高校生
回りは希望に溢れてる.
たくさん遊んで喧嘩して
………恋もする.
でも、あたしには
光なんか、見えなくて.
いっそ全て無くなれば
どんなに楽か、と.
ただ一人で
嘆いた___
【prologue】
花はいつか枯れるように
命にも、いつか終わりが来る.
そのいつかは人それぞれだってことも
頭ではちゃんと、わかってる.
でも、それでも
〝あと1か月〟
そう宣言されるには
あたしはまだ、幼かった.
鳥は今日も飛んでいる.
虫は今日も鳴いている.
当たり前の風景を
認識するのさえ困難で
あたしの歯車は
もう、前には進めない.
それでも、あたしは
残された日々を
生きていかなければならない.
今日という日を
生きたかった人のためにも
最後の最後まで
生きる使命がある.
絶望.
残された時間の短さに、泣いた.
今までの無駄に過ごした日々を
取り戻したくて、後悔して泣いた.
もう治ることはなくて.
でも確実に肉体は蝕まれていく.
その事実を受け入れてるのに
涙が止まらない.
そんな自分の心の弱さに、泣いた.
どうして、あたしなの.
何か、悪いことしたのかな?
まだまだたくさん
やりたいことがあるのに
もう、出来ないなんて
そんなの、酷だよ.
ひどいよ、ひどすぎるよ.
……どうして___
あたしは、部屋で一人
涙を流し続けた.
だって、リビングで泣いたら
きっとお母さんは
あたし以上に泣くでしょう?
お父さんはきっと
あたし以上に
歯を食いしばるでしょう?
ごめんね、二人とも.
こんな早くに死ぬなんて
親不孝だね……
あたしの残された時間は
〝1か月〟
どうあがいても それだけ.
それは、変えることの出来ない真実.
泣いて過ごしても
笑って過ごしたら
同じ〝1か月〟だとしたら.
あたしは笑って過ごすの.
だって、強く生きていたいから.
祐希
3日ぶりに学校に行けば
大好きな、幼なじみ.
香菜
祐希
あたしが病気ってことも
あと少ししか
生きられないってことも.
全部、伝えたいのに.
哀れむとか、同情するんじゃなくて.
今までと同じ態度.
その祐希(ゆうき)の心遣いが
心に染みて視界がぼやける.
香菜
香菜
香菜
つい、この間まで
バスケも出来た.
コート上では誰よりも早い.
自信があったけど.
でも、気管が弱って
走ることを諦めた.
大好きなバスケを
___諦めた.
運動も出来ない.
思いっきり、走ることも出来ない.
その事実が時には
あたしの心を引き裂いて
歯を食いしばることもある.
でも、それでも
笑って過ごすと決めた
人生だから___
❤️きたら続き出します!!🥀 読んでくれて ありがとです!!🙇 ぜひ他のも 見てみてください!!😊
コメント
9件
凄い細かくて読みやすかったです!! 内容がよく伝わったよ!!😘
続き楽しみです!!
とても感動しました!スゴイ!他の作品もお待ちしてます💖