そんな彼女の優しさに ロシア帝国の顔も自然と顔が綻びた。
ロシア帝国
ロシア帝国
ロシア帝国
日帝とロシア帝国の唇が不意に触れ合った。
これは、断じてお互いに狙っていたのではなく 日帝は、先程と同様に口元に。 ロシア帝国は、そのお返しに キスを送ろうと思っただけだった。
どうやらそれが、良い感じに噛み合ってしまったらしい。
ロシア帝国
日帝
ロシア帝国と日帝の目が合う。
新しい恋が始まる瞬間であ………
るはずも無く。 ロシア帝国は、己の死を覚悟した瞬間であった。 それもそのはずで、今の彼の体勢が悪すぎるのだ。 彼は今、日帝の胸に顔を埋めている状態になってしまっている。 単純に、これは事故以外の何物でもないのだが。 女性からしたら、自分の胸に恋人ですら無い男が居るなんて。 事情がどうであれ、嫌悪感しか生まれ無いだろう。
日帝
ロシア帝国
ロシア帝国
必死に言葉を繋いで 言い訳を重ねるが何も違わない。 今目の前で起きていること、それが真実である。
ロシア帝国
もう、何を言っても自分の死が覆ることが無いのは分かりきっている。 どうせ死ぬなら、彼女の腕の中でそして真っ白いまろみを帯びた胸に抱かれて死にたい。 寧ろ今死ねたら、本望だと豪語出来る。
ロシア帝国
ロシア帝国
前世から、あまり表情を変えることの無いクールな印象の日帝。 そんな彼女が、目にいっぱい涙を溜めて 頬を赤く染め羞恥に震えている。 今のロシア帝国にはそれを見て、現実から目を背けるぐらいしか出来ることはなかった。
日帝
日帝が大きく手を振りかざした。
日帝
ロシア帝国
2人の悲鳴が屋敷内に木霊した。
満州国
日帝
満州国
日帝は、ソファに寝転がっている満州国の上に乗り 首に両腕を回して頭を彼に撫でられている。 尻尾が素早くゆらゆらと揺れているので 虫の居所はあまり宜しくないようだ。
中華民国
ロシア帝国
ソ連
彼の頬には鮮やかな紅葉の跡が くっきりと残っている。 中華民国は、淹れたてのコーヒーを出しつつ ついでに茶々も入れることを忘れない。
あの後、2人の声に飛び起きたソ連が 人間に戻っている日帝を見て 瞬時に状況を把握、すぐさま近くにあった自身のTシャツを掴み日帝に着せた。
昨日の様に、自分も巻き添えを食らうのは勘弁願いたかった。 見事に難を逃れたソ連は、ニヤニヤしながらロシア帝国にちょっかいをかけている。 うざったいことこの上ない。
満州国
ソ連
ソ連
日帝
日帝
日帝
裸という言葉に約2名が 鼻を抑えたので中華民国が 素早くティシュを差し出した。 自身の周りが血の海になるのはごめんである。 被害被る上に後片付け等したくもない。
中華民国
日帝
本当は、普通の人間に戻りたいが今はまだ情報が少すぎる。 そもそも元に戻れない可能性だって 大いに有り得る。 どうなるか分からない未来に いつまでも時間を費やしていられない。
それに、中華民国の言う通り 人間に戻る方法は見つかった。 ずっと、子猫のまま過ごさないといけないという訳でもない事が分かっただけでも充分上出来だろう。
ソ連
ロシア帝国
話も終わったところでソ連は残っていたコーヒーを全て飲み干すと席を立った。 ロシア帝国もそれに続く。
日帝
日帝
ソ連
ロシア帝国
日帝
その言葉に、2人は日帝の頭や頬を軽く撫でて返すとそのまま部屋から出て行った。
*********
日帝
中華民国
日帝
中華民国
満州国
満州国
満州国
日帝
彼等は多忙な身の上なので 恐らくお手伝いさんでも 雇っているのだろうと思っていた。 だが、そうでも無いらしい。 お金に困ってはいないだろうし 彼等からしても雇って損は無いだろうに
何故、雇わないのかと日帝は思った。
中華民国
妙に納得してしまった。 確かに彼等の、パーソナルスペースは広い方だろう。 ましてや名のある起業家だと 下心丸出しで近づいて来る輩が後を絶たない。 ただでさえ、取引先や勤め先の 接待等でうんざりしているだろうに 他人のを家に招き入れたら 何をされるか分かったものでは無い。 自宅にいるのに 気を張り詰めて生活しないといけないなんて 御免こうむりたいのである。
だが、今の生活を続けていくのは どう考えても健康に悪いし 必要な栄養素も不足しているだろう。 それより何より 中華民国達の負担も増えてしまう。
日帝
日帝の提案に、一度顔を見合せた彼等は再度彼女の方を見て目を細めて笑った。
中華民国
満州国
中華民国
日帝
中華民国
中華民国
日帝
中華民国
日帝
中華民国
中華民国
日帝は、中華民国の膝の上に 上半身を預けながらプロイセン・ナチスの帰りを 睡魔と戦いつつ健気に待っていた。
何時もならこの時間帯は 既に床に着いている。
日帝は今日、家事・炊事等家にいて出来そうな事は全て自分がやると提案した。 一人暮らしの為、日頃から家でやっていたし 倹約家だったので3食全て自炊していた。 料理の腕には自信がある。
それに家に居るだけで 何もしないのは やはり心苦しい。 身体を動かしてスッキリする事もできるし 有り余った時間を潰す事もできるし良いことづくめだ。 やらない理由を探す方が難しいぐらいである。
思い立ったが吉日 中華家を引き連れ買い物に行き材料を揃え 晩ご飯用意をした。
最初は、炒飯や酢豚等誰もが馴染みのありそうな 中華にしようと思っていた。 だが、普段は中華民国達が作っているのでやはり中華料理寄りになってしまうらしい。
それではと、基本的に和食しか作らない日帝は 挑戦した事の無かった、ロシア料理のボルシチと ドイツ料理のジャーマンポテトを作った。
試行錯誤して出来上がった料理は 我ながら、初めてにしては上手に出来たと思う。 ソ連達も自国の料理が出たことに加え 「久々に誰かの温かい手料理食べた」 と、涙ぐみながら全部平らげていた。
自身が作ったものを人に食べて貰うのは嬉しい。 美味しいと何度も伝えられて、おかわりまでしてくれたらそれはもう作った甲斐があるというものだ。
日帝
せっかくドイツ料理も作ったのだから 独家達の感想も聞きたかった。 それとは別に彼女がこの時間まで起きているのには大きな理由があった。
中華民国
0時が回ったのを確認した中華民国が 日帝に圧をかけて来る。 悲しそうにしているところを見るのは心が痛むが 仕方のないことだ。
日帝
待つ事を諦めて、今日はもう寝ようと 起き上がろうとした時 大きな猫耳がピクっと動いた。 彼女にしか聴き取れない音を感知したらしい。
日帝
日帝は、ソファから飛び降りると 早足に玄関へ向かう。 玄関に到着したと同時に、玄関の扉が開き疲れきった様子の独家が入って来た。
日帝
日帝
中華民国
ナチス
プロイセン
日付が変わっているのに 日帝がまだ起きているとは思っていなかったようだ。 2人共目を丸くして唖然としている。
中華民国
ナチス
日帝
日帝
誰も出迎えてくれる人の居ない 真っ暗な家に帰る。 それは、日帝が1番虚しさを感じる瞬間であった。 日本がいて、部屋に明かりが点いている。 おかえりと出迎えてくれる。 それだけで、1日仕事を頑張って良かったと思えたし自分の居場所がここであることを証明してくれた。
だから、2人の帰りを眠気と戦いながら待っていたが…
日帝
余計な事をしてしまったと 落ち込んでいるのであろう。 顔にこそ出して居ないが、萎れた猫耳と無意識のうちに身体に巻き付けているしっぽで 容易に想像出来た。
プロイセン
自分達の帰りを待っていてくれている相手に 誰が怒ること等出来ようか。 プロイセン達は、彼女が無理をしていないか心配だっただけなのだ。 ただ、心配が先走って 言葉がきつくなってしまったのは 彼等の落ち度だ。 そこは反省してしかるべき点である。 実際、出迎えられた時は 身体に重くのしかかっていた疲労は 一気に消え去りひしめきあう様に湧き上がる幸福感に心が満たされている。
プロイセンは俯いて顔をあげない日帝 の頬に手を添えて上を向かせると 1つ優しいキスを瞼に落とした。
プロイセンが離れると 次にナチスに抱き締められる。 彼は、同様に頬に手を添えると 添えた方とは反対側の頬にキスを落とす。
プロイセン
ナチス
2人は、日帝が見惚れる程綺麗な笑みを見せながらそう言った。
日帝は、キスされた場所を手で抑えながら 小さく小さく呟いた。
日帝
日本へ。 全員の顔が良すぎるし、私への愛情が深すぎてもう心臓が持ちそうにありません。 早く見つけて迎えに来てください。
終わり
オマケ
ナチス
日帝
プロイセン
日帝
ナチス
中華民国
中華民国
日帝
中華民国
日帝
ナチス
日帝
ナチス
日帝
プロイセン
プロイセン
プロイセン
ナチス
ナチス
プロイセン
ナチス
プロイセン
プロイセン
プロイセン
日帝
中華民国
この後、お酒と共に美味しく ボルシチとジャーマンポテト 平らげましたとさ。
今度こそ終わりだよ
主
主
主
主