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付き合い始めた_とはっきり言葉にした訳ではなかった。
けれど、私と及川の間には、
確かにそれまでとは違う「何か」が生まれていた。
練習後、体育館を出るタイミングが自然と合ったり、
試合中、ふと視線が絡んだだけで、胸が高鳴ったり。
けれど、そんな穏やかな日々に
最初の波紋は突然やってきた。
その日は、東京からの強豪校が練習試合に来ていた。
私の前に現れたのは、1人の女子マネージャーだった。
聞きなれた声に一瞬、私の体が強ばる。
天音 夜空
七瀬 彩音
七瀬 彩音_私を追い詰めた
東京のバレー部の副主将
そして、私の親友。
七瀬 彩音
七瀬 彩音
彼女の笑みは一見柔らかかった。
けれど、その裏に、針のような冷たさが沈んでいた。
七瀬 彩音
七瀬 彩音
_何も変わっていない。
言葉はナイフのように、私の胸を再び切り裂いた。
天音 夜空
七瀬 彩音
七瀬 彩音
七瀬 彩音
その声は、私ではなかった。
後ろから現れた及川が、七瀬の言葉を遮った。
及川 徹
一瞬、空気が凍りついた。
七瀬 彩音
及川 徹
及川 徹
その言葉は七瀬の眉をひそめさせた。
七瀬 彩音
七瀬 彩音
吐き捨てるようにそう言い残し、七瀬は去っていった。
体育館の裏、私は及川の前で
膝を抱えながら座っていた。
天音 夜空
及川 徹
及川はそっと隣に腰を下ろす。
及川 徹
及川 徹
私は小さく顔を上げる。
天音 夜空
及川は少し照れたように笑った。
及川 徹
静かな夜の空気の中で、
2人は手を繋いでいた。
それだけで、不思議と過去に痛みが少しだけ遠くなった気がした。
けれど、七瀬が残した
"呪いのような言葉"
は、私の心に小さく残っていた。
_いざとなったら、自分だけ守る。
(私は本当に誰かを守れるのかな)
揺らぎ始めた心。
そしてその隙間に、
次なる"影"が忍び寄る_