茉莉(まりい)
ねえ、教えて欲しいな…今言いかけたこと
茅乃(かやの)
えぇ、無理だよ。残酷すぎる
茉莉(まりい)
別に私大丈夫だと思う!
茅乃(かやの)
貴方、きっと耐えきれないよ?
茉莉(まりい)
(千乃の事かな?)
茉莉(まりい)
良いから言って!
茅乃(かやの)
わ、分かったよ!
茅乃(かやの)
私、霊的なの見えるんだけど、その、お友達?貴方には、はっきり見えるんでしょうけど私には霊として写ってる…
茉莉(まりい)
え?なんでそんな事言うの?
茉莉(まりい)
やめてよ、縁起でもない事言わないで…
茉莉(まりい)
だって、この前メール来たの…
茅乃(かやの)
そう…なの…?でもほら見て!
茅乃(かやの)
他の人たちは見えてないみたいだし…
茉莉(まりい)
ちょっとトイレ行ってくる…
茉莉(まりい)
(信じたくない、認めたくない…)
茉莉(まりい)
(本当は知ってたよ、認めたくなかった。)
2日前
母親
茉莉、千乃ちゃんね、
茉莉(まりい)
え?
茉莉(まりい)
嘘でしょ?冗談だよね?
母親
亡くなったそうよ。突然夜中に高熱を出してそのまま…
茉莉(まりい)
嘘、嘘だ!
母親
茉莉…
そんなやり取りが頭をよぎる。
茉莉(まりい)
(でもなんで見えるんだろう…)
茉莉(まりい)
(また私、心配されてるのかな?)
茉莉(まりい)
(だとしたら、心配かけてられないよね!)
茉莉(まりい)
茅乃ちゃん!
茅乃(かやの)
あ、もうすぐ式始まっちゃうよ!間に合って良かった!
茉莉(まりい)
あの、さっきはごめん。
茅乃(かやの)
いいの。私の方こそごめんね。
茅乃(かやの)
亡くなっても貴方に見えるように現れるってことはそれほど大切だったんだろうね…
茅乃(かやの)
泣かないでいいよ…
茉莉(まりい)
うん…
それからは茅乃と居る事が多くなった。それ以来、千乃が見えることは無くなった。
茅乃も見えないと言っていたので私に見えないように見守ってるんじゃなくてきっと大丈夫と思ってくれたんだと思う。







