TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

思考が纏まらない。こさめが俺のことを好き…?いつから…?それに、いるまもこさめの想いに気付いていた。俺が鈍感だとも言っていた。…つまり、俺以外全員、こさめが俺を好きなことに気付いてた…?

暇72

俺、俺は…こさめの何を見ていたんだろう…。

そりゃ呆れられて当然だ。鈍感だと言われて当然だ。…告白されてやっとこさめの想いを知った。それまで俺は、LANのことしか見えてなかったんだ…。最低な人間だと自覚して、自虐的な笑みしか浮かばなかった。

どうしたらいいんだろう。こさめはこんな形で伝えるつもりはなかった、と言っていた。それは、今伝えるつもりじゃなかったんだと思う。それなのに、俺が鈍感なせいで、こんな時にこんなタイミングで伝えさせてしまった。

暇72

ごめん、こさめ…。

こんなところでこさめに謝ったってどうにもならない。わかってはいるけど、謝罪せずにはいられなかった。…どうしたら良かったんだろう。

どうしたら―――。

そう考えていると、部屋のドアがノックされる。

みこと

なっちゃん?見回りの時間やけど、談話室行ける?

暇72

え…あ、もうそんな時間か…。わかった、一緒に行くよ。

ドアを開けると心配そうな表情のみことが居た。

みこと

大丈夫?体調悪いとか…。

暇72

いやいや、そんなんじゃないから。ただ考え事してて…。

みこと

…こさめちゃんに告白でもされた?

暇72

は!?

言い当てられて思わずみことの方を振り返る。みことは楽しそうにくすくす笑っている。

暇72

…知ってたのかよ。

みこと

いや?でもいるま君もなっちゃんもこさめちゃんも…。おれからしたらわかりやすいからなぁ。

いつも天然なのに、今のみことは聡明そうな表情で、全部見透かされてるみたいで落ち着かない。

みこと

…だって、おれとおんなじ顔してるもん。

暇72

…え?

みことと、同じ顔?それって…。

暇72

…みことも、誰かを好きってこと…?

みこと

おれはなっちゃんともいるま君ともこさめちゃんとも争う気ないから安心してな?…ちょっと話しすぎたな。皆待ってるやろうから早く行こ?

笑顔のみことはそれ以上の追求を許さない、と言っているようで、何も言えなかった。

…俺と、いるまと、こさめと争う気はない…。俺といるまがLANが好きで、こさめは俺が好き…。そうなると、みことの好きな相手、って…。

暇72

…すち…?

小さく呟いた彼の名前に、みことの頬が赤くなったような気がした。

一向にLANが見つからない。なつに俺達にはもう会わないって言ったらしいけど…それにしたってこんなに見つからないものか…?

いるま

…LAN。

日に日に焦りが募っていく。本当にもう…LANとは会えないんじゃ…。

雨乃こさめ

まニキ。

いるま

こさめ…?

雨乃こさめ

これあげる。

久しぶりに見たような気がするこさめは、いつもの元気いっぱいな姿とは違って、驚く程静かだった。気配すら感じなくて、ちょっと怖かった。

いるま

これ…?

こさめから受け取った紙の束には鬼の目撃情報が纏められていた。

いるま

こさめ、これ…!

雨乃こさめ

…こさめが見つけたら躊躇なく殺しちゃいそうだから。なつ君が見つけたら、なつ君は絶対隠すでしょ。…それは困るんだよね。こさめ、なつ君にはいなくなってほしくないから。

いるま

…は、俺はいなくなっても困らねーって言いたいのかよ。

雨乃こさめ

そうじゃないけど、まニキはなつ君より理性的な判断ができると思ってるよ。

なつより理性的な判断、ね…。はなからLANを殺せないと思ってる俺が、理性的な判断なんて出来るわけないのにな。

いるま

一週間くらい出掛ける。

全員が集まる食事の時間、俺は皆にそう告げた。

みこと

えっ、一週間も?

驚くみことに俺は淡々と続ける。

いるま

もう許可は取ってある。皆には申し訳ないけど…。

雨乃こさめ

…こさめは気にしないよ?見回りの頻度は高くなるけど…まニキにはまニキの事情があるもんね?

こさめは俺が出掛ける用を察しているのか、フォローに回ってくれた。

すち

…そうだね。どっちにしろ上官であるないこ君が許可を出したならオレ達は何も言えないよ。

みこと

驚いたけど反対ってわけやないよ。気をつけてな、いるま君。

いるま

ああ、ありがとう。

今日は早めに休んで、明日の早朝から出掛けよう。早い方がいいのは重々承知してるけど、体調は万全にしておいた方がいいだろうし…。

そう思って眠りについたのに、夜中に目が覚めてしまった。窓を締めて寝たはずなのに、そよそよと風の吹く感覚。チリン、と鈴のようなものが鳴る音。

…この音、聞き覚えがあるような…?

いるま

LAN…?

そうだ、LANのイヤリングの…。

いるま

LAN!?

LAN、その名前が脳裏に浮かんだ瞬間、俺は叫びながら体を起こした。

LAN

…いるま…。

久しぶりに聞いたLANの声。俺もLANも動けなかった。でも、すぐに俺はLANの腕を掴んだ。今を逃したら、もう会えないと思った。

いるま

LAN…!

そのままLANを引き寄せて、俺はLANを力いっぱい抱き締めた。

ムゲン×ロクジンカクメイ 曲パロ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

135

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚