私は「ミール」と名乗り、彼に近付く。
敵……かどうかはこの際置いておいて、 相手の事を知りたいなら相手の懐に飛び込むのが一番です。
さて……本題に入りましょうか
ミール
ところで……
????
ん?なんや?
ミール
貴方様の御名前をお伺いしても?
????
え、あ〜!すまんな、忘れとったわ!
キッチリとした軍服を身に付けた彼は服装を正し、
トントン
我々軍、書記長のトントンや。よろしくな。
ミール
トントン……様?
トントン
ふふ、トントンでええで?
ミール
トントンさん!
ミール
トントン……様?
オドオドと不安そうに言うので思わず笑みが溢れてしまう。
トントン
ふふ、トントンでええで?
と、言うと少年?いや、青年は満面の笑みで
ミール
トントンさん!
……なんやこの天使。 え?めっちゃやりきったみたいな顔しとるんやけど? は?名前呼ぶだけでこんな可愛ええん?お持ち帰りしてええ?←()
ミール
あ、あの…トントンさん……?
トントン
ん?なんや?
ミール
先程から何かを探されているのですか?
トントン
お、よう分かったなぁ〜
ミール
いえ、喫茶店に入られて辺りを見回してので…
おぉ……見られてたんか…まぁ当たり前か…
ミール
何を探されていたのですか?
トントン
ん〜ちょっとな…
ミール
僕、お手伝い出来るのなら致しますよ!
…満面の笑みで告げられる(尊)死刑宣言やめてもろて
トントン
…物ちゃうんやけどな?
エーミールって言う人なんやわ。
エーミールって言う人なんやわ。
ミール
えーみーるさん?
コテっと首を傾げるミール。 はァ?可愛すぎかよふざけんな
トントン
あ〜…知らん?
ミール
ご、ごめんなさい…((しょぼん
はい尊い。無理、死ぬ。
トントン
ええんやで…(可愛ええから)
トントン
ん?ミールくんはご両親おらんの?
ミール
家族……ですか…
トントン
おん
「そんなものはもう居ない」と喉まで出てきた言葉を飲み込む。そして笑顔で
ミール
今は一人で来てるんです!お父様とお母様には
遊びに行ってくると伝えています!
遊びに行ってくると伝えています!
トントン
?……そうか
ミール
はい!
……どうしてトントンさんは苦い顔をしたのだろう? 私は笑えていたはずだ。
もしかして……笑えていなかった?
何故?昔から、私は笑うのが …表情を”制御した”り、”造った”りするのが得意なはず…
ミール
(……考えすぎでしょう)
この時、本当に笑えていたのか…そんな事はどうでもいい。 だって……
グルッペンから逃げ切れば、私の勝ちだから……ね
……だから…私は”私”に気付かないふりをした。







