妖の学園

ここはゴースト高校

一人前の妖になるため、世界中から妖怪や精霊など、様々なモノが集まる

僕もそのうちの1人で、白狐から位を上げ、ご先祖様のように立派な天狐になることが目標だ

入学して一ヶ月、授業にも慣れてきた

ガラガラガラ…

僕たち1-2の担任は中国文明さん

凛々しく伸びたツノと、金色の鱗で覆われた尻尾、そして顔面 宝石も劣るほどに美しい黄龍だ

ちなみに僕は彼が初恋で、その恋は今もなお継続中である

中国さんの担当は魔力学…通称魔学で、その名の通り魔術について学ぶ

僕は教科書とノートを見ながら、中国さんの話を聞く

中国さんはカッカッと綺麗な字で黒板にまとめていく

みんな中国さんに注目し、静かに話を聞いている

ナチュラルは僕や中国さんにあたる

僕は生まれながらの妖狐だけど、元を辿ればただの狐だ

デビルは魔力を使わないとストレスが溜まり、暴走することもあるらしい

生物のイングランド先生によると、力が溢れて落ち着けなくなるそうだ

今いるミドルたちは、デビルと契約して魂をあげた元人間の子孫が多いらしい

まあもらう魂は契約者本人だけだから、子孫には魔力だけ受け継がれるみたいだけど

魔学と生物は関係が深くて、どちらかを覚えるとどちらかのテストですごく役立つ

僕は中国さんの話を聞きながら、生物のノートも見た

マリオネットは人間の世界で生きることも多く、魔界にはほとんどいない

見た目ではわからないから、事前の連絡は必須なんだ

テストにはよく出るけど…

キーンコーンカーンコーン

中国さんは可愛らしく手を振り、耳飾りをゆらつかせながら教室を出た

彼の名は中華民国こと台湾

中国さんの弟で、僕の幼馴染だ

今のところ入学当初から断られ続けているけど、そのうち認めてくれるかもしれない

日々の積み重ねは大事だからね

廊下に出ると、早速ドイツとイタリアに遭遇した

ドイツの羽はこれ見よがしに揺れている

めちゃくちゃ触りたい…

彼には兄が4人いて、一個上の中華人民共和国さんとは物凄く仲が悪い

大きな問題があったわけではないけど、性格が合わなすぎた結果だ

台湾は一歩退き、僕を避けた

ドイツたちはうんうんと頷いている

自然と円状になっているが、なぜか僕とイタリアたちとの間には人間1人分の隙間が空いている

中学の時、イタリアの尻尾を触っていたら夢中になって、イタリアの腰を抜かしてしまったことがあった

非常に良い触り心地でした

ただ、それ以来触ることは断固として許されていない

僕は3人からボコボコにされ、メンタル的なダメージを負いながら休み時間を終えた