味方

莉犬は近所に住んでる子で

年の離れた俺は兄のような立ち位置にいる

莉犬の家庭環境はちょっと荒れてて

放任主義な親なのか育てる気がそもそもないのか...

子供が夜遅くに出歩く事に対しても何も言わない

いわゆるネグレクトだ

暇さえあれば俺の家に凸ってくる莉犬

俺も時間がある時は莉犬に構ってやってた

親と過ごす時間より俺と過ごす時間が長いと言える程には一緒にいて

子育てをしてる気になりながら莉犬の面倒を見ていた

コンビニについて食べ物や飲み物を探しながらまた話しをする

莉犬にはいつでも逃げてこられるように合鍵を渡している

俺が留守の時とか真夜中とかどんな時でも家に入れるように

莉犬は人に相談するのは苦手

だけど俺だけは話せんのか泊まりに来た日は暫く話をする

常にストックとして2､3本は置いてあるいちごミルク

結局話してる途中にフラバを起こしてそのまま過呼吸に陥った

暫くは俺の声すら届かない

今回は自傷行為をやり始めたから

膝の上に向かい合わせで乗せて腕ごと抱きしめて動きを封じた

鍛えてる俺と小柄で力の弱い莉犬

動きを抑えるのはなんてことない