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付き合い始めた_とはっきり言葉にした訳ではなかった。

けれど、私と及川の間には、

確かにそれまでとは違う「何か」が生まれていた。

練習後、体育館を出るタイミングが自然と合ったり、

試合中、ふと視線が絡んだだけで、胸が高鳴ったり。

けれど、そんな穏やかな日々に

最初の波紋は突然やってきた。

その日は、東京からの強豪校が練習試合に来ていた。

私の前に現れたのは、1人の女子マネージャーだった。

…あれ、天音?

聞きなれた声に一瞬、私の体が強ばる。

天音 夜空

…七瀬さん。

七瀬 彩音

やっぱり!

七瀬 彩音_私を追い詰めた

東京のバレー部の副主将

そして、私の親友。

七瀬 彩音

元気そうじゃん。あれから、青葉城西に行ったって聞いたけど、

七瀬 彩音

本当にいたんだ。

彼女の笑みは一見柔らかかった。

けれど、その裏に、針のような冷たさが沈んでいた。

七瀬 彩音

こっちはようやく落ち着いたよ。

七瀬 彩音

貴方が居なくなって、空気が良くなったって皆言ってる。

_何も変わっていない。

言葉はナイフのように、私の胸を再び切り裂いた。

天音 夜空

やっぱりあの時のこと後悔してないんだね。

七瀬 彩音

後悔?何を?

七瀬 彩音

自分で反省もしないで、被害者ぶるの、もうやめなよ。

七瀬 彩音

あの時のチームを壊したのは_

やめてください。

その声は、私ではなかった。

後ろから現れた及川が、七瀬の言葉を遮った。

及川 徹

それ以上、天音ちゃんになにか言うなら、俺が黙ってないよ。

一瞬、空気が凍りついた。

七瀬 彩音

…貴方、誰?

及川 徹

青葉城西高校バレー部主将、及川徹。

及川 徹

そして、天音夜空の見方。

その言葉は七瀬の眉をひそめさせた。

七瀬 彩音

ふーん、じゃあせいぜい気をつけなよ。

七瀬 彩音

そいつ、いざとなったら自分だけを守るから。

吐き捨てるようにそう言い残し、七瀬は去っていった。

体育館の裏、私は及川の前で

膝を抱えながら座っていた。

天音 夜空

ごめん。私、また過去に負けちゃった。

及川 徹

違うよ。ちゃんと立ってたじゃん。

及川はそっと隣に腰を下ろす。

及川 徹

俺さいつも勝つことばかり考えてた。

及川 徹

でも天音ちゃん見てたら、勝ち負けよりも大切なものってあるんだって気づいたんだよね。

私は小さく顔を上げる。

天音 夜空

それって何?

及川は少し照れたように笑った。

及川 徹

多分、守りたい人がいるってこと。

静かな夜の空気の中で、

2人は手を繋いでいた。

それだけで、不思議と過去に痛みが少しだけ遠くなった気がした。

けれど、七瀬が残した

"呪いのような言葉"

は、私の心に小さく残っていた。

_いざとなったら、自分だけ守る。

(私は本当に誰かを守れるのかな)

揺らぎ始めた心。

そしてその隙間に、

次なる"影"が忍び寄る_

さよならを知らない君へ

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