千織
紗希、大輔先生って知ってる?
紗希
え?知らなーい。
千織
そっか、紗希は転入生だからね。
千織
私が一年生の時に、交通事故で亡くなった先生。
千織
大輔先生…私のクラスの担任だったんだよね…。
紗希
そうなんだ…
紗希
なんか切ないね…。
千織
あんまり言わないでね…?
紗希
うん。秘密にする。
千織
大輔先生…たいすけ君っていう子をかばったの…。
紗希
え…。どういうこと…?
千織
校外学習で、交差点を曲がった時、車が突っ込んで来たの。
千織
私たちはなんとか逃げたけど、たいすけ君だけ逃げ遅れちゃったの…。
紗希
千織
その時、たいすけ君をかばって、たいすけ君は助かったけど、先生は重傷…。
紗希
その、たいすけ君って子?もうちょっと速く走れないのかな?
紗希
そうすれば、先生も助かったはずなのに…
千織
仕方ないよ…
千織
それで、先生は入院するってなったんだけど、意識はあったのね?
紗希
意識があってよかった…。
千織
クラスのみんなにそのことを伝えられた時、みんな泣いた…。
千織
たいすけ君は『大輔先生、手術しないで!』って言ったの。
千織
今でもその場面は覚えてるよ…。
紗希
どうして手術しないでって言ったのかな…?
千織
その時、実質小1だったしね。
千織
私たちもその意見に賛成したんだけど。
千織
私は手術が失敗したら死んじゃう!
千織
ってだけで賛成した。
紗希
で、結局先生は手術したの?
千織
残念だけど…しなかった…。
紗希
それだよ!その判断が間違ったんだよ!
紗希
大輔先生、ダサいなぁ〜〜
紗希
手術しとけばよかったのに…。
千織
うーん😔
千織
先生は自分の生徒がしないでって言ってるからしなかったんじゃない?
紗希
いやいや…生徒より自分の命大事にしろよクズ!
千織
ごめん、もう私習い事あるから…
紗希
うん。また明日!
紗希
こんな時に通知?
紗希
なんだろ…
大輔先生
あなたは、牧田千織さんと友達の方ですか?
紗希
…はい…。
紗希
こんな時間に何の用ですか?
大輔先生
すいません、すぐに終わりますので。
大輔先生
それでは本題に入らせてください。
紗希
はい。
大輔先生
大輔先生
ここがどこか分かりますか?
紗希
…いいえ…。
紗希
この写真、コピーしていいですか?
大輔先生
いいですが…何に使うのですか?
紗希
調べてみようと思って…。
大輔先生
わかりました。どうぞ、ご自由に。
千織
紗希〜〜帰って来たよ!
紗希
おお!ちょうど話したいことがあるんだ!
千織
なに〜?
紗希
紗希
ここがどこか分かる?
千織
あの世の風景じゃない?
紗希
なわけないでしょ!
紗希
分かんないよね…
千織
これがどうしたの?
紗希
なんでもない!
紗希
インターネットで見つけて、興味を持ったから…
千織
ふーん
紗希
さっきの写真、どこの風景かわかりました!
大輔先生
どこでしょう。
紗希
あの世…だと思います。
大輔先生
そうですか…。
大輔先生
答えは私もわからないです。
大輔先生
一緒に行ってみませんか?
紗希
はい!答えも気になりますし🎶
大輔先生
では明日、あなたの家の前で待ってます。
大輔先生
私と同じ生活を送りましょう!
紗希にメッセージが送られてきた「大輔先生」とは、始めに千織が話していた、「大輔先生」なのです。
事実、紗希は大輔先生に向かって暴言を放っていました。
タイトルにある「呪い」とは、紗希へあの世に招待する、ということです。
つまり、千織が言っていた「あの世」とは、間違ってはいないということです。
ある意味、あの写真の場所を当てた千織も怖いですね。
大輔先生