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エル・ミラノリア
エル・ミラノリア
エル・ミラノリア
ユーアレムセスト・アオトペス
エル・ミラノリア
ユーアレムセスト・アオトペス
ユーアレムセスト・アオトペス
???
エル・ミラノリア
振り向いた時には視界の目の前まであの霊の膝が迫っていた
エルが認識してコンマ数秒、ようやく自身が膝蹴りの標的となっていること、危機的であることを理解した
私は
兄を殺した
自らの手で
それも勝利のためだ
父が死んだ
けど悲しまなかった
惜しまなかった
会えたのに
理由はわからないけど
死んだはずの父に会えたのに
別れに浸らなかった
心此処に在らずで父には申し訳ないとは思う
けどこれも勝利のためだ
ここで父との別れに浸って仕舞えばどうせ殺される
戦闘前に大切な人と私を再会させるなんて隙を作るためだとしか思えない
だから常に警戒していた
いつ攻撃が来てもいいように
なにもなかった
普通に父との最後の時が終わった
狐に化かされた気分
肩透かし
呆気に取られていた
言い訳なんていくらでもできる
けど事実、
これだけ勝利のために尽くしたのに
最後の最後で
ボロが出る
私はいつもそう
大切な所で
隙ができる
不意をつかれた訳じゃない
想定内だ
なのに気を抜いてしまった
いや違う
思考を放棄してしまった
いや違う
父を、兄を
想ってしまった
負の感情に頭が支配された
ほんの一瞬だった
一瞬気を抜いただけ
ただ普通に死者を追悼したかっただけ
それも私には許されない
特別だから
普通じゃないから
私はいつも普通じゃないや
普通になりたかったし
こんな荒い言葉を使うような女になりたくなかった
普通に着飾って
普通に笑って
普通に遊んで
普通に恋をして
普通の女の子をしてみたかった
私は
いつも特別側だ
私の歩んできた道の先に待つものが兄と父の死なら
私は違う道を選んでいたはず
何度も後悔してきた
こうやって
もし〇〇なら
って
それでも道を変えなかった
此処を進んできた
多くの普通
あれだけ憧れた普通を捨てて
あれだけ欲しかった物も捨てて
此処にきた
自らの足で
こんな腐った私ですら
惹きつけられるものがあった
勝利
この二文字には
あった