これは、遠い昔の実話である。 ある王国は、悪魔によって消滅の危機が迫っていた。 人々は絶望し、呆然と崩壊していく都市を眺めていた。 その時、天から5つの光が現れた。 それらは地上に降り立つと、瞬く間に悪魔たちを倒していったのだった。 彼らは神を従え、悪魔の王『ワルギス』を封印した。 その光景を、人々は奇跡と呼んだ。 そして、1人の男が現れた。 透き通るような白髪に、深みのある鮮やかな翠瞳。 この世のものとは思えない、浮世離れした容姿の美しい男であった。
市民
あなたがたのおかげで助かりました!
市民
本当にありがとうねぇ…
市民
これでこの国は救われるのか!!!
人々が喜び騒ぐ中、男は言った。
男
お前たちは、悪魔が生まれた原因を知っているか?
市民
それは…
男は、半壊した都市を寂しげに見つめていた。
男
悪魔の生まれた原因………それは、人だ。
市民
人…?
男
そう。人の想いや行動が、悪魔を生み出したのだ。……根本を変えなければ、現状が変化することはない。
市民
そんな…
市民
あたしらに言われてもねぇ…
市民
一体どうすれば……
男
できることはある。まずは己自身が変わることだ。そして…この腐りきった世の中を俺たちの手で変えるんだ。
そう言って、男は仲間とともに去っていった。 人々は彼らを英雄と呼び、行動を起こしたという。 _________ それから数百、数千年の時を経て、彼らは再び目を覚ます。 人々の幸せを、平和な世の中を守るために。