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もう会わないって決めたのに、辛くて辛くて仕方なかった。今まではこっそり皆を見てたけど、いつなんの弾みでバレるかわからない。それに、こさめに見つかれば間違いなく殺されるだろう。皆に殺されるなら本望だけど…。我儘を言うなら、いるまに…。
“俺は、ずっとLANのことが好きだったんだよ。”
…なっちゃんから聞いた言葉が頭に浮かぶ。ずっと…。ずっとって、いつからなんだろう。いつからなっちゃんは、おれを好きだったんだろう。おれは…。
―――一目惚れだった。初めているまに会った日に、一瞬で惹かれてしまった。告白して恋人に、なんて思ってない。ただ一緒に居られたら…いや、遠くから見つめてるだけでも良かったのに。
それなのにこんな事になってしまうなんて。これは調子に乗ってたおれへの罰なのかな。…でも、おれより辛いのは…。
LAN
自分に向けられてる好意には鈍いくせに、こさめがなっちゃんのこと好きなのは気付いてた。こさめにもなっちゃんにも…皆には幸せになってほしい。その為には、おれが皆の前から消えるのが一番だと思ったんだ。そしていつか、なっちゃんが俺のことを忘れてくれたら…。
ずっとそう思ってはいたけど、決心がつかなかった。…最後に、皆の顔見ておきたいな…。
そう思って皆の寝顔を見に来た。
LAN
寝顔を見るだけ、そう決めてたのに。いるまの顔を見たら、我慢できなくなりそうだった。
LAN
キスしても、いるまは…許してくれるかな?マスク越しだったら、許されるかな?
そんな思考が頭を埋め尽くしていく。おれの味方をするかのように、いるまの部屋の窓が空いていた。…鍵、締め忘れたのかな…。
ふわりと風が吹く。
LAN
好きだ。
いるま
不意に呼ばれた名前に心臓が止まりそうになる。いるま、起きて…?
そう思った瞬間、いるまが飛び起きた。
いるま
逃げなきゃ、そう思ったのに久しぶりに愛おしい人に名前を呼ばれたのが嬉しくて。
LAN
気付いたら彼の名前を呼んでいた。
いるま
いるまに抱き締められて、何も言えなくなってしまう。
いるま
否定しなきゃいけないのに、拒否できない。おれだって、いるまとずっと一緒に居たいよ…。
いるま
LAN
思わず振り返ってしまった。…顔の近さに、ドキリと心臓が高鳴った。
LANを元に戻したくて、このままLANを返したくなくて。LANの首元を隠す衣服をずらす。枕元に置いておいた刀で指を切って、LANの首元に垂らす。
LAN
いるま
…もし、もしこれで、本当にLANが人間に戻れたら…。
LAN
ぐらり、とLANの体が揺れる。抱き締めてるおかげで、LANが倒れることはなかったが、意識を失ってるみたいだ。LANの部屋に寝かせたら他のメンバーにバレるかもしれないし…一先ず俺の布団に寝かせておく。
…どうしたものかな。これでLANが元に戻ってくれたらいいけど…。
雨乃こさめ
急に後ろから聞こえた声に振り向くと、こさめが立っていた。
いるま
雨乃こさめ
いるま
雨乃こさめ
はは、と乾いた笑いを零すこさめはすごく悲しそうに見えた。
いるま
雨乃こさめ
こさめの両目からポロポロと涙が流れる。慰めてやりたいけど、その役目は、俺でいいのか?
雨乃こさめ
暫くこさめの鳴き声だけが響いた。その間俺は何も言えず、何も出来ず、ただ見守ることしかできなかった。
雨乃こさめ
いるま
雨乃こさめ
こさめを慰めたかったけど、本当になんて言ったらいいかわからなかった。なつの気持ちもわかるから、こさめを好きになれなんて無責任なこと言えないし。でもこさめの気持ちもわかるから、なつを諦めろとも言えない。
…LANが帰ってきて、人間に戻れたら全部丸く収まると思ったけど…俺は事態を軽く見すぎてたのかな…。
…皆が皆、幸せになる道はないのか…?
いるま
暇72
いるま
暇72
呆れたようななつの声に俺はジロリと視線を移す。
いるま
暇72
雨乃こさめ
こさめは最近あからさまになつを避けてる。今までは隙あらばなつの隣や対面の席に座っていたのに、今はすちの隣、みことの対面に座ってるし。今日招集をかけた時も、なつの隣にならないよう真っ先に席を選んでた。
すち
みこと
すちとみことも落ち着きがない。みことはともかく、すちは皆に隠し事してたわけだしな…。
各言う俺だって、LANが帰ってきたことはこさめにしか言ってない。…というか、意図せずバレたんだけど。
いるま
雨乃こさめ
みこと
すち
いるま
LANが帰ってきたことは最後まで伏せておくことにした。次はどうしようかと悩んでいると、こさめが手を上げる。
雨乃こさめ
そう言い切ったこさめを見てか、次に口を開いたのはすちだった。
すち
みこと
すちの言葉にみことはかなり驚いていた。
いるま
みこと
すち
みことも口を開いたのを見てか、なつもやっと言葉を発した。
暇72
雨乃こさめ
暇72
最後に口を開いたのは彼だった。
LAN