雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
ピーポーピーポー
nakamu
きんとき
ピッ
ピッ
ピッ
ピー
nakamu
君をなくした過去の
ある日の記憶へ
まるでその場にいるように、戻る
あの日
撮影で忙しくて、最近なかなか話せてなかったから
流行っていた花見に、ズッ友を誘った
俺のわがままで、夜に見に行きたいと言ったら
笑顔で承諾してくれた
夜になると、二人で手をつなぎながら
花見をした
楽しかった。だから、周りが見えてなかった
ソレがいけなかった
夜に行ってしまったせいで
俺が周りを見ていなかったせいで
きんときが、通り魔に包丁で刺されてしまった
刺されたのは、俺を庇ってだった。俺の不注意できんときが刺されてしまった
すぐに警察も救急車も呼んで、犯人は捕まったし
きんときは救急車に乗せられて、病院に向かっていた
その間も血の流れがすごくて、怖くなって、何度も名前を呼んだ
何度も何度も謝った
苦しいはずなのに、笑顔で
きんとき
きんとき
きんとき
と、何度も言ってくれていた
そのあと、病院について、治療が始まった
白衣姿の人が、部屋から出てきてすぐに、俺は大丈夫なのか聞いた
聞いてしまった
返事は、白衣姿の人が、首を横に振って返してきた
その瞬間、俺は床に崩れ落ちた
絶望した
だから、君の笑顔をもっと見たいと思う気持ちも
俺にとっては映えて見える、綺麗な景色のような優しい笑顔も
今まで歩いて来た、君との楽しかった過去も
これから歩むはずだった、君と楽しむ未来も
今はなき、君の前であの時散っていった
ねぇ
nakamu
nakamu
と、言って
ずっと、泣いて、泣いて
nakamu
って言って
nakamu
nakamu
って、また続けて
nakamu
って、返事が返ってくるわけもなく、部屋に響く
帰ってこないのは、自分でも分かってるのになぁ
後日
nakamu
きんとき
nakamu
きんとき
nakamu
きんとき
nakamu
きんとき
きんとき
nakamu
nakamu
nakamu
きんとき
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
きんとき
きんとき
nakamu
きんとき
nakamu
きんとき
久しぶりに、きんときの優しい笑顔を見た
すごく、すごく嬉しかった
そのあと、たくさん話をした
次の日
嘘!なんで!なんできんときの体が、透け始めてるの?!
nakamu
nakamu
って、願う。懇願にも近い様な荒ぶった声、絶望の顔で
nakamu
と、もっと強く願う。いや、懇願する
nakamu
きんとき
nakamu
きんとき
nakamu
もともと、触れないのに
消えてしまいそうなきんときが、余りに軽く感じて
消えて行ってしまったら、もう、何も残らない気がして
それでも、きんときの体は透けていく
きんときを安心させた状態で成仏させたいけど
無駄に残酷に泣虫(ヨワムシ)だけリピートして、きんときに気を使わせている
そんな気持ちとは、裏腹に時間がたつにつれ、嗚咽がどんどんこぼれていく
nakamu
と、ずっと、泣きながらきんときのそばに行って
nakamu
って言った。近づいたから気付いた
気付いてしまったことがあった
きんときの体は透けていて、もう、長くはない
nakamu
nakamu
きんとき
nakamu
きんとき
nakamu
その一言は、自分しかいない部屋に響いて、消えていった
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
雪(みだいふく)
コメント
2件
凄い好きです!!! (語彙力は海の底です)